サイバーエージェントのAICG部門が、分野を問わず3DCGアーティストを募集する理由 ~イベント開催レポート<会社説明会編>~

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3DCGアーティスト

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サイバーエージェントのAICG部門が、分野を問わず3DCGアーティストを募集する理由 ~イベント開催レポート<会社説明会編>~

サイバーエージェントのAICG部門が、分野を問わず3DCGアーティストを募集する理由 ~イベント開催レポート<会社説明会編>~

2022年10月26日に、サイバーエージェントとデジタルスケープが共同で3DCGアーティストの採用イベントをオンラインで開催しました。
(※当日の模様はページ最下部の動画でご覧頂けます。)

株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業、メディア事業、ゲーム事業の3つを柱に事業を展開しています。現在では、インターネット広告事業に関する子会社である、株式会社CyberHuman Productions(サイバーヒューマンプロダクション)、株式会社CyberMetaverse Productions(サイバーメタバースプロダクション)などが属するAICG部門で、広く3DCGアーティストを募集しています。

募集にあたって開催された採用イベントの様子を2回にわけてお届けしていきましょう。今回は、前半に行われた会社概要、事業内容、事例紹介の様子をレポートします。

CyberHuman ProductionsとCyberMetaverse Productionsとは

今回、3DCGアーティストを募集しているのは、「『技術(Cyber)』と『人間(Human)』で、未来の当たり前を実装するクリエイティブパートナー」を標榜するCyberHuman Productions(以降、CHP)と、2022年2月に創業しバーチャル店舗開発に特化したCyberMetaverse Productions(以降、CMP)を含むサイバーエージェントのAICG部門。CG制作の現場などにおいて相互に協力する機会が多いことから、共同での募集となりました。

イベントでは、CyberHuman ProductionsのCGディレクターである田森 敦氏が会社紹介や事例紹介を行いました。

田森 敦氏
CGDirector 田森 敦氏

Production I.G.,Polygon Picturesを経て、2018年11月に入社。
前職までは主にフルCGのアニメーション作品の制作に携わる。

CyberHuman Productionでは主にFutureEvent/LiveのCG DirectorとしてバーチャルイベントのCG制作に従事。
その他広告案件やVR/ARを使用したプロジェクトなどにも参加。

CHPとCMPでは、主に次のような事業を行っています。

広告制作
技術、エンジニアリングによって、革新的な広告表現を追求
イベントテック
リアルタイムで楽しめる、バーチャル技術を使った新しいイベント体験を提供
デジタルツイン
著名人の3DCGモデルであるデジタルツインの作成および、デジタルツインのキャスティング
スポーツDX
アプリを通して、スポーツ観戦中、観戦前後に新しい体験を提供
バーチャル店舗
企業ブランドにあわせたオリジナルのメタバース商空間作成

こうした事業の実現のために、サイバーエージェント・CHPではカムロ坂スタジオを設立しました。ここでは、通常の撮影スタジオに加えて、バーチャル撮影システム、LED スタジオ、現実にあるものをスキャンできるフォトグラメトリースキャン、動きをキャプチャするモーションキャプチャなど、最新鋭の設備やシステムを用意しています。

「専門性の高い技術に注力すべく、環境や設備に投資し、新しい技術を取り入れて推進するための取り組み」

と田森氏は紹介しました。

特徴的なのが開発体制です。サイバーエージェントは、専門性を活かした部署やグループ各社が協力、連携しながら事業を推進しています。

「技術だけでなく、媒体を含めてクリエイティブは複雑になっていますが、プロフェッショナル同士が連携して一緒に考えて制作しているのが当社の強みです。エンジニア、CGクリエイターが相互に連携できる開発体制によって、新しい技術、世間の流れに対応しています」

と田森氏は話します。

柔軟で強固な協力体制

3DCGアーティストの仕事の現場を紹介

続いて、現場で業務を行っている立花 悠氏、中澤 勤氏も参加し、働き方などについて紹介しました。

立花 悠氏
Technical Artist 立花 悠氏

RTT Japan、Slantedを経て、2020年10月に入社。
前職までは主に車やCMなど実写合成やフルCGなどに携わる。

CyberHuman Productionでは主にLED撮影やUnrealEngine、Mayaを使用した映像、配信、開発など幅広く従事。

中澤 勤氏
CG Artist 中澤 勤氏

Digital Frontierを経て、2021年5月に入社。
前職までは映画、TV、ゲームにおいてフォトリアル、トゥーン等様々な表現のCG映像制作に携わる。

CyberHuman Productionでは主にCG Artistとして、バーチャルイベントのCG制作やメタバースの空間デザイン等に関わる。

テクニカルアーティストの立花 悠氏は、前職では自動車の実写合成、フルCGなどを担当、CHPではLED撮影や3D 制作ツール「Unreal Engine5」を使った映像制作など、新しい仕事にチャレンジしています。

CGアーティストの中澤 勤氏は、前職では映像制作、Unreal Engineを使ったゲーム制作などを経験し、2021年5月にCHPに入社しました。CHPでは、バーチャル撮影で使用するステージデザインやCG制作、メタバース空間デザインなどに取り組んでいます。

事例として、Unreal Engine5、バーチャルカメラ、デジタルツインを組み合わせた「三菱地所レジデンス社のプロジェクト」(https://tph-pr.mecsumai.com/)が紹介されました。不動産購入を検討する人がその物件で生活するとどんな未来が待っているのかイメージしやすくし、ユーザー体験を高めたい。という要望を受け、フルCGとWebを一体化させたバーチャルツアーで入居後の暮らしを表現しました。

立花氏は、フルCGによる不動産の表現について次のように振り返ります。

「大量の動画が必要ということで、当初レンダリングで対応しようと考えたのですが制作期間や本数、尺を考えたときに難いと感じたので、別の方法を探りました。その際に、社内プロジェクトでUnreal Engine5を使った経験があり、これなら行けるのではないかと採用を決断しました。
結果、レンダリング時間がかからないでリアルタイムで動く、高いクオリティの部屋を表現できました」(立花氏)

デジタルツインでは、冨永愛さんの3DCGモデルを作成しました。デジタルツインの冨永愛さんが話しながら部屋を案内してくれる構成で、AI技術による合成音声、音声に合わせたリップシンクを使って自然な発話ができるようにしています。

動画はバーチャルカメラを使ってUnreal Engine5で作成した部屋の様子をトラッキングして撮影。カメラにポインターをつけてモーションキャプチャの技術を使い、カメラマンのアイデアをもとにアングルを決めていきました。加えて、物件特有の材質を表現するために、マテリアルスキャンを行い素材が持つ特性をCGに再現しました。こうしたデータは、ライブラリ化を進めています。

立花氏はこのプロジェクトを通して、FPSを維持するためのライティング設定など、ノウハウを溜められたと話します。

このプロジェクトにはさまざまな部署の人がたずさわりました。部署が異なる多くの人とのプロジェクトを円滑に進めるために、チームのためのビジュアルコラボレーションプラットフォーム「Miro」、メモ・タスク・Wikiがまとまった情報共有ツール「Notion」などを活用してプロジェクトを推進しました。前例のないプロジェクトを遂行するには、情報を整理して共有するプロジェクト管理能力も問われることになります。

「広告の案件は、映画やゲームと比べると製作期間が格段に短くなります。そうした中で、Webに組み込むフォトリアルでハイクオリティなCGを作るために、撮影機材、技術にも投資していますし、重くなりがちなUnreal Engine5のデータを処理するために最新のグラフィックボードのPCを導入しました。プロジェクト管理については、プランナー、CGアーティスト、エンジニアの距離が近くてやり取りのラリーが速いので、スピード感を持って対応できました。達成するために適材適所の人材配置をしましたし、これからさらによいものを作るために人に投資することになります」(中澤氏)

新しい3DCGアーティストとして活躍したい人を大募集!

田森氏は「現在は広告制作、CG制作の概念、そのものが変わりつつある面白いフェーズ。広告の現場は新しい3DCGアーティストが登場し、スターが生まれる可能性の高いマーケットなので、若い人にはチャンスが多いフィールドです」と強調しました。

ただ、3DCGやヴァーチャル技術によるメタバース空間は、費用と時間をかければ、何でも作れるがゆえに正解がありません。正解がなく、誰も経験がない中で、変化する技術を身に着け、自分たちで成功事例を作っていく難しさがあります。

「創ることを楽しみながら、常に成長を目指して新しい3DCGアーティストのあり方を創る。この考えに賛同して、一緒に創っていきたいと思う人と仲間になりたいです。映像ではなく、空間を創り体験を深めるという変化を楽しめる人は、ぜひ応募してください」と田森氏は締めくくりました。

次回、後編では、「バーチャル店舗」「デジタルツイン」「イベントテック、スポーツDX、広告制作」の3つに分かれて行われた座談会の様子をお届けします。


「3DCGアーティスト募集説明会」当日の模様は以下で視聴できます。ご興味ある方はぜひご覧ください!

※クリックすると動画が始まります

サイバーエージェントでは3DCGアーティストを積極採用中!
詳細は以下をご覧ください。

株式会社 深谷歩事務所 代表取締役 深谷 歩
株式会社 深谷歩事務所
代表取締役
深谷 歩

ソーシャルメディアやブログを活用したコンテンツマーケティング支援として、サイト構築からコンテンツ企画、執筆・制作、広報活動サポートまで幅広く行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動などの情報発信を行っている。
またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys」も運営。