「お金」からキャリアを考えてみる

「収入」についてじっくり考えてみたことありますか?

今回はお金の話です。「収入」は“自分や家族の生活を支えるもの”ですが、それ以外にも“自分の働きに対する対価”とか“雇い主からの評価を有形化 したもの”といったとらえ方もできますよね。いずれにしても、自分の収入というのは長期的なキャリアを考えていく上で切っても切り離せない要素です。

一方で、ものづくりの仕事に就いている方とお話ししていると、キャリア選択の優先順位で上位に挙がってくるのは「スキルアップできる仕事」「作りた いものが作れる環境」といった仕事内容の充実度。背景には「やりたい仕事で経験を積み上げていけば、それに見合った収入は後からついてくるもの」という考 えもあると思います。

「年収アップ」が第一優先で転職という方はそんなに多くない印象を受けますが、いかがでしょうか。「収入についてじっくり考えてみたことあります か?」という問いに対して間髪入れず、「そりゃーもう、毎日毎日そればっかり考えてますよ!」って方はそんなに多くないのでは?って、そりゃ訊き方が極端 すぎるからだろうって話ですが…。

みんながいくらもらっているのかわからない

誘導尋問はさておいて、なぜ私がそう考えるかというと、まず皆さんが関わるデジタルコンテンツ産業は比較的新しい業界、定年までのこれというキャリアパスや収入モデルが確立されていないことがあります。

さらに、業界を問わず終身雇用・年功序列賃金が過去のものとなり、これに代わって能力・成果主義が一般化してきた。すると、年齢や勤続年数、性別、学歴といったある種わかりやすい区分けで給与を体系化しても実状にそぐわないわけで、社内外で給与体系を明示して共有することがどんどん難しくなっていると思うんですね。

例えば社内で能力主義をもとにした給与体系を作っても、新人から経営層までみんなでその意味合いまで共通理解するのはかなり難しい。何年勤めている かって話なら誰の目からみても明らかですが、何ができるか、どんな成果を達成したか、だからおいくら万円という価値付けを皆で共有するのは相当難儀なもの です。

こういう状況下では、身近に目安となる指標も少なく、収入について考えてみる機会自体もたずにきている方が少なくないのでは、と思った次第です。上 司や同僚・同業の友人に「で、いくらもらってんの?」ともなかなか訊けないですし、人の数字に触れる機会がないと自分について省みる機会もおのずと少なく なるものです。

「で、いくらもらってんの?」という話

そこで今回は、世の中の「で、いくらもらってんの?」に迫り、目安となる数値情報や、お金についてちょっと考えてみる機会を提供できたらと思っています。

(財)社会経済生産性本部では、先に挙げた状況を踏まえて毎年「能力・仕事別賃金実態調査」を行っています。年齢や勤続年数ベースではなく、能力等 級別の調査。回答企業717社が自社の資格等級数を「10等級」と仮定し、実在する社員の所定内賃金を回答したものがまとめられています。

下図を世の中基準として、自分は現在どこに位置しているでしょうか?大前提として、給与の価値観は人によって様々ですし、「いくら欲しい」「○歳までにいくら稼ぎたい」「いくらも何歳もこだわりがない」まで千差万別です。ただ、スキル云々に限定せず、さまざまな観点から自分の現在地を把握しておくのは有意義なこと。自分はどんな指針をもって、逆に何にはこだわらないで生きていきたいのか理解を深める助けになりますよね。

主な能力等級別の月例賃金額
2007年度「能力・仕事別賃金実態調査」結果より
(財)社会経済生産性本部調べ

ちなみに図中の金額は、回答企業の時間外労働手当を除く月例賃金の平均額(大・小企業間格差を除くもの)です。ボーナスや残業代といった所定外賃金を含まない月給額として、目安にしてみてください。

企業規模と賃金の相関関係は…

なお、この調査では「従業員数」で企業規模別にも結果を出していますが、デジタルコンテンツ業界で考えると、企業規模と賃金にはさして深い関係がないように思います。

転職サイトの求人情報を比較しても、「給与の最低保障額」や「年収モデル」で、従業員数「1000人以上」より「100人以下」「10人以下」が高 いものは数多くあります。「年収モデル」で言えば「28歳男性、経験3年、勤続1年」といった同じ属性で見比べて、100万円単位で小規模な会社に軍配が 上がるものも見られます。

もし「会社の規模が大きいほど給与が高い」という先入観で就・転職先の選択肢を絞り込んでいる方がいたら、その制限は取り去ってしまったほうが希望する会社と出会える可能性を高められると思います。小規模な会社こそ給与体系に経営者のポリシーが直接反映されていたりして、一社一社見ていくと興味深いですよ。

「お金」からキャリアを考えてみる

自分の現在地を確認したとき、そこで何を感じ、何を考えるかは人それぞれ。それこそがあなたならではの関心事であり、一番重要なポイントです。あなたがこだわりたいポイント、こだわらないポイントをつかんで、自分が生涯を通じて何のためにお金を貯め、何のためにお金を使いたいのか、一度整理してみることをお勧めします。

そしてそのためには、

  • どの時期にどれだけのお金が必要か
  • 必要な収入を得るためには自分自身をどうスキルアップさせていったらいいか
  • それならいつどこでどういう経験・実績を積んでいくべきか

いつも「スキルアップできる仕事」を求めて仕事に奮闘されている方は、これを機に少し違ったアプローチからキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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