イトウ先生のTips note 【AfterEffects 2020】コンテンツに応じた塗りつぶしのライティング修正

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イトウ先生のTips note 【AfterEffects 2020】コンテンツに応じた塗りつぶしのライティング修正

イトウ先生のTips note 【AfterEffects 2020】コンテンツに応じた塗りつぶしのライティング修正

こんにちは、デジタルスケープの伊藤和博です。

だいぶ遅いご挨拶となりましたが、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

今年最初の2ndbookでは、AfterEffects 2020から、2021年1月リリースの新機能、「コンテンツに応じた塗りつぶしのライティング補正(照明修正)」をご紹介します。

AfterEffectsのCC2019で搭載された、「コンテンツに応じた塗りつぶし」ですが、この機能に「ライティング補正(照明修正)」の機能が搭載されました。例えば、ビデオの中から、何らかの光が当たっている物体を塗りつぶす(削除する)際、その物体を塗りつぶして削除すると、削除した箇所には光が自然に通る(そこには最初から物体が無かった)ように光が動いていくとより自然に見えますが、これまでの「コンテンツに応じた塗りつぶし」では、リファレンスフレームに基づいた塗りつぶしを行うだけで照明の処理は行われていませんでした。

今回のこの機能によって照明が当たっている箇所への修正がより自然な感じで修正が行われるようになりましたので、その辺りの機能をご紹介したいと思います。

さっそくやってみよう!

今回は、以下のビデオから、白い丸で囲んだ箇所にある車を塗りつぶしで消してみたいと思います。この車には、左下からライトを照射した車が接近してくるのが分かります(約5秒。音はなりません)。

「コンテンツに応じた塗りつぶし」のオペレーションそのものはこれまでの操作と変更ありませんので、この操作の詳細は、イトウ先生のTipsnote・【 AfterEffects CC 2019の新機能:コンテンツに応じた塗りつぶし 】2019-04-24を参照していただきたいのですが、まずは、塗りつぶしたい箇所にマスクを作成し、反転しておきます。

マスクを作成

ウインドウメニュー > コンテンツに応じた塗りつぶし、を選択し、コンテンツに応じた塗りつぶしパネルを表示します。すると、ライティング補正、という項目が追加されているのが確認できます。

ライティング補正

塗りつぶす箇所にどの程度のライティング補正を行うか?を設定しますが、以下を目安に設定します。

  • 控えめ:照明の変更があまりドラマチックでない場合に使用します。
  • 中:照明の変化がややダイナミックな場合に使用します。
  • 強 : フッテージに大きな照明の変化がある場合に使用します。

ビデオによりけりな部分もあるため、どの程度を控えめ、中、強、というのか?が判断つかない場合には、最初に強で行ってみて、おかしい場合はレベルを1つづつ下げて確認してみる、というのがいいかと思います。

以下は、ライティング補正を行わずに、塗りつぶしレイヤーを生成し、レンダリングしたものになります。

続けて、こちらはライティング補正を強にした状態で塗りつぶしレイヤーを生成し、レンダリングしたものになります。

以下は、それぞれの比較になります。1秒10フレーム付近を確認すると、左下から来る車のライトの抜け具合に違いがあるのが確認でき、ライティング補正を行った方が、より光の照射が考慮されて塗りつぶしレイヤーが作成されているのが確認できるかと思います。

以下の静止画で確認すると、より確認しやすいかと思います。拡大しているため、画像では粗く見えますが、実際のビデオでは縮小されるため、それほど粗さは気にならないかと思います。

ライティング補正無しと有りの比較

例えば、被写体に照射したレーザー光線のように、被写体に当たると光の筋そのものが変形してしまう場合の光の筋を、被写体が無かった箇所へ照射したかのように真っ直ぐの筋に戻したり、複数のスポットライトが同時に照射している被写体などは自然な再現が難しい場合がありますが、今回のこの新機能によって、光の筋が変形しないもので、単色の光源の場合にはより自然に塗りつぶしレイヤーを作成してくれる可能性が高くなりますので、バージョンアップがまだの方はぜひバージョンアップして使ってみてください。

それでは2021年もよろしくお願いいたします。

関連講座

◆AfterEffects 2020の使い方・基本トレーニング

◆AfterEffects 2020の使い方・実践トレーニング・1

◆AfterEffects 2020の使い方・基本トレーニング(オンライン受講(ライブ配信))

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伊藤 和博
株式会社デジタルスケープ
トレーニングディレクター
伊藤 和博

講師歴25年。講座開発数200以上。 総合商社のスクールでMac/Winを使ったDTP/Webトレーニングスクールの業務全般を担当。大手PCメーカー、プリンターメーカー、化粧品メーカー、大手印刷会社、大手広告代理店、新聞社、大手玩具メーカー、大学、官公庁、団体などに向けたトレーニングなど幅広い企業の人材育成に携わる。 現在は、デジタルスケープにてAdobeCCを中心としたトレーニングの企画、講師を務める。 Adobe認定エキスパート、アップルコンピュータ認定技術者、CIW JavaScript Specialist、CIW Web Design Specialist。