WEBクリエイターが習得すべき技術を「ものづくりの進化」という観点から考察する ~DDS育成リーダーのスキルアップアプローチ~

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WEBクリエイターが習得すべき技術を「ものづくりの進化」という観点から考察する ~DDS育成リーダーのスキルアップアプローチ~

WEBクリエイターが習得すべき技術を「ものづくりの進化」という観点から考察するDDS育成リーダーのスキルアップアプローチ

覚える知識の優先順位のつけ方

昨今のWEB技術の進化のベクトルは様々な面で多様化しています。CMS・WEBフレームワーク・JavaScriptライブラリー・開発手法・ユーザビリティなど覚えることが山のようにあり、筆者自身も押さえるべき知識の優先順位をつけるのに苦労しています。
「フロントエンドのロードマップ」などでGoogle検索をしてみると、習得すべき技術とその順序が出てくるかと思いますが、ここからも技術のベクトルの多さがわかるかと思います。

では、覚えることがたくさんある中で具体的にどのように優先順位をつけていけば良いのでしょうか。
筆者はそのことについて以下の観点で考えています。

  • 1. ものづくりの進化の本質を理解し、習得しようとしている技術がどれだけその本質に近いか
  • 2. 市場での自分たちのポジショニングの軸と習得しようとしている技術のベクトルがどれだけ合致しているか
  • 3. 習得しようとしている技術がものづくりする上で面白いと思えるか

今回は、それぞれの観点について見ていきますが、特に1つ目の観点について深く掘り下げたいと思います。

1. ものづくりの進化の本質を理解し、習得しようとしている技術がどれだけその本質に近いか

ここでは話をわかりやすくするために「ものづくりの進化」を食卓で使う「フォークの進化」を例にして考察したいと思います。

実はフォークの歴史はそれほど深くなく、イギリスでは17世紀から、フランスでは16世紀になってから、イタリアでも14世紀から、フォークを使って食事をするようになりました。信じられないかもしれませんがそれまでは西洋では両手にナイフをもって食事をしていました。

実際の食事は、肉料理の場合、左手のナイフで肉を固定して右手のナイフでその固定した肉を切り、切った肉にナイフを刺してそのまま口に運ぶというかたちでした。当然ナイフは1本歯なので、固定した肉がくるくる回ってしまい切りづらかったそうです。

この問題点を解決するために登場したのが2本歯のフォークです。これにより肉を固定する際の支点が2つになり、もう片方のナイフで安定して肉を切ることができるようになりました。

その後も3本歯から4本歯へと現在の形に至るまでに、様々なユニークな形のフォークが考案されましたが、先行するモノの失敗や欠陥から進化が生じるという点では同様のプロセスになります。

フォークの進化

このフォークの進化においては、ディティールの形状の変化ではなく、フォークの歯の数が増えて利用用途が変わるという転換点が、現在でいうイノベーションと捉えることができるのではないでしょうか。
そしてさらに付け加えるならば、イノベーションは単独では起こり得ない。イノベーションとその次のイノベーションは歴史を通して見れば繋がっていると考えることもできます。

ではWEB技術に話を戻して、「技術進化の大きな転換点」はどこか考察してみましょう。
WEBサイトの一般ユーザーから見るとインタラクティブな表現に注目が集まることが少なくないと思いますが、筆者は、見た目ではなく以下の2点が 技術進化の大きな転換点 にあたると考えています。

自動化(Automation)
クラウド化(Cloud Computing)

2020年から日本でも5Gサービスがスタートしますが、5Gサービスもこの「自動化」と「クラウド化」をさらに推し進めると考えられます。
DDSではこの自動化とクラウド化技術の波に乗るために、その代表的なサービスであるAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsft Azureの中から、Amazon Web Services(AWS)を利用して自社プラットフォームの整備や受託提案を行なっています。

2. 市場での自分たちのポジショニングの軸とどれだけ合致しているか

経営戦略やマーケティングを考える上で、組織やサービスのポジショニングをどうするかは重要事項です。
巨大なグローバル企業を目指すのか、巨大なグローバル企業が提供するプラットフォームの上にサービスを展開する側になるか、それとは別にニッチな分野を狙っていくのかなど、論点は多々あります。
それらを熟考した上で自分たちのポジショニングが決まったら、次にどのようなサービスをどういう技術で実現するかを検討する必要があります。ここまできてようやく自分たちが習得すべき技術がうっすら見えてくるのではないでしょうか。

例をあげると、インタラクティブな表現を実現する技術ならJavaScript + ライブラリー、稼働率の高いプラットフォームを実現する技術であればサーバ + ネットワーク技術、運用性やメンテナンス性の優れた設計技術の場合はCMS + HTMLコーディング技術などになると思います。

WEB制作

3. その技術が面白いと思えるか

直感的な感覚も無視すべきではないと筆者は考えます。
例えば、「今後この技術は成長しそうで面白そう」だとか、「この技術とこの技術を組み合わせると何か面白いものができそう」、といった感覚も大事にしながら習得すべき技術を選定することで、モチベーション維持はもちろん、独創的な観点から他にはない付加価値のある技術提案につながる可能性も出てくると思います。
ただし、これには多くの経験が必要になるため、まずはいろいろな技術に果敢にトライすることが重要です。

WEB制作

いかがでしたでしょうか。今回はWEBクリエイターが習得すべき技術を「ものづくりの進化」という観点から考察してみました。情報が溢れている時代だからこそ、自分なりの考えをしっかり持って情報を取捨選択していくことが求められます。そして、時には技術の進化を高い視点から見渡しながら自身の学習計画を立ててみると、もしかしたらそこから思わぬ発見があるかもしれませんね。

DDSでは育成ビジョンに共感し賛同してもらえる人材を求めています。
ぜひ一緒に切磋琢磨し、育成に参画してみませんか。


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株式会社デジタルスケープ デザイン&デベロップメントスタジオ 石井 仁
株式会社デジタルスケープ
デザイン&デベロップメントスタジオ
石井 仁

2007年からコーダーとしてWEB業界のキャリアをスタート。
一番最初に投資信託サイトのリニューアルを経験し、その後大手ポータルサイトのコンテンツリニューアルにディレクターとして携わる。以降ディレクターとコーダーの2つのポジションでキャリアを重ねた後、現在はプロデューサー兼フロントエンドとしてサイト制作の提案から立ち上げまでを行っている。
また、チームマネジメント業務も行っており、クライアントとチームメンバーの成長と発展に日々取り組んでいる。