映像を作る職人たち ~MAミキサー篇~ 映像作品の音をあやつるスペシャリスト

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映像を作る職人たち ~MAミキサー篇~ 映像作品の音をあやつるスペシャリスト

映像を作る職人たち ~MAミキサー篇~ 映像作品の音をあやつるスペシャリスト

映像制作において、一つの作品ができあがるまでたくさんの人が携わっています。
映像作品は、いろいろな技術を持ったスペシャリストが集まって作られますが、「映像を作る職人たち」では、そのスペシャリストの一人一人にスポットをあてて職業紹介をしていきます。

映像作品では音も重要な要素の1つですが、この音を作る職業の1つにMAミキサーという職業があります。今回は、このMAミキサーの仕事についてご紹介します。

MAミキサーとは?

映像制作の中に、MAという音を仕上げる工程があります。MAとは「Multi Audio」の略で、日本特有の呼び方です。海外では「audio post production」とか「audio suite」と呼ばれますし、映画やアニメの制作ではダビングとも呼びます。
映像作品の音は、台詞などの撮影時に収録される素材音・BGM・効果音などで構成されていますが、MAはこれらのバランスやタイミングを調整しながらミキシングをして、音を完成させる工程になります。そして、このMAを担当するのがMAミキサーです。
近年では、映画やテレビ、PC、スマホと映像の視聴環境が多様化していますが、この視聴環境によって音の聞こえ方は大きく変わります。例えば、映画館のような静かな空間では小さな音も良く聞こえますが、テレビを家族で見ているような環境では小さな音は聞こえません。また、テレビや一部の配信などでは音量規制などの納品仕様があります。
MAミキサーは、このような環境の違いや納品仕様の違いを考慮して、その中で作品のイメージが最大限に伝わるようにバランスを調整しながらミキシングしていく仕事です。

また、素材音の整音や音の加工、アフレコなどもMAミキサーの役割になります。整音とは、撮影時に入ってしまった蝉の声や自動車の走行音などの環境音を減少させて台詞を聞こえやすくしたり、カットごとに違う音量のレベルを合わせる作業のことです。

ちなみに、素材音以外のBGMと効果音については、それぞれに別の担当者がいます。その方々が作品に合った音を探したり、作ったりしてMAに持ち込みます。

MAミキサーになるには?

MAは、主にポストプロダクションで行います。MAミキサーになるには、ポストプロダクションに就業して、まずはアシスタントになることから目指しましょう。

MAをするための勉強

MAに必要なのは、音の基礎知識と作品のイメージを形にする加工やミキシングの技術です。
まずは、学校などの機関で基礎知識を学びましょう。そして、多くの作品を観て加工やミキシングの参考にしましょう。

MAミキサーの役割ややりがいを動画で紹介

今回は、㈱IMAGICAエンタテインメントメディアサービスでMAミキサーとして活躍されている小松達哉さんにいろいろ聞いてきましたので、ご覧ください。

いかがでしたか?

音は、映像作品のイメージを作る重要な要素です。そして、MAミキサーはその音の仕上げを担当する重要でやりがいのある仕事です。

映像制作に関連する転職・求人情報にご興味がある方は下記から自分にあったお仕事を探してみましょう。

これからも映像をつくる職業をたくさん紹介していきます。ぜひYouTubeチャンネルも登録してください。

株式会社デジタルスケープ 山崎 義成
株式会社デジタルスケープ
山崎 義成

1990年から約30年間IMAGICA Lab.在籍し、エディターとして、CM・TV・映画とジャンルを跨いで活躍。
ワークフローの作成から編集・グレーディングまで幅広く担当。3Dや4K/8K、HDRなども手掛けている。
代表作:映画「デスノート(前編・後編)」、映画「どろろ」、3D映画「ラビットホラー3D」、アニメ映画「秒速5センチメートル」、4K「ポール・マッカートニー・アウト・ゼアー2015」 他