VFXデザイナーとは
VFXデザイナーとは
映画やドラマなどの映像作品では、CGを使った視覚効果をVFXと呼びます。そして、そのVFXを担当するのがVFXデザイナーです。
CG作成ツールには、2Dや3D、モデリングやコンポジットなど様々なツールがありますが、VFXデザイナーは作品の予算や仕上げ期間、求められるクォリティなどを考慮した上で最適なツールを使用してVFXを制作する仕事です。
またVFXは、撮影だけでは作れない作品の世界観をCGで表現するという重要な役割を担っています。しかし、編集やMAといった他の工程と違い、VFXの作業には監督が立ち会いません。VFXデザイナーは、監督と事前に綿密に打合せをして仕上がりのイメージを作り、そしてカットが出来上がったら監督のチェックと修正を繰返して仕上げていきます。
VFXデザイナーの役割ややりがいを動画で紹介
たるすけが、現役のVFXデザイナーにインタビューしてきました。
VFXデザイナーの仕事の内容とは
VFXデザイナーの代表的な仕事内容には、以下のものがあります。
- フルCG映像の作成
- 実写との合成
- 映像加工
- 実写の余分な部分の消し込み
【フルCGの作成】
実写で撮影することが不可能なカットを作成します。2Dで作成することも多いですが、MAYAやMAXなどのツールを使って3Dで作る場合もあります。
【実写との合成】
NukeやFlareなどのコンポジットツールを用いて、CGで作成した背景に人物を合成したり、CGで作成したオブジェクトを実写に合成したりします。撮影条件によりグリーンバックなどの撮影ができない場合は、マスクを手描きで作成したり、動きに合わせて1コマずつ調整していくこともあります。
【映像加工】
撮影素材に対して、イメージに合うように加工を施します。
【実写の余分な部分の消し込み】
時代劇の撮影時に移り込んだ近代的な建物やワイヤーアクションのワイヤーなど、撮影素材には実際は要らない物も映ってしまいます。VFXでは、こういう物の消し込みもします。
VFXデザイナーに必要なスキル・経験
VFXデザイナーには、次のようなスキルや経験が求められます。
【CGの専門知識】
【映像加工技術】
映像作品には、様々な演出があります。演出者の意図が正しく伝わるように、様々な加工が求められます。
【CG制作ツールの操作スキル】
VFX制作には、様々なCG制作ツールが用いられます。VFXデザイナーは、カットごとに最適な制作ツールを選択することが求められますので、操作できるツールは多い方が仕事の幅が広がります。
VFXデザイナーに向いている人
【提案力のある人】
VFXは、撮影前に制作方法を決めておく必要があります。例えば、合成するカットはマスクを抽出しやすいグリーンバックで撮影してもらうなどです。このようにVFXでは、撮影前に制作方法をイメージして、それを具体的に提案できると効率的に作業が進められます。
【コミュニケーションが得意な人】
作品の世界観やカットのイメージは、監督とのコミュニケーションから作ります。世界観やイメージが監督と異なると作業がやり直しになってしまうので、コミュニケーションによってできるだけ細部まで引き出すことが重要になります。
【細かいことが好きな人】
VFXのクォリティは、作品のクォリティに影響します。これによりVFX制作では、より細部までクォリティに気を遣います。カットによっては、根気強く1コマずつ微調整してくことも求められます。
VFXデザイナーのキャリアパス
CG系の専門学校や大学で専門的知識を学んだ後、映像系のCGプロダクションやポストプロダクションなどに就職します。そして、多くの作品を見て感性を磨きましょう。メイキング映像なども参考になります。
まとめ
VFXデザイナーは、作品の世界観を演出する重要な仕事です。そしてVFXは、従来のセットを組んで撮影する方法よりも自由度が大きく、よりイメージに近づけるためニーズが増えています。自分の感覚やセンスを生かす職業として、VFXデザイナーに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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