リフレーミングで、考えの枠組みを変えてみる

「意味づけ」するのは常に自分

例えば会社で、向かいの席の人が昨日と同じ服を着てきたとします。あなたは朝一番、目を合わせて挨拶したときに何を思いますか?

「なんてふしだらな人!」とあらぬ(あるかも…)疑いをかける人もいれば、「お気に入りの服で2着同じものをもってるのかも」と救いの手を差し伸べる人もいるでしょう。「仕事大変で帰れなかったのかしら」と心配する人や、「あれ、今日は昨日?私は誰?」と自分の時間感覚が疑わしく思えてくる人もいるかもしれません。私はと言えば、おそらく昨日と同じ服であることに気づいてあげられない気がします…。

たとえ同じもの、同じ人、同じ出来事にふれても、「どこに着眼して、どう意味づけるか」は人によって様々です。ただ、何はともあれそれぞれに、私たちはいろんな事柄に対して無意識に自分なりの「意味づけ」を行っているものですよね。世の中には初めから絶対的な意味をもって存在しているものなんて一つもなくて、私たちがそれを受け止めたとき、自分なりのラベルを貼ってそう認識しているにすぎないんです。

「リフレーミング」でポジティブに!

と、少しわけのわからないワールドに入りかけていますが、キャリアデザインの話ですよ、はい。どうせ自分で勝手に貼り付けているラベルなら、より快くより可能性が広がっていくようなラベルをつけて世の中のあれこれを捉えたほうが有意義じゃないですか!って話です。

人が無意識に作っている枠組みであれば、意識の上にあげることで、意味づけを変えることもできるはず。特に本人からはマイナスに見えてしまっているものを、ポジティブに捉え直すことを指して、これを「リフレーミング」と言います。

リフレーミングとは

カウンセリング辞典
「事実」というものにわれわれが無意識に与えている「意味づけ」を変える技法。

※出典:「カウンセリング辞典」(国分康孝編/誠信書房)より

リフレーミング実践編

では、いくつか具体的な例を挙げて考えてみましょうか。

「自分のコンプレックス」をリフレーミング

最近読んだ本にあった「太りやすい体質に生まれたことは、かえって幸運だったのかもしれない」(「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹著)というのは実に好例。太りやすい体質の人が体重を増やさないためには、食事や運動に留意して節制しなくてはならないから、その努力を怠りなく続けていけば、結果的に身体は健康になる。

一方太りにくい体質の人は、必要もないのにそんな面倒なことを進んでやろうとは思わないから、自然に筋肉が落ちて、骨も弱くなっていく。ものは考えようですね。屁理屈って言っちゃったらそれまでだけど、どう捉えたら有意義なのかがリフレーミングの肝です。

憂鬱な職場の人間関係をリフレーミング

例えば、いつも高圧的な態度で、やりとりしていると疲れてしまう上司を別の側面からみてみましょう。他部署や社外に向けても統率力を発揮している上司は、常に自分たちの仕事の意義や成果を発信してくれていて、おかげで自分は安定した働きやすい環境を保てているといったことがあるかもしれません。

また仕事の飲み込みが遅い部下も、時間はかかるけど一度覚えたら絶対の信頼をおいて仕事を任せられる人かもしれません。長所と短所は表裏一体ですから、その人の良い面を照らしてつきあっていくと、お互い気持ちよく人間関係を築いていくことができます。

「あまりやりたくない仕事」をリフレーミング

経験を積めば積むほど、あれやこれやの仕事が舞い込んできます。「課題はてんこもり、でもそれをどうにかするのが君の仕事だろう」的仕事に取り囲まれている人も多いでしょうし、逆に経験を積んだことによって何度もやった類の仕事ばかりで退屈さを感じている人もいるかもしれません。

そういう時は、意識的にその仕事の意味づけを変えてみると良いですね。課題の解決策を企画するプロセスを楽しんだり、次同じような仕事がきた時1/3の時間で終わる仕組みを考えるなど、目の前の仕事の意味づけを変えてやれば、やりがいも出てくるし、自分のスキルアップにもつながって一石二鳥です。

「ぱっとしない自分のキャリア」をリフレーミング

就・転職活動で自分の経験をアピールするとき、どうも自分のキャリアがぱっとしないなぁと悩んでいる人も少なくないと思います。特に仕事経験のない学生さんや、就きたい仕事の実務経験がない転職希望の方は、ここで意識的に自分の経験を捉え直す作業が必要です。

前職での経験や学校・アルバイト先での経験を振り返って、自分が得意とすること、周りから重宝がられたこと、失敗体験から学んだことが希望の職場でどんなふうに応用・転化できるのか想像を巡らせてみましょう。「○○を専攻した」「○○の実務経験がある」と言えなくても、裏側にまわってみればそれ以上にアピール力をもつ経験はきっとあるはずですよ。

自分のフレームの捉え方

ただ、なにぶん無意識にやっていることって、なかなか自分では意識の上にもってこられないもの。自分が素直に話ができたり聞けたりする人、内容によってはキャリアカウンセラーに話してみるなどして、自分の見方をチェックしてみると良いですね。

キャリアカウンセラーというのは、その人が悲観的、固定的、一面的になっているフレームを捉えて、その人にとってより望ましく肯定的な枠組みを提供する能力に長けた人だと思いますし(と自分にプレッシャー)。私もそうあれるよう日々精進してまいります…。(笑)

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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