違う世代と関わっていくこと

新しい業界も世代が広域に…

皆さんの職場には、この春新入社員って入ってきますか? または、自分自身がそうだという方もいるかもしれませんね。個人でお仕事されている方や、新卒採用は行っていない会社にお勤めの方も、年度始めの組織変更 で取引先の担当者が変わったり、上司やチームメンバーに入れ替えがあったり、何かと環境変化の多い時期ですよね。

さて、今は就職バブル期の再来で、数年前までの就職氷河期が幻だったかのように学生側の売り手市場となっています。クリエイティブ業界も若手人材を 多く受け入れており、新しいWeb業界を見渡してみても年代別の構成比が20~40代中心に年々バランスよく広がっていっているように感じられます。

世代間の価値観にギャップ

ここで懸念されるのが、世代間のギャップによって生じてくる軋轢(あつれき)です。新しい業界ということもあって、これまでは比較的同じ世代間でや りとりすることが多かった人も、今後は自分と異なる世代と仕事する機会が増えてくると思います。そうなると、「同じ世代では当たり前だったことが通じな い」事態に遭遇することも出てくるわけですね。

「初代ヤッターマンを知ってるか」「そんなの知りません」といった気楽なおしゃべりのうちはいいのですが、仕事のスタンスなど互いの価値観に触れる話になると事態は一気に深刻化します。

相手の発言や振る舞いに、自分の価値観とは明らかに相容れないところが出てくる、すると頭で考える前に気持ちの面で拒否反応が出て、どうにも相手のスタンスを受け入れられないといったことが起こりやすくなりますよね。

時代背景を受けた「独立志向 vs 安定志向」

(財)社会経済生産性本部が毎年実施している新入社員対象の調査に興味深いデータがあります。昨年末、2007年度の新入社員を対象に半年間勤務してみての意識変化調査が行われました。

その結果、「今の会社に一生勤めたい」とする回答は4年連続の上昇で、過去最高(34.6%)を記録。就職氷河期まっただ中の1998年(14.2%)と比べて2.5倍近く増加しています。

「今の会社に一生勤めようと思っている」とする回答
第17回 2007年度新入社員 半年間の意識変化調査
(財)社会経済生産性本部調べ

一方、「起業して独立したい」とする回答は過去最低(20.3%)を記録し、厳選採用期の2004年(35.2%)から4割以
上の大幅減。

「今の会社で出世するよりも、起業して独立したい」とする回答
第17回 2007年度新入社員 半年間の意識変化調査
(財)社会経済生産性本部調べ

また、「先輩と意見が対立しそうなときに、先輩の顔を立てて黙っている」とする回答も過去最高を記録しており、就職した時期によって人の就職観に明らかな違いが見て取れます。

これはつまり、「私たちの価値観は、それぞれが生きてきた時代背景によって大いに影響を受けている」ということではないでしょうか。就職氷河期~厳選採用期に見られる独立志向と、就職バブル期の安定志向はともに、個人の価値観を集めたらその時たまたまそうなったのではなく、それぞれ時代が育ててきた価値観という側面があるように思います。

違う価値観を受け止めてみること

もちろん、どの世代にもいろんな回答をする人がいるわけで、だからこそどの年にも100%という結果はないわけです。ただ、調査結果を全体傾向の変遷として知っておくのは、きっと自分の助けになります。

自分より下の世代、上の世代とのやりとりで相手のスタンスに何か違和感やイライラを感じてしまったとき、「それがその人が時代とともに育んできた価 値観なんだ」というふうに余裕をもって受け止められるのではないでしょうか。上司や先輩・取引先担当者とのつきあい方、部下やチームのマネジメントを、先 ほどの視点をもって捉え直してみると、さまざまな世代とより発展的な関係が築いていけそうです。

「面白いものを創りたい」気持ちは同じ

言うは易し…な面は少なからずあると思います。就職氷河期を乗り越えてきた世代からすると、上の調査結果は「最近の若者はハングリー精神に欠ける」とか「時代背景っていうけど、つまりぬるい環境で育ってきたんだ」と感じられるかもしれません。

が、「若い世代は、0から1を生み出すより、1を10に育てていくのを志向する人が多いのかな」とか、「それを得意とする人が育ってくれば、一つ上 の世代といいチームワークが組めるかもな」と解釈した方が、それぞれの世代がもつ価値観が有機的に関わっていくように思いませんか?

「面白いものを創りたい」とか「自分たちが創ったものを使ってもらいたい、みんなに楽しんでもらいたい」といった想いは、世代を超えて共有できるもの。相手の価値観がたとえ自分の価値観としては受け入れられないものであっても、それはそれとして受け止めてみる。そして共有できるところに意識をあわせて、お互い刺激を交換しあえる仲間になっていけるといいですね。

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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