映像セミナー 課外授業編Vol.1 映像の仕事に必要なのに誰も教えてくれない大事なこと

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映像セミナー 課外授業編Vol.1 映像の仕事に必要なのに誰も教えてくれない大事なこと

映像セミナー 課外授業編Vol.1 映像の仕事に必要なのに誰も教えてくれない大事なこと

こんにちは。映像編集入門セミナーで講師を務める山崎です。セミナーではお伝えしきれない、映像制作の現場で活躍するために必要とされる知識やスキルについて「映像セミナー 課外授業編」で掲載していきたいと思います。映像制作に関わりたい方はぜひ参考にしてみてください。

今回は、「コミュニケーション力と想像力」についてお話いたします。
映像制作の仕事では、より早く、より良いものを仕上げることが重要です。さまざまな方法を試しながら試行錯誤して仕上げていくやり方は効率的ではありません。そのために必要なことはどういったものでしょうか。

映像作品はみんなで作り上げるもの

まず、映像作品は多くの人が携わってできています。一部YouTubeなどでは全て1人で作っているものもありますが、ほとんどの映像作品は1人ではできません。内容を考える脚本家さん、演出を考える監督さん、構図を考えるカメラマンさんからポストプロダクションスタッフや照明さん、美術さん、録音さんなど本当に多くのスタッフが、それぞれの技術やノウハウを集結して1つの作品ができているのです。アメリカのハリウッド映画などでは、エンドロールが10分を超えるものもザラですよね。そのエンドロールに名前を連ねている全ての人が、制作に関わったスタッフです。

作品制作には、その制作スタッフの1人1人が「良い作品にしたい」という思いで制作に取り組むのですが、そこで重要なのは作品イメージの共有です。作品制作の指揮をとるのは監督ですが、その監督の思い描く作品像を共有できないと良い仕事はできません。目指すところが分からないと何をどうしたら良いか分かりませんし、苦労してやったことも監督のイメージと違ったものになってしまっては水の泡です。映像作品は、同じものが2つとありません。見本がないのです。映像制作の仕事は、そうやって作品の最終形をイメージして、具現化していく仕事です。

最終形をイメージして具体化していくこと

映像制作の仕事で必要とされるスキルとは?

そんな映像の仕事に必要なのが、コミュニケーション力と想像力です。映像作品では、台本や絵コンテといった物が作品イメージを共有するツールとして使われます。しかし、それだけでは各スタッフのイメージはバラつきます。そのバラツキを埋めるために必要なのがコミュニケーションです。

監督やスタッフも人間なので、色々な人がいます。中には、無口な人や不愛想な人、良くしゃべるけど欲しい情報が出てこない人などさまざまです。しかし、監督やカメラマンは1作品に1人しかいません。なので、どんな人であってもコミュニケーションを取って、しっかりと情報を引き出すことが重要です。苦手だからと言ってコミュケーションを疎かにすると良い作品はできません。

そして、引き出した情報から頭の中で映像のイメージを作るのに必要なのが想像力です。イメージは、漠然としたイメージではなく、より細部までイメージできれば試行錯誤も少なくて済みます。ちなみに、巨匠と呼ばれる人はちゃんと細部までイメージできています。故に拘りが非常に強いです。だから、巨匠なんでしょうね。

想像力とコミュニケーションが重要

スキルを身に着けるための努力を

映像制作では、イメージを具現化するのにスキルやノウハウが必要です。しかし、スキルやノウハウは仕事をしていけば自然と身に付きます。それに対し、コミュニケーション力や想像力は意識して努力しないと身に付きません。コミュニケーション力を高めるためには、視点の数を増やして視野を広くすることが必要です。普段から、自分目線だけではなく、違う目線でも物事を捉えられるように努力しましょう。そうすることで、相手の言葉や気持ちが理解できるようになります。

また、想像力を高めるために必要なのは、いろいろな映像作品に触れることです。それも漠然と見るのではなくて、自分が気に入る部分を1カ所でも2カ所でも良いので、捜しながら見てください。そして、可能なら気に入った個所を自分なりに再現してみましょう。そうすることで、自分の中でイメージの引き出しが増えていきます。

映像制作では、いい仕事をしていくと次の仕事が指名でくるようになります。指名が増えれば、独立してフリーランスで活躍するなんてことも可能です。実際、年収1千万円超のフリーランスで活躍されている方も大勢いらっしゃいますので、ぜひコミュニケーション力と想像力を磨いて、目指してみはいかがでしょうか。

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株式会社デジタルスケープ 山崎 義成
株式会社デジタルスケープ
山崎 義成

1990年から約30年間IMAGICA Lab.在籍し、エディターとして、CM・TV・映画とジャンルを跨いで活躍。
ワークフローの作成から編集・グレーディングまで幅広く担当。3Dや4K/8K、HDRなども手掛けている。
代表作:映画「デスノート(前編・後編)」、映画「どろろ」、3D映画「ラビットホラー3D」、アニメ映画「秒速5センチメートル」、4K「ポール・マッカートニー・アウト・ゼアー2015」 他