メタバースとは何か?メタバースのメリット・デメリット、メタバースがもたらす未来について解説

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メタバースとは何か?メタバースのメリット・デメリット、メタバースがもたらす未来について解説

メタバースとは何か?メタバースのメリット・デメリット、メタバースがもたらす未来について解説

最近至る所で耳にするようになった「メタバース」という言葉。5G技術の目覚ましい発達により、ゲームやビジネスの場など、今後さらに活用の機会が増えると見込まれています。とはいえ、メタバースが具体的にどのようなものなのかよく分からないという方もかなり多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、メタバースの概要について解説するとともに、メリットやデメリット、メタバースがもたらす未来についても詳しく解説していきます。

目次

メタバースとは?

それではさっそく、メタバースとはどのようなものなのか詳しく見ていきましょう。

メタバースの語源について

まず「メタバース」の語源についてですが、「Meta(超越)」と「Universe(世界)」の2つを掛け合わせて作られたものです。古くから存在していた言葉ではなく、小説家であるニール・スティーブンソンが1992年に発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」に登場する仮想空間サービス(メタバース)から名付けられたと言われています。このような背景もあり、メタバースの意味としては「仮想空間」と訳されることが多いようです。

具体的には、インターネット上に構成される3次元の世界で、自分の分身であるアバターが仮想空間で仕事をしたり、遊んだり仲間と会話したりすることができます。

SNSとの違い

仲間と会話や交流ができると聞くとSNSをイメージする方もいると思いますが、SNSとメタバースは表現する次元に大きな違いにあります。

SNSは、テキストや写真、動画などをベースにした「一対一」または「一対多数」でデバイスの画面上に展開される二次元のコミュニケーションですが、メタバースは、自身の分身であるアバターが主体となって仮想空間を動き回るため、三次元のコミュニケーションとなります。

なかにはメタバースがSNSの未来系になると予想している人もいるようですが、メタバースが発達したからといって二次元のSNSが淘汰されるわけではありません。むしろ、メタバース上で知り合った人たちの手軽な連絡手段には二次元のSNSが使用されることも多く、今後もSNSは重要なコミュニケーションツールのひとつであり続けるでしょう。

セカンドライフとの違い

メタバースに詳しい方の中には、2000年代に世界的に注目された「セカンドライフ」のブームを思い出す方もいるのではないでしょうか。

セカンドライフは、メタバースの先駆けともいえる画期的なコミュニケーションサービスで、「時代を先取りしていた」「今のメタバースブームのきっかけを作った」と言われています。一時期は若者やITに詳しい人々を中心に話題となったサービスでしたが、次のような理由から流行は次第に下火になっていきました。

  • 参加するのに「ある程度のスペックのあるPC」が必要であり、参加できるユーザーが限られていた
  • プレイの目的が明確に用意されていなかった
  • 操作方法が複雑で、ログインしたものの何をすればよいか分からず、離脱してしまうユーザーが続出した

そのため、「セカンドライフブームは一過性のものだった」「失敗したサービス」と揶揄されることもしばしば。しかし実のところ、いまだにそのプラットフォームは当時と変わらない姿で稼働を続けています。

一方の、メタバースはITにそれほど詳しくない人でも比較的簡単に利用することができるほか、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用することが可能です。またセカンドライフとは異なり、メタバースはVR端末に対応していることも特徴と言えるでしょう。

VRとの違い

近年、メタバースと似た概念として「VR(仮想現実)」という言葉を耳にする機会も増えてきました。この両者の違いは、メタバースは仮想空間であり、VRは技術であるという点。メタバースは空間そのものを指し、VRはそれらに没入感を与える手段とも言い換えることができるでしょう。具体的には、VRゴーグルをはじめとする技術を使用することで、より深い体感を得ることが可能です。またこの2つは、上記でも述べた通り、メタバース上でVRを用いて共存するケースもあります。

メタバースが注目されている理由について

メタバースが注目されている理由について

2030年には市場規模が約1兆ドル~10兆ドルにもなると試算されているメタバースですが、これほどまでに注目される理由には、

  • VRの技術が進化したこと
  • コロナ禍により需要が生まれたこと
  • 仮想空間での経済活動への期待が高まったこと
  • NFT(非代替性トークン)実用化が影響していること
  • Facebookが本格参入したこと

などが挙げられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

VR技術進化

まずは、VRの技術が大きく進化したことが挙げられます。この技術が発達したことで、「専用ゴーグルを用いて仮想空間にいるような視覚体験ができる」「自分とそっくりなアバターを作ってより自然なコミュニケーションを図る」といったことが可能になりました。

また、パソコンやスマートフォンの端末性能の向上、5Gをはじめとする高速インターネット環境が整備されたことも、メタバースの普及を支えていると言われています。

コロナ禍により生まれた需要

コロナ禍では、リモートワークやテレワークといった新しい働き方が浸透するなど、人々のワークスタイルや価値観に大きな変化がもたらされました。そのなかで「在宅で働きながらも社員同士のコミュニケーションを活発化したい」「外出する機会が激減したため、もっと頻繁にいろんな人と会話をしたい」といったニーズが地球規模で拡大し、オンライン会議ツールやオンラインイベントが世界中で広がりをみせるなか、多様な体験を実現できるメタバースにも大きな期待が寄せられるようになりました。

仮想空間での経済活動への期待(仮想空間内での商品・不動産などの購入)

これまでもゲーム内やセカンドライフといった一部のプラットフォームにて、商品を売買したり通貨を法定通貨に換金したり、といった経済活動は行われてきました。しかし近年のイノベーションにより、仮想空間内で商品や不動産を購入するといった「経済的な活動を補完する技術」がさらに進歩しました。一部では、NFTをシームレスに流通させることでメタバース上の経済活動が大規模化するのではないか、と期待されています。

NFT(非代替性トークン)実用化の影響

メタバースには、VR(仮想現実)のほか、デジタルツイン、NFTといった概念や技術が用いられますが、こうした新興技術が発達したことで、仮想空間でできる活動の幅が大きく広がりつつあります。

NFTとは、ブロックチェーン上に記録されるデータ単位のことをさします。ブロックチェーンとは、信頼性が求められる金融取引や重要情報の送受信などを、オープンネットワーク上で可能にするために使われる技術のこと。改ざんや不正を防ぎ、多数の参加者に同一のデータを分散保持させることができる仕組みです。偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータであるNFTの技術が構築されたことにより、安心安全にデータが送り合えるようになったこと、高精細グラフィック技術や物理空間との同期技術などが多数実用化されていることも、メタバースが広がる理由と言えるでしょう。

Facebookの本格参入

世界を代表する企業であるFacebook社が社名を「Meta」に変更して話題になったのは2021年のこと。「Meta」とはメタバースを指しており、マーク・ザッカーバーグ氏が今最も注目する技術のひとつと言っても過言ではありません。

世界的な企業がメタバースに注力することを大々的に発表したことにより、今後も参入する企業が世界的に増えると見込まれています。

メタバースでできること

ここまでメタバースの概要や注目される理由について細かく見ていきましたが、実際のメタバースではどのようなことが可能なのでしょうか。

現在メタバースでできる体験としては、

  • 仮想空間でのイベント体験(ライブ、上映会など)
  • 仮想空間での新ビジネス創出(商品・サービス販売、展示会、セミナーなど)
  • ゲーム
  • ユーザー同士のコミュニケーション

などがあります。

メタバースの特徴は、これまでの二次元オンラインミーティングツールやSNSとは異なり、自分のアバターが仮想空間で社会生活を再現できるようになる点です。「画面越しになんとなく映像を見ているだけ」という二次元世界とは異なり、実際にその場にいるような感覚を味わえることから、音楽ライブや映画の上映会、ビジネスでの会議、商品の販売、展示会といったさまざまな用途に活用することができます。

また、仮想通貨を用いればメタバース上で実際の収益を上げることもでき、企業の販売促進やマーケティングの場としても利用が期待されています。なかには、メタバースを投資の場として活用したり資産運用目的で利用したりする人もいるようです。

メタバースのメリット・デメリット

メタバースのメリット・デメリット

最後にメタバースのメリット・デメリットにも触れていきましょう。

メリット

まずメタバースのメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 非日常体験が味わえる
  • 現実に近いコミュニケーションが可能
  • 新しい経済圏を獲得できる
  • 距離を感じることなくイベントやミーティングに参加できる

メタバースの一番のメリットは、物理的な距離を感じることなく、世界観やリアル感を体験できることにあります。また、バーチャル空間でイベントやビジネスを行うことで、移動費や時間、光熱費、家賃などのコスト削減につながるという利点もあります。

デメリット

メリットが多いように感じられるメタバースですが、当然ながらデメリットも存在します。
主なデメリットとしては、

  • 参入への敷居が高いと感じる人もいる
  • 依存性が高いこと
  • 法律がまだ十分に整備されていない
  • セキュリティの脆弱性が指摘されている

といったものが挙げられます。

なかでも、メタバースの依存性の高さは懸念されている点のひとつ。没入感が高いため、長時間メタバースで過ごすと現実世界でのコミュニケーションが希薄になる可能性もあります。 また、法整備が追いついていないことやセキュリティの脆弱性から、仮想通貨の取り扱いに慎重にならざる得ない点などがデメリットと言えるでしょう。

まとめ

今回は、メタバースの概要について解説するとともに、メタバースが注目される理由、メリット・デメリットなどについて詳しく見ていきました。

メタバースは、仮想空間として今後ますます注目されていく技術のひとつです。特に次世代のコミュニケーションツール、ビジネスプラットフォームとして大きな期待を秘めています。その一方で、法整備やセキュリティ対策が不十分という懸念もあり、「ユーザーのリスクをいかに減らして安心安全な場所を提供できるか」が課題となっています。

とはいえ、世界的な大企業もメタバースの可能性に期待を寄せており、VR端末を用いたサービス「Horizon Workrooms」の提供(Meta社)や、ビデオ会議・コラボレーションツール「Teams」のメタバース対応(Microsoft社)など続々と新しいサービスが生まれつつあります。こうした波を受けて、日本でもメタバース事業に参入する企業が急増中であり、今後もメタバースの可能性から目が離せません。

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