「思い出となるゲーム体験を提供したい」 株式会社スクウェア・エニックス ゲームプログラマー 菊池桂司氏

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株式会社スクウェア・エニックス。誰もが知っているビッグタイトルを続々と世に送り出している同社の大阪支社が、「スクウェア・エニックス×イマジカデジタルスケープ 共同募集プロジェクト」として、デザイナー・プログラマー・プランナーを募集している。今回、スクウェア・エニックス大阪支社で活躍する各職種のスタッフに、職場の雰囲気や魅力を語ってもらうことができたので、彼らの素顔と共に全3回の連載でお届けしよう。 第2回目はプログラマーの菊池桂司氏にお話を伺った。スクウェア(現:スクウェア・エニックス)時代からスクウェア・エニックス大阪支社を見届けて来たという菊池氏が、職場の様子を語ってくれた。


<1>中学生でゲーム業界を志したプログラム少年

──:菊池さんはスクウェアの時代からずっとこちらでプログラマーをされていると伺いましたが、今年で何年目になるんですか?

菊池桂司氏(以下、菊池):今年で20年目になります。

──:そもそも菊池さんがゲーム業界を目指したきっかけは?

菊池:小さい頃からとにかくゲームが好きで、中学生になった辺りから自分でもプログラミングをするようになったんですよね。その頃にはすでに将来はゲーム業界に入ろうと考えていました。

──:ゲームをつくる仕事に就くことは、子供の頃からの目標だったんですね!はじめからプログラマーとして、スクウェアに入社されたんですか?

菊池:実はそうじゃないんですよ。"アイデアマン"な部分が評価されて、始めはプランナーとして採用されたんです。自分自身、プログラマーになりたいというより、ゲームを生み出したい、という気持ちが強かったので特にこだわりませんでした。でもしばらくして"プログラマーが足りない!"という事態になって、結局プログラマーに(笑)。

──:運命的ですね(笑)。どうしてスクウェアを選んだんですか?

菊池:大学を卒業してゲーム会社で働いていたんですが、大阪でスクウェアを立ち上げるという話を聞いて、会社見学をさせてもらったんです。スタッフを含めて、とにかく開発環境が良い会社だな!と感心して、ここならゲーム開発に没頭できて良いゲームが作れると思い、転職することにしました。墓場まで持って行きたいと思ってもらえる"ユーザーの心に響く"作品を作りたいですからね。

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──:現在プログラマーとして活躍されていますが、どういった部分にこだわりや重点を置いていますか?

菊池:プログラマーとしては、やはり処理速度やレスポンスの早さにはこだわりますね。当社のタイトルは映像クオリティの高さを徹底的に追求しているわけですが、映像にこだわるとどうしてもレスポンスが悪くなりがちですよね。そんな場面で、いかに効率的なプログラミングでギリギリのラインを攻めるか。そういった挑戦にどん欲になれる環境なのでやりがいがあるし、ありがたいですね。

──:探究心と向上心、そして好奇心に満ちあふれた現場なんですね。プログラマーとして、菊池さんが意識的に気を付けていることはどんなことですか?

菊池:持ちかけられた案件がどんなに難しいオーダーであろうと、まずはどうすれば実現するかを考えることから始めます。無理と思えるものでもちょっとしたひらめきで解決できることって結構多いんですよね。なので「無理」という言葉を使わないようにしています。また、こういった姿勢や裁量を正当に評価してくれる会社でもあるので、モチベーションが上がるんですよね。


<2>セクションをまたいでフォローし合う一体感のある職場

──:スタッフ全員が最高の作品を作り出そうとする姿勢で、非常に熱心に仕事に臨まれている様子が伝わってきます。それだけ熱心だと衝突することもありませんか?

菊池:考え方のちがいで衝突する時はたまにありますね(笑)。でもそれはゲーム制作に対する熱意の現れに他ならないし、ゲームをもっと良くしようという気持ちから出た発言なので、全く問題ではないし当然です。とにかくみんな真剣ですから、そういったぶつかり合いですら良い刺激になっていると思います。

──:みなさん、自分の仕事に対する気持ちや意識がとてもポジティブですよね。

菊池:"プロ意識"のレベルも全体的に高いと思いますよ。オーダー自体レベルが高いので必然的に課題も重い。私の場合は、企画から関わって自分からアイデアを出すので、自分で言って自分の首をしめることも多々ありますが(笑)。

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──:菊池さんはプログラマーとして企画から携わっているんですね。

菊池:そうです。プログラミングやシステムに関わる部分で企画会議に参加するというより、魅力的なゲームをつくるためのアイデアを提案するという立場で参加しています。あとは、やはりプログラマーと企画が離れすぎないようにしなければいけませんし、各セクションとの橋渡し役として調整するなど、自分から働きかけてこのスタイルを築いてきました。正直、今はプログラミングの仕事より、誰かと話していることの方が多いですね。

──:スクウェア・エニックスで働いていて、どのあたりが他社とはひと味ちがうと感じますか?

菊池:先ほども少し触れましたが、当社は「映像表現のクオリティ」にかなり力を入れています。プログラマーとしては、リアルタイムで入力レスポンスを崩さないぎりぎりのモーションエフェクトやカメラ、UIの表現が最大限発揮出来る処理をつくって行くということになりますが、ここまではどこのゲーム会社もきっと同じですよね。当社はその中でもとりわけ高いクオリティを保ちつつも圧倒的な物量をこなすというところが群を抜いていると思います。

現在『キングダム ハーツ III』を担当しているのですが、"バラエティ感"を出すというところでも圧倒的な物量が必要です。圧倒的な物量と高い映像クオリティを限られた時間でこなすという矛盾だらけの課題をいかに効率よくスケジュールに合うようにさばいて行くか、そういう挑戦を常に行っている会社だと言えます。

──:クオリティを保ちつつ圧倒的な物量をこなすということになると、寝ないで仕事をする、という毎日になりそうですが......。

菊池:短期集中で物事を考えて、煮詰まった時はきっぱりと諦めて帰った方が効率が良い、ということを皆心得ているようです。前日に時間をかけて悩んで解決しなかったことが、翌日の朝出社したら5分で解決できた、ということってよくありますからね。悶々と悩むよりも、ゲームをしたり飲みに行ったり遊びに行ったりして頭の中をリセットすると、また0ベースで考えられるようになって、答えまで一直線に行けるようになるんですね。

──:オン/オフのメリハリがあると、心身共に豊かに過ごせますよね。

菊池:オン/オフは大切ですよね。新しいオフィスに「SKY OASIS」というリフレッシュコーナーがあるのですが、120インチのプロジェクターが2台あって、みんなで毎晩ゲームしていたりします。大画面スクリーンで堪能するゲームは我々にとって息抜きでもあり、またアイデアの源でもあり、本当に良いリフレッシュになりますね。

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▲新オフィスに作られたリフレッシュスペースの「SKY OASIS」。天井から降りてくる120インチの大スクリーンに表示されるプロジェクターの映像は圧巻だ

──:仕事も遊びも一生懸命、という姿勢が人々を魅了させる最高のゲームを生み出すんですね。

菊池:「最高の物語を提供する」というのが当社の企業理念なんですが、"物語"というのは"ストーリー"という意味ではなく、"ユーザー体験"という意味が多く含まれていると思うんです。ユーザーの皆様に良い思い出となるゲーム体験が提供できるように、日々努力ですね。

――現在、プログラミング職も経験者募集中とのことですが、どのようなクリエイターを求めていますか?

菊池:まずはゲーム制作が大好きな人ですね。ゲーム制作に対して自分から意欲的に試行錯誤したり挑戦したり、いろんなものに興味を持ってゲームに活かしたり、どうすればもっとユーザーに楽しんでもらえるか。ゲームを作るという過程を楽しんで探究心を持って取り組む姿勢は大切です。

あとは、解らない事を恥ずかしがらずにキチンと質問できる人。私は面接をすることもあるのですが、「こんな事を質問すると、能力がないと思われるのではないか」と心配して、何も質問しないで帰って行く人が結構多いんです。

大きなタイトルにプレッシャーを感じるかと思いますが、はじめは勝手が分からなくて当然です。誰にでも気さくに聞ける環境なので、疑問点はどんどん質問して職場に馴染むことで実力を発揮してもらいたいですね。そうやって、お互いの気遣いが外れると仕事もスムーズに回っていきますから。

 

休憩時間にリフレッシュスペースの「SKY OASIS」に2台設置されている120インチのプロジェクターでゲームをするスタッフも多いと話す菊池氏。よく働いてよく遊ぶ。メリハリのある生活が基盤としてあるからこそ「最高の物語を提供する」ことができるのだろう。連載最終回の次回は、ディレクターの安江 泰氏のインタビューをお届けする。

 

プロフィール:菊池桂司/Keiji Kikuchi
京都工芸繊維大学卒業後、コナミ株式会社を経て株式会社スクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)に入社。
当時はプランナーであったが、チーム事情からプログラマーに転向し、『アインハンダー』『パラサイト・イヴ2』を制作。アイデアの発案や、エフェクト監督、レベルデザインなども行い、主にゲーム体験に密接な部分に携わってきた。
現在は『キングダム ハーツ』シリーズのプレイヤー担当として活躍中。

第一弾はコチラ↓↓↓
【スクウェア・エニックス 社員インタビュー】
第1弾(1/3):『キャラクターを愛してくれているファンの気持ちに応えたい』

第三弾はコチラ↓↓↓
【スクウェア・エニックス 社員インタビュー】
第3弾(3/3):『熱狂を得るために“そこそこ良い”ではなく、“ズバ抜けた”ものを追及する』

 

取材・文:UNIKO
撮影:島田幸治
編集:CGWORLD.jp

 

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