「CGの経験を活かして新たな挑戦を」という人が集結!その現場について聞いてみた <座談会編>

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「CGの経験を活かして新たな挑戦を」という人が集結!その現場について聞いてみた <座談会編>

「CGの経験を活かして新たな挑戦を」という人が集結!その現場について聞いてみた ~イベント開催レポート <座談会編>~

2022年10月26日に、サイバーエージェントとデジタルスケープが共同で3DCGアーティストの採用イベントをオンラインで開催しました。
(※当日の模様は「開催レポート<会社説明会編>のページ」最下部にある動画でご覧頂けます。)

株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業、メディア事業、ゲーム事業の3つを柱に事業を展開しています。現在、インターネット広告事業に関する子会社である、株式会社CyberHuman Productions(サイバーヒューマンプロダクション 以降CHP)、株式会社CyberMetaverse Productions(サイバーメタバースプロダクション 以降CMP)などが属するAICG部門で、広く3DCGアーティストを募集しています。

募集にあたって開催された採用イベントの様子をお届けする2回目は、後半に行われた3つのテーマに分かれた座談会の様子をレポートします。

座談会のテーマは「デジタルツイン」「イベントテック、スポーツDX、広告制作」「バーチャル店舗」の3つ。それぞれの部屋でクリエイターと人事スタッフが参加者からの質問に答える形で行われました。

デジタルツインの部屋:デジタルツインがさまざまな場面で活躍する世界を作る

デジタルツインの部屋では、CHP テクニカルアーティストの立花氏、CHP CG アーティスト 金氏、人事の齋藤氏、今野氏が参加者からの質問に答えました。

——皆さんが転職したのはどういう理由からだったのでしょうか?

立花氏: 前職ではジェネラリストとしてCGアーティストをやっていましたが、テクニカルなことにもともと興味があり、エンジニアがいるCHPに転職しました。サイバーエージェントにはエンジニアがたくさんいて、その人達にやりたいことを相談すると、的確な答えを返してくれます。今は少しでも彼らの技術を吸収しようと頑張っています。

金氏: 前職では10年ほどキャラモデリングをやっていましたが、仕事を依頼されて作って終わるの繰り返しに飽きていました。この先どうしようかと考えていた時、会社説明会で、“CGで人間を作る”という話に興味を持ち、2021年1月にCHPに入社しました。作るだけでなく、最先端の技術に関われることにもチャンスを感じ、自分のスキル範囲を広げたいと思っています。

今野氏: 私はもともとエンジニアで、CG業界は初めてです。エンジニア的思想や知識と親和性が高いHoudiniを使っていたので、それを活かせる会社を探していました。エフェクトに限っている会社が多い中、CHPはエフェクトに限らずデジタルツインなどにHoudiniを使えるということもあり、自分の強みを活かせる環境が整っていると感じて入社を決意しました。

——ゲーム業界で人体造形をやっていたのですが、その経験はデジタルツインで活かせるでしょうか。

金氏: 人体造形はデジタルツインに必要な知識です。スキャンだけでは人間の必要なデータをすべてとれるわけではありませんから。ゲーム業界の経験は、バーチャル店舗、アバター生成などでも活かせると思います。

立花氏: フォトリアル系だけでなく、ハイポリベースもあるので、活かせると思います。

——デジタルツインの方向性について教えてください。

立花氏: デジタルツインが増えていくと、本人が出演せずにCGが代わりに出演する時代になると思います。

金氏: 著名人と契約して特定の空間に縛るのではなく、メタバース、広告などいろいろな分野にバーチャルで登場させる展開を考えています。本人ではないデジタルヒューマンを使った面白い企画を世の中に示すことを目指しています。

——前職でYouTubeの企画、ディレクター、カメラマンなどをしていて、現在はゲームの専門学校に通っています。CGアーティストは企画、マーケティングなどにもたずさわれるのでしょうか。

立花氏: 企画を1から考えるというよりも、プランナーに対してこういう技術があると提案する機会があります。また、実際プロジェクトが始まればプランナーの企画に対してフィードバックするような機会もありますね。

金氏: 自分はモデリングに特化しているので、できることが広い人は活躍できる場も広がると思います。

立花氏: エンジニアからCGアーティストになった人もいますし、以前の経験を活かして独自の強みを伸ばせれば武器になりそうです。

齋藤氏: インターネット広告事業に紐付いている部門なので、広告でも知識を活かせますし、技術的な部分と組み合わせればご自身の強みになると思います。

——これまでDXなどビジネス寄りの仕事をやってきましたが、去年からUnity、Blenderを学んでメタバースに興味を持ち、仕事にしたいと思うようになりました。御社ではデザイナー経験がないとCGアーティストになるのは難しいのでしょうか?

金氏: CGアーティストは、ビジネス寄りから入っている人は例がないので、CGスキルが加わればパイオニアになれると思います。

——現在バーチャルヒューマン関連の仕事をしていてHoudiniを使っていますが、会社の中では自分ひとりで担当しています。御社ではHoudiniをどのような規模で使っていますか?

立花氏: Houdiniアーティストは4~5人います。ただ、Houdini専門というわけではなく、他のツールを使うこともあります。また、アーティスト以外にエンジニアでHoudiniを使う人もいますね。

——メインツールはありますか?人によって異なるのでしょうか。

立花氏: 基本はAutodesk Mayaで、他にUnreal Engine、Unity、Houdini、Blenderなどを部署によって使い分けています。

——私はハイポリの人体造形のスペシャリストですが、スペシャリスト、ジェネラリストではどちらがよいのでしょうか。

立花氏: スペシャリストもジェネラリストも両方います。ジェネラリストとしていろいろなところで活躍している人もいれば、人物の顔だけを担当しているスペシャリストもいます。適材適所です。

——仕事のやりがいはどんなところに感じますか?

立花氏: 常に新しいチャレンジがあるので刺激的です。どういう風に作るのか、議論もたくさん重ねますし毎日が刺激的ですね。

金氏: プロジェクトが終わったらそのフィードバックが次のプロジェクトにつながることです。エンジニアと話しているアイデアがいい形になることもありますし、自分の意見を言えることが面白いなと思います。

今野氏: その場その場で新しいことが求められるので、挑戦できる刺激があります。新しいことが好きなので変わったことを試せるのは楽しいです。

イベントテック、スポーツDX、広告制作の部屋:多様な働き方の可能性を探りたい

イベントテック、スポーツDX、広告制作の部屋では、CHP 田森 敦氏、入社4年目のCGディレクター八木橋氏、人事 中世古氏が参加者からの質問に答えました。

——皆さんが転職した理由は何でしたか?

田森氏: 前職でフルCGの映像制作をやっていて、一周した感じがありました。40歳になってこのままでいいのかなと思ったときに、転職エージェントにサイバーエージェントを紹介されたんです。サイバーエージェントは大きい会社なので、私みたいなスキルの人間をなぜ欲しているのかが気になりました。ちょうどその時、プレスリリースでフォトグラメトリーを取り入れようとしているという内容を見かけ、興味を持ったこともきっかけです。3DCGは武器にはなるが、求められることは違うのだろうと感じ、今までの経験を活かしつつ今までにない新しい体験ができるだろうと思い入社しました。

八木橋氏: 私の場合は、広告動画の展開、表現に魅力を感じました。動画だけでなく、CGに幅を広げて制作にたずさわれること、新しい技術を使ったCG制作のスタイルに未来を感じて入社しました。

——入社してから苦労したことはありますか?

八木橋氏: デジタルヒューマン、LED撮影など新しい技術の理解が大変です。

田森氏: もともと映画・テレビ制作をやっていたので、広告については何も知りませんでした。いままで染み付いたものを広告の理解に変えていくところは苦労しましたね。一方でサイバーエージェントの人たちはピンチをチャンスにすることに長けています。新しい環境で何かをやらないといけないという状況に対するマインド、考え方などは、サイバーエージェントの中で培われている文化があって大変勉強になりました。

——前職との働き方の違いはありましたか?

田森氏: 前職は大量に生産することが求められるのでパイプラインがきっちりしていて、型がありました。今は案件ごとに型が違って柔軟性を求められますし、CGの出先が2Dだけでなくその都度違うので考える時間が長くなりました。流れを作って、流す人ができたら次の案件という感じです。

八木橋氏: 開発チームとビジネスチームが近くて密に連携できています。受注したものを作るだけでなく、広告動画の効果予測、効果測定など、広告の考え方を知ることで作り方も変わりました。

——これまでの経験が活かせていますか?

八木橋氏: テレビの案件では、3日後納品など短納期が多いです。ライブのコンサート映像ではその場で修正するなどクイックに判断することが求められたので、見極める力は今の職場でも活かせていると思います。

田森氏: 経験はいろいろなことで活かせています。人脈も活かせています。入社してすぐのときに困ったことがあって、前職の後輩が立ち上げた会社に頼りました。仕事の人間関係で助けを求められる人は限られていますが、そういう人がいてありがたかったです。

——地方で子育て中です。映像編集の仕事をしていて、Blenderを使っています。ゆくゆくは、3DCGの仕事をリモートでできればと思っていますが可能でしょうか。

田森氏: リモートワークはできますよ。ただ、現在は出社とリモートのハイブリッド型勤務になりますので、働き方は選考を通じて相談していければと思います。

——3DCGクリエイター、エンジニアは何人くらいいますか?チームは分かれていますか?

田森氏: CGアーティストは30~40人くらいです。チームは大きく4つあります。ただ、チームごとにプロジェクトをアサインすると、規模感と人数があわないことがあるので、スケジュール、スキルなどを見てチーム横断でアサインします。現場を管理するリーダーがいて、リーダー同士で話して問題を解決しますし、縦割りにならないように連携しています。

——プロジェクトごとのスタッフをまとめるプロデューサーやマネジメントをする人はいますか?クリエイターの募集を見て参加しましたが、プロデューサー、マネジメントに興味があるのでそういう人材を募集しているならと思っています。

田森氏: マネジメントは、案件のビジネスプロデューサーと連携しながらCGディレクターがやっています。会社全体として、肩書にあわせて役割を決めるのではなく、荷物はみんなで持とうという感じでやっています。

マネジメントだけでなく、クリエイティブとマネジメントの両方の能力を期待します。会社によっては、モデラーは一生モデラーというところもありますが、弊社ではスキルをスケールしていくことが求められます。応募者の現時点のスキルだけでなく、将来的にスケールできるかを考慮しています。

——不動産会社でVR作成をしています。今後、3DCG、VR、ARを学びたいと思っていますが、今の会社ではそこは求められていないので、今回のイベントに参加しました。私は子育て中ですが、時短勤務で働くようなことはできますか?

田森氏: 時短勤務については本人に何ができるのかに関わってきます。僕らも一緒に働きたい能力、人柄であれば、どういう働き方が良いのか、面接で相談して納得のいく形で決めたい思いますのでご興味があればぜひ応募してください。

——CGを専門学校で学んでいます。背景モデラーとして活躍できる場はありますか?

田森氏: あります。バーチャル撮影、メタバース空間のコンセプトなど、CG背景が必要です。現在はまだ学生さんとのことですので、そこを軸に新しいスキルを身につけられると思います。

——使用されているツールは?

田森氏: メインはMayaです。共同で作業するときは、Mayaを使っていない人にも覚えてもらっています。ソフトをまたいで問題ないなら他のツールでもいいのですが、メインはMayaにしています。

バーチャル店舗の部屋:メタバースは今後どのように進む?

バーチャル店舗の部屋では、CHP CGアーティストの中澤氏、CMP CGアーティスト後藤氏、CHP 藤田氏、サイバーエージェント 人事部 野口氏が入り、参加者からの質問に答えました。

最初に、改めてCHP、CMPの説明がありました。CHPは、バーチャルリアリティ、人間のフォトリアルを始め、ブランドの広告作成なども行っています。CMPは、2022年2月に設立された新しい会社で、メタバース開発、特にバーチャル店舗開発に特化した専門会社です。

その他、2022年7月には建築家隈研吾氏を顧問に迎え、メタバース空間におけるバーチャル建築物や空間デザインの研究・企画・制作を行う「Metaverse Architecture Lab(メタバースアーキテクチャラボ)」の設立にも関わっています。
座談会は参加者から出た質問に答えていく形で進行しました。

——クリエイターの皆さんにお聞きしたいのですが、CHP、CMPに転職した理由は何だったのでしょうか?

中澤氏: 前職では、Unreal Engine 4を使ってゲーム制作をしていました。プリレンダーによる制作に限界を感じていたところ、Unreal Engineに触れ、すぐに結果が出るリアルタイムレンダリングが性に合い、これをメインツールにしていきたいと思いました。しかし、数年前の映像業界ではポジティブな反応が少なく、標準的に使われるようにはなりませんでした。全体編で登壇した田森とは以前から知り合いで情報交換をしていたこともあり、CHPならUnreal Engineを使った制作ができるだけでなく、機材や人材にも投資していると聞いて魅力に感じていたこともあり、広告は未経験でしたが転職することを決めました。

後藤氏: 私は7月にCMPに入社しました。CMPは新しい会社なので、仕事の進め方や方向性などを決めていくところから携われることに、魅力を感じ応募しました。前職は、マーケティング/制作会社のCG部門に所属していましたが、VRなどの提案をしても社内にエンジニアがいないことが悩みでした。その点、サイバーエージェントにはエンジニアがたくさんいるので、社内の連携がしやすそうだし、多くの人に使ってもらえるサービスを作ることもできそうだと考え転職を決めました。また、サイバーエージェントは、新しいことに積極的に投資していく文化があるので、面白いことができそうだと感じたのも決め手でした。

藤田: 私は新しい環境でチャレンジしたいと思い、5年前にCHPに入社しました。今はCMPと一緒にバーチャル店舗にも携わっています。バーチャル店舗のような新しい取り組みは、その道の経験者がいないので、少しずつ経験を溜めています。みんなの得意分野を持ち寄って、このスキルとこのスキルを組み合わせていく、というようなやり方を通して勉強しています。

——今、メタバースが話題になっていますが、話題の中心にいる感覚はありますか?

後藤氏: 人によってメタバースの定義は違うと思いますが、今は良くも悪くも話題になっているので、良い面を活かしたいですし、注目を浴びているうちにどんどん進めていきたいと思っています。

——具体的にどんなお仕事をされているのですか?

後藤氏: 現在は展示会や提案のときに見せるためのプロトタイプを作っていますし、納品に向けて進んでいるプロジェクトもあります。また、CHPと連携したプロジェクトに参加している人もいます。CMP、CHPの垣根を意識することはあまりなく、プロジェクト単位でアサインされるという感じですね。

——現時点でのメタバース市場での課題はどのようにお考えですか?その課題に対して今後、御社ではどう取り組んでいきますか?

中澤氏: 課題は、プラットフォームとして「これ」というものが存在しないこと、クライアントも期待があるけど何ができるかわからない、何をお願いしていいかわからないというところから始まることです。

ユーザーはメタバースという自由な空間に放り込まれるので、気持ちのよい制限をどうつくるか、それが一番難しいです。ユーザーがアバターを使って自由に動けるメタバースは、作っている側はおもしろいのですが、一般のユーザーからは難しそうと思われがちです。使いやすさを含めて、どう実現するかを提示することが重要な段階だと感じています。

例えば、3D空間に商品を置いたときに、どう置くか、ユーザーのクリックで何を見せるか、ユーザーエクスペリエンスをケースバイケースで考えるようにして、モックアップを作るようにしています。課題に対する正解を常に模索していますが、まだたどり着けていないですね。

野口氏: プレスリリースを見てCMPに応募される方が多いのですが、社員の人数が少ないことにびっくりされることが多いです。現在は、どんどん新しい人が増えていっているところです。後藤さんは、入社してどう感じられましたか?

後藤氏: 興味があることを各々が発信している、そういう自由な空気があると思います。メンバー間のコミュニケーションも活発です。

——ファッション業界の経験がありますが、3DCGの経験はありません。バーチャル店舗に興味があり転職先を探していますが、未経験でも大丈夫でしょうか。

中澤氏: いろいろなバックグラウンドの人が参加しています。最近は、一級建築士の資格を持つ方が入社しました。広告会社のメタバース事業としてバーチャル店舗を考える上では、クライアントのビジネスに寄与するために、物理の建築だけでなく、小売の経験、集客や広告の経験なども活かせます。継続的に販売していくには、Webマーケティングの知識も必要です。全部を兼ね備えた人はいないので、いろいろな分野の知識を掛け合わせて進んでいます。

ただ、メタバースは3Dの表現なので、ツールを習得されている方が一緒に働きたい人材に近いです。面談で、3Dをどこから始めればいいか、どういう技術を学ぶべきかを伝えることもできるので、まずはカジュアル面談に応募してみてください。

——子育てしながら働いている人はいますか?

野口氏: CHP、CMPは会社組織が立ち上がって間もないですし、社員数もまだ少ないこともあって、今はプロマネに子育てしている人がいるくらいです。ただ、サイバーエージェント全体としてみると、男性も女性も含めてパパママ社員が1/3ですので、入社してからの産休、産休復帰などをサポートする体制は整っています。

——応募要件に3Dの実務経験の年数はありますか?

中澤氏: 実務経験はあったほうがいいですが、経験の長さよりも作品集を見せてもらいたいです。何を表現するのが得意なのかを知りたいですね。

常に新しいチャレンジがあるCHP、CMPで今までにない経験を!

インターネットの新たな領域に挑戦するCHP、CMPだからこそできる経験があります。最先端の技術に触れ、組織の垣根を乗り越えて仲間とともに進む日々。今までにない新しい体験が、ご自身のスキル範囲を広げてくれるでしょう。もっと詳しく聞いてみたい方、興味を持たれた方、一緒に働きたいという方は、ぜひ以下のサイバーエージェントで募集中の求人よりご応募ください。


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To Creator編集部
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