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たった1枚の立ち絵からゲームPVができるまでを徹底解説!IMAGICA IRIS ゲーム系PVの制作フロー

たった1枚の立ち絵からゲームPVができるまでを徹底解説!IMAGICA IRIS ゲーム系PVの制作フロー

動画広告サービスを手掛けるIMAGICA IRIS社の制作スタッフが、映像編集や動画広告制作のノウハウをお届け!第一弾となる今回は、ゲームPV動画制作の裏側をご紹介していきます。

ソーシャルゲームが流行してから、以前にも増してTVやYouTube、電車、街頭などあらゆるところでゲームタイトルの広告を目にするようになった気がしませんか?
また、動画広告市場の成長とともに、ゲームとの親和性の高い動画広告の活用も増えています。

注目されるゲームPVは、どのようにして作られていくのか、ユーザーからも多くの評価を得ているPVを作った話題のクリエイターが語ります。

株式会社IMAGICA IRIS アートディレクター 近藤祥吉氏

株式会社IMAGICA IRIS
アートディレクター
近藤祥吉 氏

IMAGICA.Lab.のテレビ番組担当エディターとしてキャリアをスタート。
JPPA AWRADS2018 映像技術部門 テロップデザイン・共通 新人賞(ホンマでっか!?TV #258)受賞。
主にイラストやエフェクト等を用いたCG系動画を得意とし、さまざまなジャンルのゲーム系のPVを構成・演出から手がける。
IMAGICA IRISが送り出す作品の監修・クオリティコントロールを担っている。

ゲームPVとは

ゲームPVと言ってもさまざまな種類があり、TVCMのように制作費をかけたブランディング目的のものや、イベントやキャラクターを告知しゲームタイトルのインストールに繋げていくようなダイレクトレスポンシブ*¹目的の動画などがあります。

スマホゲームやオンラインゲームは、ダイレクトレスポンシブを目的にイントール単価を下げ、ROASと呼ばれる費用対効果を求められることが多いです。そのため、PVは主にリリース時に作成することが多いですが、最近では周年イベントやコラボ、人気キャラクターの新スキル解禁時などに用意することも増えています。

特に日本のゲームはキャラクターの特徴が強いのですが、それはグラフィックだけでは伝えきれません。ゲームPVであれば、色や演出、ボイスなどを組み合わせることにより、キャラクターへの熱量を高めることが可能となっています。また、生放送や動画配信サイトで発表する際は、既存ユーザーのエンゲージメント向上にも効果的です。そして、ゲームPVは、動画広告への流用にも向いており、ユーザーの新規獲得はもちろん、休眠ユーザーの復帰キャンペーンでも高いパフォーマンスを発揮しています。

ゲームPV制作の素材には、キャラクターの立ち絵や背景素材、ゲーム収録音源などを使うことが多く、短期的かつ多様な訴求でインストール増や広告効果の改善を求められます。IMAGICA IRISは、上記にあるような目的に合わせた効果指標を達成するためのパフォーマンス特化型の制作会社としての強みを持っていますが、ゲームPVにおいては、さらにクオリティに関しても注力して作成しています。

桁違いな予算を投下して潤沢に動画クリエイティブを配信している海外の人気スマホゲームに対して、従来のTVCMで使用されるようなゲームPVは、長い制作期間や高額な制作コストの関係で継続して作成するにはクライアントの負担が大きく、日本市場におけるマーケティング戦略として動画配信を増やしていくためには制作フローそのものを変える必要がありました。

しかし、「作る」ことに特化してきた映像業界では、KPIに合わせて構成を考え、納品後も継続したサポートができる映像制作会社は少なく、また、制作機能をインハウス化した広告代理店も増えているもののリソースやクオリティに課題を抱えている状態です。そこで、IMAGICAグループが長年培ってきた動画編集力・表現力を用いて、1枚の画像から世界観やストーリーを作り出しPVを完成させることが、ゲームPV市場のニーズにマッチするのでないかと考え、IMAGICA IRISにゲームPV特化型の部署を設立しました。

*1…ダイレクトレスポンシブ…商材の購入(ゲームの場合はインストール)に直接繋がるアクションを促すこと

IMAGICA IRISの制作実績

IMAGICA IRISでは2Dイラスト素材を活用したPV動画を作成しています。
こちらから制作実績をご覧ください。
https://imagica-iris.co.jp/works/

限られた素材でもデザインの可能性が広がる2DイラストゲームPV

使用できるイラスト素材が限られている場合、キャラクター素材のパーツを分解し、各パーツに動きをつけることで表現の幅を広げ、本来空間になかった「流れ」を生み出すことが可能です。例えば、髪の毛を揺らすことで風の流れが生まれ、関節を動かすことで躍動を作り出すことができます。さらに、収録済みボイスデータにはキャラクターの持つ「性格」があるため、テロップの動きやフォントも「性格」を反映できるデザインにします。

また、背景素材は3DCGを使って新規で作成することもあります。例えば、楽器を持ったキャラクターの場合、ゲームの特性上、音楽訴求に合う背景素材がない場合があるからです。
弊社の場合、ステージや音響機材などの3Dモデルデータを多数保有しているため、そのデータをもとに加工し、オリジナルの世界感を作成しています。もちろん1から新規作成することもありますが、短縮できる工数はできる限り削減し、表現幅のクオリティ追求に時間を使えるように制作フローを工夫しています。

どのような動画にするかは発注側の制作期間次第となりますが、制作側でどこまで制作工数をかけられるかを打合せの上で決定します。期間が長いほど制作工数をかけられるため、3DCGなどを使った高クオリティな映像を制作できるようになります。予め構成のご用意があり、尺の長さが約1分の場合は、大体4営業日ほどで制作が可能です。

そして、効果音やBGMを入れるMA作業も、制作担当のクリエイターが責任を持って対応しています。従来の制作手法だと別のクリエイターが作業するため、どうしてもクリエイティブの方向性に乖離がでてしまうことがありますが、企画から広告用動画まで一貫して戦略を立てることで、ブレがなくなります。
この手法は、クリエイターにとっても責任領域が増えることで、新しい「やりがい」になり、クリエイターとしての成長も感じられるものとなっています。

PVができ上がるまでの制作フロー

ここからは、2Dイラストを使用したゲームPV動画の制作方法について解説します。
通常の動画制作フローと大きな差はありませんが、以下のような流れで制作しています。

ゲームPV制作フロー
ゲームPV制作フロー

打ち合わせ

打ち合わせをして、どのような素材が提供可能か、どのような動画を作りたいかヒアリングします。
この際、どんな演出や映像の雰囲気を求めているのか、キャラクターのどの要素を訴求したいかなどをヒアリングしています。また、素材に関しては、立ち絵のみでも制作可能ですが、ゲームの背景やキービジュアル、UIデザイン、設定資料などがあるとより世界観に合わせた映像をご提案できます。

絵コンテ制作

打ち合わせ内容を元に絵コンテ作成します。弊社の場合AfterEffectsを使い、絵コンテからレイアウトをおおまかなデザインに起こします。これによりクライアントは完成動画の想像をしやすくなります。

映像制作

絵コンテFIX後、映像制作を開始します。すでに絵コンテのデザインまでの過程でイメージの共有が済んでいるため、完パケまでに完成イメージのズレがなく、制作を進めることができます。

修正

タイミングや素材差し替えなどの調整を行い完成です。

PV動画ができるまで

今回は、IDSイメージキャラクターの「えるちゃん」を使用して動画を作成してみました!
ここからは、この動画を例にして実際の制作過程を詳しくご紹介。今回の記事では、動画の全体的な流れをブロックごとに分け、各ブロックを制作する際にどのようなことを考えて演出などを構成したのかを解説していきます。クリエイターの皆さんはぜひチェックしてみてください!

事前準備、全体的なトンマナを決定

まずは事前準備として、「トンマナ」を決定します。 「トンマナ」とは広告業界の用語で「トーン&マナー」の略で、コンテンツのデザインやスタイルに一貫性を持たせるルールのことを指します。
今回は動画のデザインや演出をキャラの特色に沿ったものにするために、えるちゃんについて調べます。制作してから「イメージと違う」という事態を防ぐには、この準備は非常に重要です。

えるちゃんの立ち絵を見るとコーポレートカラーを基調としていることがわかります。
また、えるちゃんの公式TwitterやHPにある画像を見ると、カラフルなデザインやシンプルでポップなデザインの画像が多く、紹介文には「明るく元気な」などのポジティブな性格が記載されています。
そこで、今回はそれらに合わせたコーポレートカラーである青緑をメインとした、明るくポップな方向の動画を制作することにしました。
次の項目から映像の内容について説明していきます。

資料を元に全体的なトンマナを決定
資料を元に全体的なトンマナを決定

OPブロック START〜0:05

このブロックはえるちゃんのシルエットを表示して、テロップが出てくるという構成です。

オープニングブロック画像1

このブロックでは「何かが現れる」という視聴者の期待感を煽るため、えるちゃんの姿は見せずにシルエットだけ表示します。また、背景のデザインやシルエットの色は事前に決めたトンマナに合わせた青緑を基調としたカラフルなスタイルにしています。

オープニングブロック画像2

ここまでのまったりした始まりから一変、突然背景の色が次々変わりテロップが出てきます。これはテロップが出る直前に映像の動きを激しくすることにより、次に出てくるテロップに意識を向けさせるためです。
テロップ文言の「コンテンツ業界に舞い降りた」は公式HPの紹介文から一部抜粋して記載しました。

紹介ブロック 0:06〜0:10

このブロックは特徴を書いたテロップを立ち絵の一部を見せつつ展開し、最後にえるちゃんの顔を表示させる構成です。

紹介ブロック画像1

紹介テロップを表示すると同時に立ち絵の一部を見せつつ、ここでも何かキャラが登場するという期待感を煽るため、えるちゃんの顔はまだ見せず立ち絵を少し暗くして一部だけ表示します。
また、テロップを目立たせるために背景の色は少なくしています。
「あなたの夢を全力で応援する」
「明るく元気なバーチャル新入社員」
こちらの文言も公式HPの紹介文が抜粋しました。

紹介ブロック画像2

そして、BGMの転換に合わせて満を持してえるちゃんが登場。

今までのカラフルな背景から一転して白背景でえるちゃんの顔だけに注目させることにより、より頭に残るような印象的なカットにします。
また、リムライト表現(逆光により人物の輪郭が強調される効果)にすることで、真っ白な背景と合わせた臨場感を演出しました。
このリムライト表現は昨今のゲームPVで多用される表現で、イラストなどにもよく使用されています。

アテンションブロック 0:11〜0:12

えるちゃんとたるすけのイラストを使用したカットが次々展開されるブロックです。

アテンションブロック画像1
アテンションブロック画像2

曲の拍子に合わせて、短い尺のカットを連続して表示させます。

このブロックは次のメインブロックのための助走パートのような位置付けであるため、視聴者に何か情報を与えるというよりは注意を引くためにテンポ重視で気持ちよくカットを表示することだけを重視しています。
また、画面上の情報量が少ないカットと多いカットを交互に表示することで視聴者により目まぐるしく展開していく印象を与えます。
最後に真ん中にたるすけがいるだけにカットにすることで、次のカラフルなメインブロックへのギャップを演出しました。

メインブロック 0:13〜0:16

今回のメインであるえるちゃんとたるすけの名前を表示するブロックです。

メインブロック画像

音楽の盛り上がりと同時にえるちゃんとたるすけを表示、直前のたるすけのカットと打って変わったカラフルなデザインや、爆発するように広がっていくパーティクルの演出、ゆったりした動きによって視聴者に解放感を与えます。
ここは数秒同じカットが続くため、視聴者を飽きさせないよう、ゆっくりカメラを回しながら引く、えるちゃんの髪が少しなびくなどして映像が静止した印象を与えないようにします。

エンドブロック 0:17〜END

流れるようにスマホの中にえるちゃんが収まっていき、ロゴが出て終わりです。

エンドブロック画像1

えるちゃんがバーチャルな存在であることとスマホは親和性が高いため、スマホの中に入っているという演出にしています。これは最後に真ん中に出るロゴに意識を向けさせるための事前準備としての役割もあるので、真っ白な背景の真ん中にスマホだけがあるカットにしました。

エンドブロック画像2

そしてロゴが跳ねるように出てきて動画は終わりです。
ロゴが跳ねて出てくる直前で、スマホを小さくすることによって跳ねる動きに連続性が生まれ、まるでスマホがロゴに変化したような印象を与えることができます。

以上が全体の流れの解説です。
皆さんが普段何気なく見ているゲームPVも1カットごとの演出に理由があり、どのような効果を与えるかなどとても考えられて制作されています。
これからPVなどの映像作品を見るときに、細かく分析してなぜそのような表現にしたのか、理由を言語化してみると映像制作の新たな引き出し増やすことができるかもしれません。

最後に

今回は主にゲームPVについてと実際のワークフロー、映像の全体的な流れの考え方について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。次回以降、映像の細かいエフェクトについてのTipsを紹介していけたらと思います!

このようにIMAGICA IRISでは1枚の素材からでもゲームPVを制作しています。ゲームPVをはじめとした動画広告でお困りの方はこちらからお問い合わせください。

IMAGICA IRISへのお問い合わせはこちらから

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