イトウ先生のTips note 【AfterEffects 2022】デフォルトでの次元分割

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イトウ先生のTips note 【AfterEffects 2022】デフォルトでの次元分割

イトウ先生のTips note 【AfterEffects 2022】デフォルトでの次元分割

こんにちは、デジタルスケープの伊藤和博です。

今回の2ndbookでは、AfterEffects 2022、5月アップデートから新機能で、「デフォルトでの次元分割」をご紹介します。

AfterEffectsでは、位置トランスフォームのXYZの各座標軸を、それぞれ別の次元に分割し、個別にコントロールすることが可能ですが、従来、この次元分割は、アニメーションメニューから都度次元分割を選択することで分割される、というものでしたが、5月アップデートより、レイヤーの作成時に自動で次元分割ができるようになりました。

これによって、エクスプレッション等によるモーションコントロールを行う際に、よりレスポンス良く編集することが可能になりました。

さっそくやってみよう!

まずは、次元分割そのものの操作をご説明いたしますが、次元分割とは、可視化できるレイヤーとヌルオブジェクトが持つトランスフォームのうち、位置トランスフォームにだけ設定できるもので、XY(3Dレイヤーの場合はZも)の各次元軸を、別のトランスフォームとして個別に分解する機能です。

次元分割

では、そもそもなぜ(何のために)次元分割をする必要があるのか?というと、これはエクスプレッションを使う方でないと、その恩恵がわかりづらいかもしれません。

2Dレイヤーの場合でかつ、次元分割をせずに使用した場合、位置プロパティは、XとYの2つの値を取るため2次元のプロパティ、となりますが、2次元のプロパティは、エクスプレッションを使用して、他のレイヤーや他のトランスフォームから何からの値を取得する際、以下のようにX座標とY座標の値をそれそれに代入するエクプレッションを書く必要があります。以下の画像の例では、「同じレイヤー内の不透明度の値(50という数値)を取得し、位置トランスフォームのXとYにそれぞれ(50をいう値を)代入する」場合ですが、トランスフォームのオパシティ(不透明度)から取得した値を一度変数Tempに格納し、その変数Tempの値をXとYそれぞれで使用する、というエクスプレッションが書かれています。

2次元のプロパティ

ところが、次元分割を行うと、X座標とY座標がそれぞれ分離して1次元になることで、他のレイヤーや他のトランスフォームから何からの値を取得する際、単一の値のみを適用すればよいことになり、簡潔なエクスプレッションで操作することが可能になります。以下の画像の例では、次元分割したX位置は、同じレイヤー内の不透明度から取得した50という値を代入し、Y位置には、同じレイヤー内のスケールのうち、Xスケールの値を、Y位置に代入する、という非常にシンプルなエクスプレッションにすることが可能になります。

1次元のプロパティ

レイヤー作成時に次元分割された状態にするには、環境設定の一般設定にある、「分割された次元へのデフォルトの位置プロパティ」にチェックをいれておきます。こうすることでタイムラインパネルにレイヤーを作成した際、位置トランスフォームは最初から次元分割された状態にすることが可能になります。

分割された次元へのデフォルトの位置プロパティ

AfterEffectsでエクスプレッションを使用しない方はその恩恵がわかりづらいかもしれませんが、エクスプレッションを使う方であれば一手間省ける便利な機能になるかと思いますので、バージョンアップがまだの方は、ぜひバージョンアップして使ってみてください。

関連講座

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◆AfterEffects 2020の使い方・実践トレーニング・1(オンライン受講(ライブ配信))

伊藤 和博
株式会社デジタルスケープ
トレーニングディレクター
伊藤 和博

講師歴25年。講座開発数200以上。 総合商社のスクールでMac/Winを使ったDTP/Webトレーニングスクールの業務全般を担当。大手PCメーカー、プリンターメーカー、化粧品メーカー、大手印刷会社、大手広告代理店、新聞社、大手玩具メーカー、大学、官公庁、団体などに向けたトレーニングなど幅広い企業の人材育成に携わる。 現在は、デジタルスケープにてAdobeCCを中心としたトレーニングの企画、講師を務める。 Adobe認定エキスパート、アップルコンピュータ認定技術者、CIW JavaScript Specialist、CIW Web Design Specialist。