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12月11日【テレビマンユニオン創立50周年特別セミナー】開催レポート

12月11日【テレビマンユニオン創立50周年特別セミナー】開催レポート

2020年に創立50周年を迎えるテレビマンユニオン様とイマジカデジタルスケープが共同で、12月11日(水)にセミナーを開催しました。映像業界の第一線で活躍しつづけるための働き方、テレビマンユニオンのあり方等々、仕事への情熱と共に語っていただきました!

セミナーは、今野勉氏と岸善幸氏との対談、現場社員によるトークセッション、懇親会の3部構成。
学生さんから映像業界で働くクリエイターの方など多くの方にお集まりいただきました。その模様をお伝えしていきます。

12月11日【テレビマンユニオン創立50周年特別セミナー】開催レポート

第1部:今野勉氏と岸善幸氏との対談

テレビマンユニオン創立当時のお話から始まったこの対談。
テレビマンユニオンは、今野氏たちの「テレビ番組の制作という仕事を一生続けるには、サラリーマンをやめて、その仕事を職業として選ぶしかない」という思いで設立されました。当時は、7名の社員と契約社員やアルバイトからなる27人でのスタートだったそうです。

<当時から続いている同社の特徴>

  • ・事務系の職員を除き、プロデューサーやディレクターに社員という言葉を使わない
  • ・会社を運営する資本金は自分たちが出す=株主
  • ・制作者であり、会社経営者でもある自分たちを、社員ではなくメンバーと呼ぶ
  • ・選挙でメンバーの代表を選び、代表に選任された人が会社の運営にあたる
  • ・会社の経営方針は、メンバー全員参加の総会で決める

一般の会社にはなかなかない制度で驚くばかりですが、そこには「制作者による制作者のための組織にしたい。」という思いが詰まっていました。
中には導入に苦労した制度もあったようで、それが報酬(給与)制度です。
さまざまなことを想定し、参考にしたのは弁護士事務所のしくみ。基本給は経験に応じて決められるが、制作する番組は大小さまざま。それに応ずる出来高制度が必要ということになった。弁護士事務所が扱う民事事件も大小さまざまで、事件の大小によって依頼主への請求金額(=事務所の収入)は違います。担当した弁護士への報酬は、事件の収入に準じて決まります。番組制作会社を弁護士事務所、扱う事件を番組制作、担当弁護士を担当制作者となぞらえて、報酬制度を考えようとしたわけです。ただし、事件も番組も、収入の大小とは別に、仕事の価値の高低もあります。小さい仕事でもやるべき仕事は引き受け、担当者にはきちんと報酬を支払う。これが基本です。メンバーの年収が、代表取締役の年収を超えるということが普通にあるというのも驚きです!

経験者でないと大変そうな雰囲気がありますが、新卒入社のメンバーには安心できる制度が別にあり、1~2年は研修期間で社員の処遇で、その後メンバーとなります。
他にも、フリーの契約者が在籍メンバーの推薦によってメンバーになる制度もあります。

最近では、年間700本を超える制作依頼があり、メンバーだけでは回らなくなってきているそう。今やメンバーの総数より、番組ごとに契約している業務委託のスタッフの方が多くなっているのが現実で、メンバー以外の働き方もあるのではないかと手探りを始めています。
ただ、やはりテレビマンユニオンが考えるのは、「自主的に働く」 ということ。 法律が定める時間を決めて働くこととは同義では成り立たない点があるのも現実で、同社の働き方改革は模索中です。

12月11日【テレビマンユニオン創立50周年特別セミナー】開催レポート

87年にテレビマンユニオンに入社し、来年で33年目を迎えるという岸氏からは、番組・映画の企画に対する考えをお話しいただきました。
「僕らの組織は、主に映像を作る会社で、自分たちで企画し、テレビ局にプレゼン・受注し、会社の仲間と制作して売り上げを上げていきます。営業戦略上、企画書のストックをしているのですが、企画書を書くのは制作のスタッフだけではなく、経理や総務の事務職系社員も書いてくれます。どの企画書にも会社で決めた企画料がきちんと支払われます。」会社として企画力を大切に考えていることがわかります。

また今野氏は、「私がテレビ業界で生き残れたその理由こそが企画書だった。」と振り返ります。「新人の頃は、自分の企画が通ったら、その番組のアシスタントディレクターくらいはさせてもらえる。そのうち、必ず番組を任されるチャンスが巡って来る。企画書でチャンスを開拓していった、それは放送局員の時代も、テレビマンユニオンの今も変わりません。」
岸氏もまた「新人の頃は、ただただ企画を書いて、ディレクターになる日を夢見ていたような気がします。それが局や代理店で採択されて放送される喜びは大きかったですね。その感覚こそが、今を作ったと思います。」
同社の「サラメシ」は14%の高視聴率を誇る番組ですが、この番組のプロデューサーで後輩の松葉さんも、たくさん企画を書いて大ヒット番組を作り上げました。
「テレビ局から企画依頼が来たら、テレビマンユニオンでは社内で提出する企画を絞りません。多いときは20人くらいが放送局にプレゼンしに行きます。紙1枚の企画書で、家1件が建つくらいの制作費がもらえる作品の受注が決まる。会社の売り上げはトータルでは何十億とありますが、基本的にはそのやり取りのおかげで売り上げが成り立っているのです。」

では、通る企画書を書くために必要な能力とは?
岸氏は、「文章力と時代を捉える感性が大切」と言います。メンバー試験でも、そのあたりの能力を見極める試験をしているので、これからテレビマンユニオンを目指す方は覚悟が必要かもしれません。

またテレビマンユニオンでは、携わる仕事にも特徴があります。放送局では配属部門によって、ドラマなのかドキュメンタリーなのか、番組のジャンルが決められていますが、同社では、どんなジャンルでも自分がやりたい企画を出してOKなのです。「テレビマンユニオンを作って、初めて、ジャンルにとらわれない企画を考えられるようになり、そして、伝えたいことをどうやったら伝えられるかを、まず考えるようになった。」と今野氏は語ります。

12月11日【テレビマンユニオン創立50周年特別セミナー】開催レポート

そして、キャリア60年の大御所ならではのこんな話もありました。
今野氏は今年83歳で「今や一緒に働く人たちは、孫みたいな年齢(笑)」
若いころと今とで見える世界は違いますか? という質問に、「そんなに変わらないですが、山に登って夜明けにかけての撮影は辞退しました(笑)」。ここで岸氏が、体力の重要性について触れました。「プロデューサーやチーフディレクターたちは、納品する作品のクオリティに対して責任が必要になります。当然そこにはタイムカードでは計れないケアが必要です。そのためにも、やりたいことを実現するための体力はあった方がいいかもしれないですね。」
もちろん、スタッフには「働き方改革」に準じて、残業や休日出社が極力少なくなるように配慮しています。

そして、制作者として活躍するための大切なポイントを今野氏はこう語ります。
「企画書を書くためには、いろんなアイディアが浮かばなければならないのですが、アイディアが浮かぶためには、いろんなものに好奇心を持つことが大切です。あと体力。才能はね、やってみないとわからない。」
やりたいことができる、いい意味で勝手にしろという文化がある同社には徒弟制度のようなものはなく、経験から学び、自分で成長していく力も必要なようです。

それに加え、岸氏は「運」も必要と言います。
「放送局のプロデューサーと意見が合わず、喧嘩になることもあるんです。過大な要求からスタッフを守るためですが、それが行き過ぎて仕事がなくなってしまったこともありました。そういうとき、助けてくれる人がいたんですよ。その時の仕事が、人生を変えるような大きな仕事になった。運ですよ。それがテレビマンユニオンでした。そういう人に支えられて今がある。」
「困ったときに助けてもらうことができ、そして運があった。この運を活かせるか、ちゃんと捕まえられるかは、簡単ではないと思いますが、そういう時は貪欲に挑戦するしかありません。」とチャンスをものにする力が必要なことも強調されました。

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最後は、「人間力」について。
「制作と聞くと、番組を作る力が大切だと思いがちですが、実は人を動かす力が最も大切なんです。ものすごく寡黙な人が人を動かすケース、しゃべり倒す人が勢いで人を引っ張るケースと形はいろいろありますよ。」と今野氏。 岸氏は、最近の学生との接点でよくあるケースについて、「映像の世界に入りたいと希望する人の中に、撮影から編集まで、全てを1人でこなすという学生が増えてきましたが、そういう才能がテレビを変えてくれるんじゃないかと期待している。」と言います。一方で「人とどうかかわるか、そのかかわり方が結果として番組を作っていくんです。その力が大切です。」とも。

また、最近ではSNSやYouTubeなども無視できない状況になっています。「テレビだけが舞台、映画だけが映像ではないです。たくさんの人に認められる映像には力があるはず。」と、時代の潮流を感じつつも、よい作品を生み出すことの大変さはあるが面白い仕事のはず、と締め括られました。

第2部:活躍中の若手3人によるトークセッション

第2部では、現場で活躍する若手~中堅の方に、テレビマンユニオンでのお仕事についてざっくばらんにお話しいただきました。司会進行役は、山田孝之のドキュメンタリー映画「No Pain, No Gain」を監督し、 ドキュメンタリー番組を中心に制作するディレクターの牧氏。 そして、テレビマンユニオンを語ってくれた現場の3名はこちらです。

●岡下慶仁(オカシタ ヨシヒト)氏
ドキュメンタリー、映画、ドラマ、紀行番組、様々なジャンルの作品に参加。

●三毛かりん(ミケ カリン)氏
2017年、テレビマンユニオン参加。現在はプロデューサーとして活躍中。

●武井佑吏 (タケイ ユウリ)氏
2017年、テレビマンユニオン参加。「遠くへ行きたい」でディレクターデビュー。

12月11日【テレビマンユニオン創立50周年特別セミナー】開催レポート

左から、牧有太氏、岡下慶仁氏、三毛かりん氏、武井佑吏氏

なんでテレビマンユニオンに?

きっかけは三者三様ですが、共通するのは映像制作がしたくて入社したことです。 岡下氏「もとは映画の助監督をしていたのですが、映画界での仕事減少がきっかけでした。当時、エクセルでの表作成やスケジュール管理ばかりだった自分の仕事と比べ、テレビマンユニオンで働く同世代の人がとても輝いて見えたんです。」
新卒で入社して3年目を迎える三毛氏は早くもプロデューサーを任されています。「大学時代は映像制作を学んでおり、就職活動も映像系を希望していました。テレビだけでない土俵での制作にも力を入れている会社だと知り、好きなディレクターが所属していたこともあり、興味を持ち入社しました。」 三毛氏と同期の武井氏「某放送局から内定をもらったのですが、この会社の方がサークルっぽい雰囲気で自分に合ってると思ったので。学生時代にすでに監督もしてはいましたが、やはりフリーランスは不安でしたし。」

入社する前と後のギャップはあった?

意外にも!?入社してのギャップは特になかったようで、「じゃあ、やってみなはれ!」「本当に任せる」という感じでとてものびのび働いています。
三毛氏は、2年目から少しずつプロデューサーをしていましたが、「こんなペーペーに任せるって結構な決断だと思うんです。でも、やってみろと言ってくれるし、その結果が基盤になって安心して次の仕事ができます。そういう環境に安心感を持っています。」と語ります。
映画制作経験者の岡下氏は、テレビマンユニオンでのキャリアが、助監督をしていた期間を超えました。「自分がやりたいことを見つけて企画書を書くというのは数年に1回しかないですが、 この会社の良いところは、いろんな人がいっぱいいて、こんな仕事があるよと教えてくれ、そしてまた新しい引き出しが増えること。本来は自分でやれるべきなんだけど…。」と切磋琢磨できる環境を実感しています。

メンバー制についてどう思う?

岡下氏は「オファーがなかったら去らないといけないと思っているし、そのせめぎあい。今はいろんな方の恩恵をもらっているだけなので、名指しで仕事が来るようになったら貢献できるかなと思います」と、高いプロ意識が感じられる発言がありました。
そして、全員が「たくさんの凄い仕事の中から『自分が気持ちよくレベルアップできる環境、仕事』を選ぶ。」と口をそろえて言えるほど、仕事を自由に選べるのがテレビマンユニオンの大きな特徴です。

進行役の牧氏からは「1年目のAD時代に、プロデューサーに怒られる事件があったんです。会社来るなと言われて2ヶ月会社に行かなかったことがあった。」という暴露話も披露され、笑いも交えながらあっという間の30分でした。

「家族や友達、テレビ制作を何も知らない人に面白かったよと言ってもらえる作品を作りたい。」「楽しいことをやっていきたい。映画もやりたい。テレビ以外をやってみたい。舞台とかも。今は修行の身だがテレビでないことを優先してやっていきたい。」と、それぞれに熱い気持ちを語ってくださいました。

第三部:懇親会

懇親会の前には、映像業界を目指す学生さん向けに、テレビマンユニオン社員へ質問できるお時間を設けました。
学生さんからは真剣な表情で質問が飛び交います。

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その後は、料理とお酒を囲みながらの懇親会。短い時間ではありましたが、多くの参加者にも参加いただき盛況の中、本セミナーは幕を閉じました。

メンバー制という独自の制度を貫くテレビマンユニオン。
それは、一生涯、プロデューサーやディレクターといった制作者であるために作られた仕組みでした。働き方改革という時代の流れとどう交わっていくのか、今後に注目です。

イマジカデジタルスケープでは、今後も映像業界を盛り上げていくためのイベントやセミナーを企画していきます。どうぞお楽しみに!

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