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マーケティングやブランディングの基本に立ち返る!ユーザー分析に大切なこととは?

マーケティングやブランディングの基本に立ち返る!ユーザー分析に大切なこととは?

楽しく、クリエイティブに働くための50の法則をまとめた『仕事の研究』の著者・美濃部哲也さん。約30年間で、大手広告代理店や大手ベンチャー企業などさまざまな業界と業種で活躍し、現在は、事業主側の経営視点で、経営と事業のアドバイザリー業務、マーケティングおよびブランディングのアドバイザリー業務、ブランディング活動のディレクションおよびプロデュースを行われています。前編の「クリエイティブ業界の新しい価値観」に続き、第2回では、マーケティングやブランディングのキーとなるポイントを教えてもらいました。

「世界で一番大切なたった一人」を見つける

——ブランディングやマーケティングで大切なことを教えてください。

「共感」の連鎖を広げる仕組みですかね?この「共感」とは、メッセージの発信者と受け取る人が同じ方向を向いている状態のことを言います。『星の王子さま』の著者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが、「愛とはお互い見つめあうことではなく、共に同じ方向を見つめることである」ということを著書「人間の大地」の中で言っていますが、同じ方向を向けたら愛がうまれる。「共感」が生まれやすいのです。発信者と受け手が向き合ってはダメで、もちろん自分が相手に合わせても、それは作り物になってしまいます。自分も向きたい方向で、相手も向きたい方向というのが大切なんです。

——ターゲット全員と同じ方向を向くのは難しい気がしますが、いかがでしょうか?

もちろんです。全世界の人を救える神様がいないのと同じで、メッセージを伝える人は全員じゃなくていいんです。“この人には伝わってほしいという人が誰か”、を立てることが重要。私はそれを「世界で一番大切なたったひとり」と設定しています。そのひとりが見つかって、その人が「すごくいいね」と思ってくれて、そこからいろいろな人に伝わっていくと、「共感」のピラミッドができる。ピラミッドの頂点が「世界で一番大切なたったひとり」なんです。

戦略は「略して戦う」と書きますよね。略するのはシンプルにすることと同時に、やらないことを決めることだから、願いを叶えてあげられない人を決めてしまう。叶えてあげられない人を決めれば決めるほど、叶えてあげたい人がシャープに見えてきます。

そしてそのひとりを決めたら、その人の今の心の中、一緒に同じ方向を向いていきたいテーマに対しての「理想」を考えます。ここで大切なのは、「理想」とは、“本当は”“そもそも”ということ。一方で「現実」は、こんなことがあって“理想とは違う…”と、絶対にギャップがあるんです。その“理想と現実のギャップ”の中に「叶えたいもの・こと」が潜んでいて、それを叶えてあげられることが、商品やサービス、コンテンツを作るために重要なんですね。

ターゲット全員と同じ方向を向くのは難しい気がしますが、いかがでしょうか?

右脳と左脳のハイブリッドな思考方法

——「叶えたいもの・こと」を考える時の思考のコツは?

「理想」を想像することは、実はなかなかできません。大抵の人がいろいろな現実の制約にひっぱられるので、「理想じゃないじゃん?」ということを「理想」と言ってしまいますよね。そうではなく、無邪気にすべてのタブーを取っ払って、「本当は?」、「そもそもは?」というゼロベース思考になるのです。究極をいうと、ドラえもんの歌に「こんなこといいな できたらいいな♪」ってあるじゃないですか。あの感じでスタートすればいいんです。「ゼロベース」、「まっさら」、「無邪気」がキーワードです。

——それでは、理想を想像する「想像力」の引き出し方を教えてください。

“右脳と左脳のハイブリッドな使い方”ですね。基本的なロジカルシンキングの手法「WHY(なぜ)」「SO WHAT?(…で結果的にはどうなるの?)」を積み上げていくのは左脳。左脳的な組み立て方で考えるんだけど、答えを導き出すためには右脳のイマジネーションが重要。そしてイマジネーションの根源は、記憶の中の引き出しの中の数と種類。その引き出しに入れる物は「いつか見たことがある、あの時のあのシーン」なんです。

——いつか見たことがある、あの時のあのシーン」とは何でしょうか?

実際に見たことや聞いた時に感じたことを、その時の感情とともに記憶にしまったもののことです。日常的な観察を通して得るものなので、そのために、常にクリエイティブに関連する現場(=ユーザーや消費者)を観察することをおすすめしています。観察して、データの先にいる人たちの喜怒哀楽を想像できるようにする。
例えば、アンケートで意見を聞いても一般の人は、新しいことに関しての答えは持っていません。彼・彼女たちは今こんな気持ちで、こんな表情で、こんな洋服を着て…、を突き詰めていくと、「こういう人が買いたくなるものなら、たぶん他の人たちも買うだろうな」、と直観が働き出してくるんです。その人の気持ちになれる、感情移入ができちゃう、乗り移れるぐらい、究極はその人自身に自分がなってしまえばいいんです。

実は「想像力」とは、「直観」に等しいのです。「直観」は、記憶の引き出しを元にして、ある一つのことをいろんな角度から見て、それを基にロジカルに考えて、いくつもの角度のいくつもの思考のちょうど交わったところにあるもの。何もなくひらめくことはありません。「直観なんてあてにしない」という人もいるけれど、それは適当なひらめきのことを言ってるだけで、「直観」とは、いろいろな観察、いろいろな想像、いろいろなロジカルシンキングをした上での交差点なんです。

いつか見たことがある、あの時のあのシーン」とは何でしょうか?

——今後美濃部さんが挑戦していきたいことや、未来についてお聞かせください。

自分もそうですし、若い人たちも含めて、今までの枠組みから解放された働き方とか魅力的な商品、サービスが生まれていくようなことに貢献したいですね。既存の枠組みに捕らわれず、挑戦していく会社のサポートや、挑戦していく人たちのスキルアップになりそうな機会をつくっていければと考えています。

また、今は人生100年といわれている世の中ですが、近いうちに85歳定年になるんじゃないかと思っています。その時、85歳まで活気が溢れる状況に貢献するようなサービスや事業に携わりたいですね。専門性というスキル、得意なことでどんどんキャリア形成をしていくと、仕事が嫌なことじゃなくなって、仕事と遊びの境目が薄くなるというか…。今までの「仕事は大変、遊びは楽しい」という概念じゃなくなっていると思います。そういう風になっていけば、年齢に限界がなく、生涯現役で楽しんでいけるのではないでしょうか?


いかがでしたでしょうか。最後に、今までの常識や仕組みの価値観、意味など予測不可能な変化が起こるのが当たり前の時代になってきました。今後もしばらくの間、さまざまな領域で変化は起き続けていくと思います。そんな今だからこそ、改めて「自分自身を自分自身で発明していく」発想で、自身のリスキリングを追求する。このことが、みなさんの自分らしさが大いに発揮される領域づくりの参考になれば嬉しく思います。

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