イトウ先生のTips note 【Premiere Pro Beta】リミックス(remix)

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イトウ先生のTips note 【Premiere Pro Beta】リミックス(remix)

イトウ先生のTips note 【Premiere Pro Beta】リミックス(remix)

こんにちは、デジタルスケープの伊藤和博です。

今回の2ndbookは、2021年最後の記事となりましたが、Premiere Pro Beta版から開発中の機能で、「リミックス(remix)」をご紹介します。

この機能は、元々はAdobe Auditionの機能となりますが、タイムラインに取り込んだサウンドを、同じ時間軸に表示されているビデオと調和するよう、曲のパターンとダイナミクスを分析して自動で編集し、新たなサウンドを作り出す、という機能になります。

映像のデュレーションとサウンドのデュレーションが異なる場合でも、サウンドのデュレーションを自由に設定・調整して、必要な時間に合う新しいアレンジを作成するため、ほぼ無限の組み合わせのサウンドを作成することが可能になります。

これまでは、例えば、ビデオのデュレーションよりもサウンドのデュレーションが長い場合で、映像のデュレーションにサウンドのデュレーションを合わせる場合、サウンドの一部のみをトリミングして使用するか、サウンドをレーザーツールでカットしてつなげ、クロスフェードなどのエフェクトをかけながら編集する、という作業が必要でしたが、このリミックスを使用することで、これらが自動的に行われ、映像のデュレーションに見合うサウンドを自動的に作成していきます。

自分では想像もつかないすばらしいサウンドが出来上がる可能性もゼロではありませんので、その辺りの機能をご紹介していきます。

さっそくやってみよう!

Premiere Pro Beta版のインストールに関しては、過去の記事でもご紹介しておりますので、割愛させていただきますが、まずは、ビデオとサウンドをタイムラインに並べておきます。今回は、シーン全体のデュレーションよりも、サウンドのデュレーションが長い場合でご説明します。

タイムライン

この時、ビデオシーンと同じデュレーションのサウンドデータにするには、長い曲の一部分だけを使用するために、サウンドクリップをリップルツールでトリミングするか、またはレーザーツールでカットして必要な部分をつなげる、などの編集を行うわけですが、このクリップから、ビデオシーン全体のデュレーションと同じ長さの新しいサウンドを自動で作り出す、という機能がリミックスになります。

まずは、リミックスしたいサウンドクリップをタイムラインパネル上で選択した状態で、クリップメニュー > リミックス > リミックスを有効化、を選択します。すると、エッセンシャルサウンドパネルが表示され、デュレーションのプロパティにチェックが入った状態になります。

リミックス

この段階ではまだリミックスは行われておりませんが、実際にリミックスする場合は、エッセンシャルサウンドパネルのデュレーションにある「ターゲットのデュレーション」に、再編集後に何分(または何秒)のサウンドにしたいのか?、そのデュレーションを入力します。今回はビデオシーン全体が43秒のため、「4300」と入力します。

すると、サウンドクリップが自動的にリミックスされ、およそ43秒程度のデュレーションに再編集されます。「ターゲットのデュレーション」は、入力した時間の前後5秒程度はブレの範囲内となります。

ターゲットのデュレーション

サウンドクリップを確認すると、ビデオシーンとほぼ同じデュレーションに編集されています。編集が行われた箇所にはジグザクの線が引かれます。

リミックス後

サウンドのデュレーションを長くリミックスすることも可能ですが、長くすると同じフレーズが繰り返し使われることになり不自然なサウンドになるため、長めのサウンドを短くリミックスする、という使い方がいいかと思います。リミックスされた曲は想像もつかないいい感じに仕上がることもありますので、いろいろなサウンドで試してみていただくといいかと思います。

それでは、2021年も1年間お読みいただきましてありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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伊藤 和博
株式会社デジタルスケープ
トレーニングディレクター
伊藤 和博

講師歴25年。講座開発数200以上。 総合商社のスクールでMac/Winを使ったDTP/Webトレーニングスクールの業務全般を担当。大手PCメーカー、プリンターメーカー、化粧品メーカー、大手印刷会社、大手広告代理店、新聞社、大手玩具メーカー、大学、官公庁、団体などに向けたトレーニングなど幅広い企業の人材育成に携わる。 現在は、デジタルスケープにてAdobeCCを中心としたトレーニングの企画、講師を務める。 Adobe認定エキスパート、アップルコンピュータ認定技術者、CIW JavaScript Specialist、CIW Web Design Specialist。