3DCG制作ツール「Maya」「3dsMax」「Blender」を徹底比較!機能・拡張性の違いを理解しよう!

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3DCG制作ツール「Maya」「3dsMax」「Blender」を徹底比較!機能・拡張性の違いを理解しよう!

3DCG制作ツール「Maya」「3dsMax」「Blender」を徹底比較!機能・拡張性の違いを理解しよう!

3DCG制作を行う際に使用するツールについて、自分が使用しているツールについては熟知していても、「他の制作ツールとどう違うの?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。それぞれの制作ツールは、機能面や費用面、得意分野などに違いがあり、使用する目的などによっては制作効率に差が出てくるようです。

そこで今回は、3DCG制作で使用されることの多い「Maya」「3dsMax」「Blender」の3つのツールについて、違いを比較するとともに、おすすめツールについてもご紹介していきます。

目次

3DCG制作ツールにはどんなものがある?

有料版・無料版含めてさまざまな種類がある3DCG制作ツールですが、これらのツールは目的に合わせて使用されることが一般的には多いです。たとえば、モデリングやレンダリング、3DCGアニメーション制作の基礎的な部分から広く手掛けたい場合には「統合型ソフト」を使用し、特定の技術が必要な場合にはその分野にフォーカスした「特化型ソフト」を使用するといった具合に使い分けるケースが多いです。

多数ある3DCGツールの中でも、機能が充実しており、ハイエンド向けと言われているのが「Maya」「3dsMax」「Blender」の3つのツール。それぞれの概要を見ていきましょう。

Maya

Mayaは、アメリカに本社を置くAutodesk(オートデスク)社が手掛ける3DCG制作ツールです。アニメーションやエフェクト、モーション、キャラクター制作などに幅広く活用できるハイエンドツールとしてプロにも好まれています。特に、実写映像に視覚効果を加えるのを得意としており、映画製作など、映像業界でも人気の3DCG制作ツールです。

3dsMax

3dsMaxは、Mayaと同じくAutodesk(オートデスク)社が手掛ける3DCG制作ツールになります。3dsMaxの強みはレンダリングや3Dモデリングにあり、VR体験を表現したり、壮大な世界観のゲーム制作をしたりするのに最適です。3dsMaxとMayaは似ている点が多く、違いがよく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし大きな違いはブラグインにあります。3dsMaxがMayaよりもプラグイン数が多いほか、3dsMaxでしか使えない専用プラグインが存在します。こうしたプラグインを使用することで、さらに幅広い使途で活用することができます。

Blender

Blenderは、Blender Foundation(ブレンダー財団)が開発した3DCG制作ツールです。リリースからは25年以上の歴史があります。無料で利用できるオープンソースの制作ツールといった特徴を持ち、世界中にも多くのユーザーを抱えています。日本でも小規模な3DCG制作オフィスやフリーランスの間で人気が高いほか、ライセンス料が無料であるにも関わらず、軽量で多機能であることからアマチュア層に利用されることも多いようです。

モデリング作業をはじめ、アニメーション制作やレンダリング、各アプリ向けの出力などの工程をワンストップで行うことができ、無料でありながら機能は有料の制作ツールに引けを取りません。

「Maya」「3dsMax」「Blender」の比較表

「Maya」「3dsMax」「Blender」の比較表

「Maya」「3dsMax」「Blender」の3つのツールについてまとめてみました。どの点を重視するかによって適したツールも変わってきますので、ぜひ参考にしてみてください。

  Maya 3dsMax Blender
対応しやすい制作物 キャラクター、アニメーション制作、ゲーム開発 アニメーションCG制作、建築関連の完成予想図 アニメーション制作、3D映像、動画編集、VFX
価格 ¥36,300/1か月(税込)
¥286,000/1 年契約
¥815,100/3 年契約(2022年11月現在)
¥36,300/1か月(税込)
¥286,000/1 年契約
¥815,100/3 年契約(2022年11月現在)
無料
プラグインの豊富さ やや少なめ
(自分でスクリプトを作成する必要あり。)
無料・有料ともに豊富 アドオンやアセットが豊富
カスタマイズ性 高い(カスタマイズ利用で拡張の可能性が無限に広がる) 普通(プラグインが充実) やや高い(アドオン、アセットを活用して機能を拡張できる)
アニメーション機能 高い 高い(アニメーション系プラグインを使えばさらに充実) 高い
対応OS Windows・Mac・Linusに対応 Windowsのみ対応
(Macは未対応)
Windows・Mac・Linusに対応

Mayaの特徴・メリット

Mayaの大きな特徴の一つは、ツールセットが充実している点にあります。もともと用意されているエフェクトやアニメーションツールが豊富で、メニューから選択し簡単に設定可能となっています。そのため、映画製作などで視覚効果を加える際にもよく使用されており、映像業界の方に好まれるツールと言えます。また、スクリプトによる拡張が可能で、独自機能を持たせることもできます。カスタマイズ性が高いため、使い方次第で可能性を無限に広げていけるのもメリットのひとつ。WindowsおよびMac OSに対応しており、OS間でのソフトの機能差がないところもユーザーにとっては見逃せないポイントと言えるでしょう。

Mayaのデメリット

Mayaはプラグインの数に限りがあります。少しずつ増えてきているとはいえ、それほど充実しているとはいえません。そのため、Mayaの機能を最大限に活用しようとする場合には、自身でプログラミングをする必要があり、スクリプト作成においてはプログラミングの知識が必要となります。そのため、使いこなすのにややハードルが高いと感じる方もいるようです。

3dsMaxの特徴・メリット

3dsMaxのメリットは、何と言ってもプラグインが豊富な点です。プログラミングの知識が求められるMayaとは異なり、簡単に機能拡張が行えます。特にアニメーション系のプラグインが種類豊富にあり、これらを活用すればアニメ系のCG制作も効率よくできます。また3ds Max 8以降のバージョンでは、「キャラクタースタジオ」というアニメーション機能に優れたプラグインが標準実装されているのも魅力のひとつと言えるでしょう。

さらに、3dsMaxはCADソフトとの連携ができる点や、高機能なレンダラーソフト「mental ray」との親和性があり、高品質なレンダリングが可能な点もユーザーに支持される理由となっています。

3dsMaxのデメリット

以上のようにメリットが多いと感じられる3dsMaxですが、最大のデメリットはプラグインを活用しなければ高度な制作をすることが難しく、その上、それらの機能を使いこなすにはある程度のスキルも必要となることです。
また、無料のプラグインも多数ありますが、高機能なプラグインを活用しようすれば有償となり値段も高くなってしまいます。月額使用料36,300円に加えて、さらにプラグインの料金を支払わなければならないのが負担に感じるユーザーも少なくはないでしょう。とはいえ、プラグインを活用せずに制作した場合には、余計な時間がかかってしまったり、既存機能だけでは対応できない箇所が出てきたりすることもあります。

またクリエイターにはMacユーザーも多いものの、3dsMaxはmacOSに対応していません。そのため、Windowsにしか対応していない点を残念に感じる方も多いようです。

Blenderの特徴・メリット

BlenderがMayaや3dsMaxと大きく違う点は、高度な機能を持っていながら完全無料で使用できる点です。コストをかけずに誰でも手軽に利用することができる点は大きな魅力でしょう。海外の3DCG制作ツールであるものの、日本語対応もしており、英語が苦手な方でもチャレンジしやすいほか、モデリングからレンダリング、動画編集まで3DCG制作に必要な工程に幅広く対応できるのが人気の秘訣です。

さらに、サードパーティのツールも充実し、制作に必要な機能を新たに追加できるのもクリエイターの心をくすぐるポイントのひとつ。無料ながら高機能で使い勝手がよく、Windows、macOS、Linuxといったマルチプラットフォームにも対応しており、学生からプロまで幅広く使用されています。

Blenderのデメリット

そんなBlenderは、豊富な機能を搭載している分だけ習得が難しいとも言われています。特に画面の表示方法や操作方法が独特で、初心者の方には取っつきにくい印象があるようです。しかし、いずれの3DCG制作ツールも技術の習得には一定の期間が必要となりますので、BlenderがMayaや3dsMaxと比べて特に難易度が高いとは言い切れません。

またBlenderは日本語で仕様を解説したブログや記事も多くあり、それらの情報を活用して技術を習得していくことも可能です。

「Maya」「3dsMax」「Blender」おすすめの3DCG制作ツールはどれ?

「Maya」「3dsMax」「Blender」おすすめの3DCG制作ツールはどれ?

ここまで「Maya」「3dsMax」「Blender」の3つの3DCG制作ツールについて特徴やメリット・デメリットを解説していきました。しかし、結局自分の仕事にはどのツールが向いているのか分からない、という方もいることでしょう。

最後に各ツールがどんな方におすすめなのかを簡単にまとめてみました。

まずMayaや3dsmaxといった有償ソフトは高額であるため、3DCG制作ツールを手軽に活用してみたい、初期費用をかけずに導入したいという方は「Blender」からスタートしてみるのがおすすめです。

一方で高度な制作がしたい方、プロの方には「Maya」や「3dsmax」が良いでしょう。実際、映像制作会社やゲーム会社でもMayaと3ds Maxを使っている会社が多いことから、両方の技術を習得しておくと転職活動の際に有利となる可能性が高いでしょう。ただし、3dsMaxはプラグインがないと高度な制作が難しいことやMac非対応であることに注意しておく必要があります。

このように最適な3DCG制作ツールは、使用する方の用途やスキルレベルによっても異なります。よって、状況や目的に応じて適切なツールを選ぶのがベターです。

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今回は、3DCG制作で使用されることの多い「Maya」「3dsMax」「Blender」の3つのツールの違いを比較し、おすすめの制作ツールについても詳しく解説してきました。

こうした3DCG制作ツールを使って映像制作や3DCG制作の分野で活躍したい方、クリエイティブ業界への転職を考えている方で、業界の現状・転職のコツ・求人動向・書類や面接対策などについて知りたい場合にはクリエイティブ専門の転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

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To Creator編集部
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