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「コミュニケーションを通じて世界を鮮やかに変えていく」ミクシィグループ特集 Vol.3 ~『共闘ことばRPGコトダマン』の移管と大改修。成功の決め手はチームの柔軟性~

「コミュニケーションを通じて世界を鮮やかに変えていく」ミクシィグループ特集 Vol.3 ~『共闘ことばRPGコトダマン』の移管と大改修。成功の決め手はチームの柔軟性~

SNS『mixi』や、ひっぱりハンティングRPG『モンスターストライク』、「ことば」で闘う新感覚RPG『共闘ことばRPG コトダマン』など、さまざまなサービスを展開し、サービスの先にいるユーザーの気持ちや要望に真摯に応え、さらに想像や期待を超える価値を「コミュニケーション」を通じて提供するミクシィグループ。新たなつながりをつくり、世界を鮮やかに変えるべく、デジタルエンターテインメント、スポーツ、ライフスタイルの3つの領域で事業を展開しています。

To Creatorでは、このミクシィグループで働くデザイナーを特集します。第3回目の今回は、第1回でご紹介したコトダマンのアートグループであるUIUXチームより改修事例をご紹介!制作の裏側を限定公開いたします!

『共闘ことばRPG コトダマン』

文字の精霊「コトダマン」を組み合わせて「ことば」をつくり、「ことば」の長さや数で敵を攻撃してステージをクリアしていく新感覚RPG。2019年10月にセガ(当時はセガゲームス)からミクシィのエンタメ事業ブランド「XFLAG」へパブリッシャー変更。事業だけでなく開発チームも移籍、セガの企画力や開発力にミクシィのノウハウが加わり、着実にユーザー数を伸ばしている。

UIUX チームのメンバー

今回は2019年の大規模改修を担当されたこちらの3名にお話を伺いました。

加藤 貴也(かとう たかや)氏

2016年新卒入社。モンスターストライクのUI改修やゲーム内バナーデザインのほか、新規プロジェクトのモックアップ制作や検証を担当。2019年7月にコトダマン事業部に異動し、ゲーム内のUI /UXデザインの改修を手がける。

松山 結子(まつやま ゆいこ)氏

2018年中途入社。前職ではゲームUI、バナーデザインのほか、実装や改修を担当する。ミクシィでは、ファイトリーグのUIデザインや改修作業を担当した後、2019年7月にコトダマン事業部に異動し、ゲーム内のUI /UXデザインの改修を手がける。

赤嶺 郁美(あかみね いくみ)氏

2018年新卒入社。ファイトリーグのUIデザインや改修作業を担当した後、2019年7月にコトダマン事業部に異動し、ゲーム内のUI /UXデザインの改修を手がける。

移管直後のミッションは短期間での新規ユーザー向け大改修

2019年8月にユーザーの皆様にタイトル移管の発表をしましたが、セガからミクシィに移管するタイミングで、新規ユーザーを取り込むための大規模プロモーションを実施することが既に決定していて、数か月前から準備を進めていました。
当時はリリースから1年半というタイミングで、リリース時からプレイいただいていたコアユーザー向けの仕様になっていたため、プロモーションで流入した新規ユーザーに継続して楽しんでいただくために、ゲーム設計/デザインを改修することになりました。その裏側はアップデート内容に対して開発期間が短いもので、条件の中でいかに満足度が高くなる施策を実施できるか試行錯誤の日々でした。

この開発にかける期間は、約3か月。
2019年7月~8月の1か月で改修の方針を決定し、8月~9月末の2か月で改修作業を行うというもの。
このアップデートで我々が掲げた目標は、

新規離脱率&チュートリアル突破後に継続して遊んでもらえるユーザー数の改善

とシンプルなものですが、UIデザインだけでなく、ゲームフローそのものの見直しも必要な大掛かりな改修作業となりました。

改修にあたって

今回の改修にあたっては、社内タイトルの改修と違うポイントがありました。
まず1つ目は、タイトル移管にあたって、セガ社からメンバーが移籍してくること。
セガから移籍したデザイナーの方たちには、通常の業務に支障がないように運営をお任せし、改修方針の策定は、新設のコトダマン事業部に異動したミクシィのデザイナーで実施しました。

2つ目は、改修フローの違い。一般的な改修時の進行フローとしては、「ユーザーリサーチを実施し改修箇所を洗い出す」という方法を取りますが、

  • 今回の改修におけるターゲットが、新規ユーザーであった
  • 今回アサインされたUIデザイナーがコトダマン初心者だった

ことから、
デザイナー達が新規ユーザーの目線でプレイしながら改修箇所を洗い出すという手法でユーザーリサーチを兼ねて進めていきました。

そして、今回の改修は初心者のゲーム体験を重視するため、UIデザインのみならず、システムやレベルデザインにも影響し、ゲームフローの改修作業も発生します。そのため、ディレクターやプロダクトオーナーといったコトダマンの中核を担っている人たちと密に連携をとって進行することが大切でした。彼らに既存の方針をヒアリングし、これまで運用してきたメンバーの意見も重視しながら方針を策定しました。

改修作業で終始使用した作業ボード
改修作業で終始使用した作業ボード
画面スクリーンショットや問題点などを並べて全体整理

理想のゲームフローを再定義するまで

まずは改めて今回の改修軸を整理していきました。

目的の整理(なぜやるのか)

改修が必要となった背景と現状分析から見えるゲームの特徴を洗い出してみました。

  • 背景
    11月に大規模プロモーションとモンストコラボの施策を行う
    新規層およびモンストユーザーの流入が予想される。
  • 開発チームへのヒアリングによって把握したコトダマンの現状分析
    • 20代後半~30代がメイン層
    • 10代~20代を獲得しきれていない
    • ランク20~40に離脱ポイントが多い
    ゲームを継続して遊ぶモチベーションを見失いやすい状態で、初心者の導線は複雑化してしまっている。

これらをまとめると、以下のような定義付けとなりました。

開発側で対応可能かつ、クリティカルな問題である初心者が遊ぶ際の課題に注力して、新規流入層の離脱率を減らす。

ターゲットの定義(誰のためにやるのか)

一般的なペルソナ*設計と変わりありませんが、今回のアップデート時にメインターゲットとなる層として、
「モンストはゲームが難しくてすぐ辞めちゃったけど、コレはクロスワードパズルみたいで簡単そうだし、楽しそう!」と思って始めてくれるような方をイメージしました。

11月にコトダマンを認知して、ゲームを始めた人

*年齢や職業、ライフスタイル、価値観などの具体的な条件を設定したゲームユーザー像のこと

理想のゲームフローを再定義する

先ほど整理した改修目的を叶えるために、基本設計から見直すこととなりました。

  • ゲームルールを段階的に学習して貰う
    「すごわざ」・「ギミック」・「降臨」・「満福」など、応用的なルールの学習タイミングを見直し、とっつきやすい印象を与える。
  • 目的を明確にしてユーザーを迷わせない
    コンテンツを解放するタイミングを改めて検討し、適正ではないクエストに挑戦してしまう遠回りな体験を減らす。
  • だんだんプレイが快適になり、強くなっていく実感が得られる
    プレイ報酬によって便利なコトダマンが入手できる、ガチャで入手したキャラをスムーズに進化できる。

そして、今回のコアとなる新たな取り組みは、メインクエスト画面の変更です。

大陸クエストを一本道にする

これにより、ゲーム目的の明確化、中級/上級プレイ時の周回感の解消、属性相性の理解促進、初心者パネル報酬のコントロール等を改善します。

旧メインクエスト画面

そうして改修後のゲームフローイメージを以下のように定義できました。

改修後のゲームフローイメージ(簡略図)
改修後のゲームフローイメージ(簡略図)
※クリックで画像が開きます

洗い出された5つの課題

再定義した理想のゲームフローを実現するために課題を洗い出し分類してみると、5つに大別されました。ライト層初心者にとって順番に起こりうる障壁(離脱要因)で優先度を設定すると、以下のようになります。

  1. インゲーム体験の改修

    ライト層はインゲームの操作感・面白さに期待してプレイを始めることが想定でき、早めにインゲームの面白さを提供することが重要。

  2. どこからやったら良いのか迷う

    ルートの提示がないと次に何をやるべきか分からず離れてしまう。
    また、今やらなくても良いものに挑戦し、良くないインゲーム体験の要因になり得る。

  3. 不明瞭な機能の改修

    初心者がゲームを進める中で理解できないものに出会い、かつそれが解消されないとストレスになる。
    説明不足であったり、逆に情報が多すぎて整理できなかったりするケースを改修する。

  4. 目標(モチベーション) の設定

    ユーザー自身で目標を設計しづらいと、モチベーションの維持が厳しくなる。
    現状とゴールと報酬が明確でないと目標を設計しづらい。

  5. ゲームサイクルにおけるストレス緩和

    離脱の決め手となるものはここ以外に存在すると考えられるが、小さいストレスとして蓄積していってしまう。

これらを改善するために見直したことの中から2つの事例をご紹介いたします。

ゲームフローの見直し

まず、ゲームフローの課題をピックアップするために、下記内容が網羅されているシートを作成します。

  • ゲームフロー(チュートリアル画面、ホーム画面、ミッションクリア画面、など)
  • プレイ時間:たどり着くまでのプレイ時間
  • 段位(レベル):その時になっている段位(レベル)
  • 初心者パネル(初心者向けのミッション):どんなミッションが出ているのか
  • 学習させたいこと:クエストをプレイしてユーザーに何を学習させたいのか
  • 定量課題
  • 定性課題
  • 改善案

フローを見直し、課題を約100件ピックアップ。
その課題を5つの項目にカテゴライズし、項目に対し改修の優先順位をつけました。改修の優先順位の付け方は、新規ユーザーがゲームをプレイしていく中で順番に起こりうることから順に設定します。

UI改修内容

①ホーム画面のUI改修

課題 改修
ホーム画面に同じ大きさのボタンが並列し、新規ユーザーはどのクエストから攻略したらいいのか一目で判断がつきづらい。
また、例えロックをかけていてもコンテンツの多さを主張してしまっており、覚えることの多い難しいゲームという印象を与えてしまう。
ファーストビューでボタン要素を減らし、新規ユーザーにやって欲しいクエストを目立たせるようなデザインに変更した。
段階学習後に触れるコンテンツに関しては、既存ユーザーの利便性も考慮し、画面遷移を挟まずスライド式で表示するようにした。
システム感が強いデザインで取っ付き難くなってしまう。 絵の要素を増やし、難しい印象を緩和させるようにした。
ホーム画面UIのビフォーアフター

②メインクエスト(チュートリアル後に遊ぶコンテンツ)のルールの見直しと、UI、ゲームシステムの改修

課題 改修
5種類から構成される「メインクエスト」がどこからでも遊べる仕様になっていた。
新規ユーザーの場合、どのクエストから攻略すればいいのかわからない状態だった。
どのクエストからでも遊べる仕様を廃止。1つのクエストがクリアできたら、新たなクエストが解放される1本道のクエストに変更した。
メインクエスト画面UIのビフォーアフター

改修を成功に導いたポイントとは?

社内タイトルの改修と違うことでいつもと異なる進め方である点もありましたが、大きく3つの点が良かったと思います。

1つ目は、セガ社で開発・運営をしていたメンバーとの調整がスムーズにできたことです。セガからはディレクター1名、プランナー2名の3名が中心となり私たち改修メンバーと連携をとっていましたが、このセガ側の主軸メンバーと共に方針を固めることができたことがポイントでした。私たちも課題感に対して積極的にセガメンバーにヒアリングをしに行ったり、解析データを出してもらったりと、セガメンバーを巻き込んで動くように心がけていました。そうすることで、軸となる展望や課題感をしっかり共有してもらってから進められたため、重要な点を押さえた改善案を考案できたことは大きかったと感じます。
そして、改修方針がまとまった段階では、各セクションのリーダー陣や一部開発メンバーからも意見をもらっていたのですが、このおかげでミクシィメンバーだけで決め切ってしまうより説得感が増し、全体に方針を伝える際にも前向きに聞いてもらいやすい体制だったのではないかと思っています。

2つ目は、上の写真でも紹介した作業ボードです。PCデータだけで進めると、どうしても関係者しか見ないものになり、クローズドなものになりやすいですが、壁を使うことで通りすがりのメンバーにも気軽に意見をもらえるなど、意見しやすい環境に一役買っていたと思います。
なにより、私たち中心メンバーの思考の整理がしやすいことに加え、付箋を書き直したり移動したりと、意見を出しやすく、ミクシィ側メンバーのチームビルディングにも大きく役立っていました。オフライン作業ならではの取り組みではありますが、現在、在宅勤務者も増えている状況なので、今後は開発環境に合わせた工夫ももっと積極的に取り入れていければと考えています。

3つ目は、改修を専属で担当することができた点です。通常、運用しながらの改修となると、改善点を洗い出して改修方針を策定することに時間を割けないケースが多いです。今回は、タイトル移管とメンバー異動が重なったことにより、改修方針を決める専属チームとして動けたことで、運用や他セクションのメンバーの手を止めることなく進めていくことができました。

大規模な改修過程ではさまざまな課題が出てくるものですが、このように、企画段階から開発メンバーとコミュニケーションをしっかりとっていく姿勢が今回のプロジェクト成功のポイントだったと思います。

まとめ

これらの改修により、当初掲げていた目標は、離脱ポイントになっていた特定クエストのクリア率が40%増加し、かつ、登録から3日後までの継続率が10%増加するという改善効果が見られ、移管に伴う改修プロジェクトは成功を収めることができました!
今回は、通常の改修とは異なったフローのご紹介でしたが、ミクシィではこのような柔軟なチーム体制でゲーム開発を行っています。今後もミクシィの新しい取り組みにご注目ください。

また、コトダマンは2021年10月にリリースから3.5周年を迎えます。
これを記念し、ユーザーの皆様に感謝を伝えられるようなさまざまなアップデートを準備しています。ぜひお楽しみください!

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To Creator編集部
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