映像を作る職人たち ~カラリスト篇~ 色の持つ力を理解して作品に豊かさと活気を与えるスペシャリスト

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映像を作る職人たち ~カラリスト篇~ 色の持つ力を理解して作品に豊かさと活気を与えるスペシャリスト

映像制作において、一つの作品ができあがるまでたくさんの人が携わっています。
以前、「映像セミナー 課外授業編」でもお伝えいたしましたが、映像作品はいろいろな技術を持ったいろいろな方が関わって、みんなで作り上げるものです。
今回は、その過程でどんな職種の方が携わっているのか、一つ一つのポジションにスポットをあてて職業紹介をしていきます。
まず第1弾は、カラリスト。

カラリストとは?

簡単にいうと、映像の色を調整する仕事です。
映画やCMでは、カラーコレクションとかカラーグレーディングといって、色を調整する工程が必ずあり、それを担うのがカラリストです。
一般的には、映像の色を自然に見せるための調整をカラーコレクション、演出上の色味を付加することをカラーグレーディングといい、カラーコレクションをする人をカラリスト、カラーグレーディングをする人をグレーダーと呼んだりしますが、色を調整することに変わりはありません。

また、色の調整は編集の中でもできますが、カラーコレクションやカラーグレーディングでは色の細部まで調整するので、編集で調整した物よりも映像の表現力が豊かになります。
近年では、従来カラーコレクションやカラーグレーディングを行っていなかったTV制作の現場でも、4Kや8K、HDRといった色の表現が豊かなコンテンツの増加に伴って、カラーコレクションやカラーグレーディングのニーズも増えてきています。

カラリストになるには?

カラリストは、今まで映画やCMでしか需要がなかったため、エディターやミキサーのように多くはありませんし、カラリストを養成する専門学校もあまりありません。
なので、カラリストになるためには、まずカラーコレクションやカラーグレーディングを担っている会社に就業することを目指しましょう。そのためには、次の項目で伝える知識と、カラリストを目指す熱意が必要です。

カラリストのための勉強

カラリストになるためには、色の知識が必須となります。
映像の色空間の構造や映像デバイスの色の再現性などを学んでおくと、イメージした色を調整するのに役立つと思います。

色空間については映像編集入門セミナーを参考に!

カラリストの役割ややりがいを動画で紹介

今回は、㈱IMAGICAエンタテインメントメディアサービスでカラリストとして活躍されている則兼智志さん(2013年~2018年に㈱デジタルスケープから当時の㈱IMAGICAに派遣社員として就業し、現在では正社員)にいろいろ聞いてきましたので、ご覧ください。

※クリックすると動画が始まります

いかがでしたか?

カラリストは、映像のイメージを左右する大事な役割。一人前になるには経験を積まなければいけませんが、やりがいのあるお仕事です。

映像制作に関連する転職・求人情報にご興味がある方は下記から自分にあったお仕事を探してみましょう。

株式会社デジタルスケープ 山崎 義成
株式会社デジタルスケープ
山崎 義成

1990年から約30年間IMAGICA Lab.在籍し、エディターとして、CM・TV・映画とジャンルを跨いで活躍。
ワークフローの作成から編集・グレーディングまで幅広く担当。3Dや4K/8K、HDRなども手掛けている。
代表作:映画「デスノート(前編・後編)」、映画「どろろ」、3D映画「ラビットホラー3D」、アニメ映画「秒速5センチメートル」、4K「ポール・マッカートニー・アウト・ゼアー2015」 他