「非クリエイティブ職」の再考

「非クリエイティブ職」に就くこと

4月は日中ずっとクライアント先にこもって新卒社員向けの研修を提供していました。提供したのはWeb制作実務の研修プログラム。たくさんの壁にぶ ち当たりながら短期間にみるみる力をつけていく皆さんの様子に触れ、また最終日には「どの職場に配属されてもこの研修で学んだことを活かします」という メッセージをもらって本当に頼もしいなぁと感心するばかりでした。

この連載を読んでくださっている方の中には、クリエイティブ業界を目指して就職したけれど直近の配属先はどうも思い描いていた仕事と距離がありそう だとか、または春先の人事異動でこれまでのクリエイティブ職から離れてしまって…という方もいるかもしれませんね。このご時世ですから、4月頭に大規模な 組織替えがあったところも少なくないでしょう。

しかし、そこであっさり「じゃあヤーメタ」と言ってみても先々続かない。そんなときこそ発揮してほしいのがキャリアデザイン上の“クリエイティビティ”です。というわけで今回は、クリエイター人間のための「非クリエイティブ職」について考えてみます。

プロ意識をもてば、すべてはものづくりの仕事

まず、いわゆるクリエイティブ職でしか創造性は求められないと思ったら、それは大きな間違い。それどころか、プロ意識をもってやる仕事において創造力を必要としないものなど存在しないと私は考えています。

どんな仕事も「誰かのために何かをつくるもの」です。どんなに小さく思える仕事も、どんなに型が決まっていそうな仕事も、“誰かのための何か”を生 むことが前提になるし、その価値を生むために何らかの創作工程を必要とします。確かに一見分かりづらいものもあるし、そうせずともやっているふうになせる 仕事もありますが、それはあくまでうわべの話。目的と創作工程を見失った仕事は、仕事の抜け殻でしかありません。

今の仕事のクリエイティブ性を解釈する

じゃあ「自分の仕事の創作工程とは何を指すのか」というと、それは自分なりの解釈を行う必要があります。例えば私の仕事であれば、

Webの仕事をする人のキャリア課題に応じて、必要な知識・スキルや気づきをより能率的に得られる学習の場をつくる仕事

と言えます。というか、私はそう解釈しています。

すると、ただそれについて詳しそうな人に「このテーマで指導してくれ」と依頼して現場に立ち会えばいいという仕事ではなくなります。クライアントの要件に対応した研修プログラムを設計するのはもちろん、

  • 講師の手配
  • 教材の校正・印刷
  • 現場での受講者と講師のサポート

などなど、そのすべてにふんだんの創造力が必要になります。

自分なりの解釈を施せば、あらゆる仕事はあなたの創造力を求めてくるものではないでしょうか。ぜひまずは今の仕事にきちんと向き合って、「それは誰のために何をつくる仕事なのか」を自分の言葉で表してみてください。

イン&アウトプットの繰り返しで自分の言葉を育てる

とはいえ、簡単に言葉が出てくるものでもないというのが実際のところ。この手の解釈は、老舗の焼き鳥屋さんのタレが何年も何十年もかけて継ぎ足し熟成されていくのと同じように、キャリアを重ねる過程で少しずつ自分の言葉が研ぎ澄まされていくものだと思います。

ならば!と今の自分なりの解釈をしようとしたけれど、やっぱり出てこない、自分の仕事の意味もどうもつかみ損ねている気がするときは(そうでなくとも)、信頼をおく上司や先輩と自分たちの仕事をテーマに話してみることをお勧めします。

また、せっかくこれという線引きもなく「社会人ひとくくり」の世界に身をおいているのですから、こういう話こそ同期や社内に限定せず自分よりキャリアを積んでいる人とざっくばらんに話をする機会をもっていくと、いろんな発見・気づきがあると思いますよ。

見通しをよくして、機を捕らえる

そうして半年か一年に一回ぐらいのペースで自分の仕事について振り返ってみると、自分の仕事の見え方が少しずつ変わっていくことに気づけると思いま す。またそうして見通しをよくしていくことで、自分がさらに踏み込んでやりたい仕事をつかみに行くべきタイミングもおのずと見えてくるものです。

本人の意識さえあれば無駄になる経験などないし、それが後々の自分にとって大きな財産にもなります。会社は自らは選びえなかった経験を与えてくれる場だと思えば、目の前の仕事の見え方も変わってくるかもしれませんね。今の仕事があなたにどんなクリエイティビティを求めているのか、胸のうちの不安を一旦引き出しにしまって考えてみましょう。

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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