映像業界の新たな挑戦領域と動画広告が変えるクリエイターの新常識。(前編)

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映像業界の新たな挑戦領域と動画広告が変えるクリエイターの新常識。(前編)

コンテンツ制作から広告運用までのワンストップサービスで、動画広告の可能性に挑戦

動画・WEBのコンテンツ制作から広告配信までを手がけるクリエイター集団、IMAGICA IRIS。2019年1月にIMAGICAグループのベンチャー制度第1号として設立され、4月からサービス開始。映像クオリティの高さとエンドユーザーのニーズを見据えたプロモーション戦略、動画広告での効果改善が、映像業界のみならず広告業界からも注目を集めています。映像クリエイター兼マーケティングコンサルタントとして数々の広告戦略に携わり、同社の立ち上げに参画した中村将さんに、立ち上げの経緯や動画広告業界への想いについて語っていただきました。

映像納品の先にある、本当のクライアントの課題

インターネットの高速化、スマートフォンの普及によって近年は動画コンテンツをプロモーションに採り入れる企業が飛躍的に増え、インターネット広告費は、2018年に売上規模でついにTVCMを越えました。( 電通調べ )従来のバナー広告と違い、動画広告にはストーリーや音を取り入れられるので、消費者へのブランディングや購入促進など態度変容を促しやすいことが圧倒的な強みです。今後5Gが導入されればコミュニケーションが進化し、この動きはさらに加速されるでしょう。

多くの人が注目する動画広告市場にはいくつものベンチャー企業が参入してきていますが、急成長の市場であるため、人材が著しく不足しています。これまで動画と関連性の低かった職種の人も制作に関わっていることから、コンテンツの品質担保が課題で、映像クリエイターの需要も高まっています。

2019年国内動画広告の市場調査

出典:株式会社サイバーエージェント 2019年国内動画広告の市場調査
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=24125

一方で、大手映像企業が動画広告市場に新規参入する話はあまり聞きません。
その理由として、動画広告を映像業界に発注すると、見積もりが100万、200万円規模になったという話もよく聞きます。動画広告は、詳細なターゲティングができるので、訴求軸に合わせて作り変え、なるべく安く多くの本数を作りたいと広告主は思っています。最高の1本を作る事に専念してきた映像制作フローでは、需要と供給が一致しないのです。

映像業界は長らく「制作してクライアントに納品して完了」という「生産主義」「製品主義」の産業でした。
ただ、クライアントの本質的課題は納品した先にあり、その動画が視聴者にどうような影響を起こすかが需要で、影響を起こす部隊を社内に配備しナレッジを蓄積する事が必要でした。せっかく動画を制作したのに視聴回数があまり伸びずインパクトが少なかったという結果を出さないために、接触頻度を高める仕組みを理解する必要がありました。

動画広告における動画制作も「効果を最大化」する事が役目です。つまり、既存の制作ビジネスモデルではなく「価値主導」「サービス主義」に観点を置き、動画を作る先にある、「動画を届ける=広告配信」という場所に会社の商品を作る事で、動画制作が定常的についてくるフローの構築が必要だと考えます。 また、広告商材を扱うこと自体が、映像業界のタブーのような考えも根強いので、新規ビジネス参入に経営判断をすることが遅れている事も理由の1つです。

株式会社IMAGICA IRIS 取締役 中村 将氏

株式会社IMAGICA IRIS 取締役 中村 将氏

私自身、長年、映像クリエイターとしてコンテンツの制作に携わり、納品後のエンドユーザーの反響をもっと知りたいと思っていましたが、それを実現したのは動画広告でした。消費者が本当に面白いと感じたら「イイね」が押され、シェアされ、話題になっていく、視聴回数やクリック回数だけでなく、様々な目的指標がすぐに管理画面で確認できる。消費者のレスポンスが数値として可視化されることにクリエイターとしてのやりがいを感じ、広告手法も自分の武器にしたいと思いました。

「視覚的・聴覚的にかっこいいもの」という定性的判断の時代から、より定量的で具体的にクオリティを高められる時代へ、そこには、クリエイターとしての新たな市場価値があると感じました。

「クリエイターが数値的指標も持ち合わせながら動画を提案し、広告主や消費者のゴールに合わせ動画を作る事」それが、今後の映像業界や広告業界の成長に繋がると感じ、「届ける事に特化したクリエイター集団」を作りたいという思いがありました。

映像業界を牽引するIMAGICAだからやるべき挑戦

IMAGICA(IMAGICA Lab.)で長年営業に携わってきた同期の根本敦史(現IMAGICA IRIS代表取締役社長)は映像業界やポストプロダクションの在り方に不安と疑問を感じていました。映像クリエイターが抱える「誰のために作っているのか」「自分自身がどうなりたいか」という不安の解決には、指標がわかる「動画広告」が必要で、新たな市場への挑戦が必要でした。クリエイターにとって次の成長の目的地を照らす光源である事。そんな思いで設立したのがIMAGICA IRIS(イマジカ アイリス) です。

IMAGICAは、日本国内で最大規模の映像ポストプロダクションです。テレビ番組、TVCMの豊富な実績があり、機材が完備されています。未経験で入社しても、有名作品に携わる先輩から技術を学び、すぐに映像制作の技術を身に着けられる環境が整っています。

多くの有名クリエイターを輩出し、新しい文化を作ってきたIMAGICAというブランドが、広告市場へ参入するということ自体にインパクトがあり、映像業界の新しい挑戦を先導する義務があると思います。IMAGICAグループ全体に目を向ければ有名作品に携わる約1,000人以上のプロクリエイターが在籍しています。グループの持つ表現力を集結する事で、アニメーション 、CG、撮影、編集、音響効果という分野でも最高品質の動画広告を届ける事が可能になります。

株式会社IMAGICA IRIS 取締役 中村 将氏

弊社の設立は映像業界で話題になり、有難いことに専門誌にも掲載頂きました。そして、様々な背景を持つクリエイターが当社のビジョンに賛同して集結しており、設立以来、多くの企業から動画広告制作のオファーも頂き、弊社が扱う広告商材や業種も増えております。

まだ小さな組織なので、営業・クリエイター・広告運用者の連携に重きを置いています。クリエイター自身が数字に対して当事者意識を持ち、制作オペレーターとしてではなく、マーケティングパートナーの1人として、エンドユーザーの動向を見据えた的確なプロモーション戦略をフォローできるのが当社の強みです。

デジタルマーケティングを駆使し、より多くの人たちに届くコンテンツを提供していくこと、映像業界と広告業界を動画で加速化させる事、そして、映像業界で新たなビジネスモデルを創出し、マーケティングを理解した動画クリエイターを育成し、クリエイターの新しい市場価値を確立する事がIMAGICA IRISのミッションです。クリエイターのさらなるレベルアップに向けて動画広告のパイオニアとして挑戦し続けます。

To Creator編集部
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