人の話を聴く技術

あなたはどれくらい人の話を聞いていますか?

この間、人の話を聞いているときに、おそろしく頭空っぽの状態で“から返事”している(でも丁寧に相づちを打っている)自分に気づいて、思わず吹き出しそうになってしまったことがありました……。ちなみに、仕事の話ではなく世間話をしていたときのことです、念のため。

巻き添えにするわけじゃないですが、皆さんにもそういう経験ってないですか。ない? 嘘おっしゃい。多くの人にとって相手の話を正確に聞いている割合は、4分の1程度に過ぎないそうです。そう言われると、白状する気になるでしょう。そうでしょう、そうでしょう。

つまり、4分の3は正確に人の話を聞いていない状態というわけですが、一方でこんな調査結果もあります。

コミュニケーションの手段別時間比率
出典:マデリン・バーレイ・アレン『ビジネスマンの「聞く技術」 』

業務時間の40%は聞く作業に費やされている、管理職になるとさらに増えて55%にもなるそうです。昇進すればするほど「話す」より「聞く」ほうの比重が高まるというのは、人によってはちょっと戸惑う結果かもしれません。

何はともあれ40%以上ともなると、仕事場面において「人の話をいかに聞くか」は決して軽視できないテーマといえます。でも皆さん、話の聞き方って改まって学んだ記憶ありますか?「読む」「書く」「話す」に比べると、「聞く」というコミュニケーション方法は、ものを食べれば胃が動くように、音を聞けば耳が勝手にやってくれるものと、なんとなく耳任せにしてきてしまった方も多いのではないでしょうか。

よく聴けている状態とは

人の話をよりよく聴くというのは実際そう簡単なことではありません。では、何をもって「よく聴けている状態」というのか、まずはこの点を確認してみましょう。先に挙げた、『ビジネスマンの「聞く技術」』より要約してご紹介します。

  • 相手のことを軽率に決めつけたり判断したりしない。自分の先入観が邪魔をして勝手な解釈をしないように、ただ聞くことに注意を傾けている。
  • 相手の存在を認め、相手の感情や考え方を受け入れる。相手の立場に立って、相手の視点で物事を見ようとする。
  • 目の前にいる相手に全意識を集中させ、相手の仕草や動作を含むすべてに高い集中力と注意を払う。言葉だけではなく、話を聞いていることを、体全体を使って相手に示している。

会議を通して磨ける能力・資質
ビジネスマンの「聞く技術」
マデリン・バーレイ・アレン(著)

いやー、ここまで求められては「耳」もたまったものではありません。業務時間の40%ずっとこれやってろなんて言われたら、誰だってさじを投げます。しかし、安定してこれに近いパフォーマンスを発揮できれば、心地よいコミュニケーションが生まれるばかりでなく、実際的な仕事の成果につながっていくことも想像にかたくありません。

聞くことを阻害する要因

では、こんなふうにはなかなか人の話を聴けない理由って、具体的にどんなものなんでしょうか。機嫌が悪かったり、忙しかったりといろいろ原因は考えられますが、最も中核となる改善策につながる要因は、自分のリスニングスタイルによるものです。

自分がどんなふうに人の話を聞いているのか、その癖に気づいて改めることで、話の聞き方を飛躍的に伸ばすことができます。

というわけで、ここでは先の『ビジネスマンの「聞く技術」』から、「5つの悪しきスタイル」を要約してご紹介します。一番あなたが陥りがちな聞き方のスタイルは、次のうちどれでしょうか。

取り繕い型

人の話を聞いているふりをしているが、実際は上の空。すべてのエネルギーは「あたかも聞いているように取り繕うこと」に使われていて、結局のところ何も聞いていない。これと別に、話し手の言葉を逐一覚えるタイプも。枝葉末節を記憶するのに一生懸命で、相手の肝心なメッセージが理解できていない。

ご機嫌うかがい型

いつも人の顔色をうかがっており、相手の振る舞いによって意見がコロコロ変わる。「どんな内容が話されたか」「何が要点なのか」ではなく、「自分が相手にどう映っているか」ばかり気にしているため、話の要点が見えていない。

割り込み型

相手が話している途中で、どんどん口を挟むタイプ。相手がどうしてほしいかということを考えていない。自分が不得意な話題、聞きたくない話題のときに関係ない話を持ち出してしまうのも、この一種。

自意識過剰型

「自分のやり方は正しいやり方に見えているか」「できる奴だと見られているだろうか」と、自分をよく見せることばかりに気を取られている。自分への関心が強すぎて、相手への配慮に欠ける。

頭でっかち型

合理性のある話、もしくは自分の論理に合う話にしか興味を示さない。相手の態度や感情を無視してしまうため、相手が本当に伝えたいメッセージを取り逃してしまう。

近しい人への振る舞い方で自己チェックを

さぁ、どうでしたか?「うわっ、これってまさに○○さんのことだよ」なんてぷぷっと笑いながら読んでしまったあなた。今一度、自分自身がどれかに陥っていないかどうか読み直してみてくださいね!

また、お客さんや取引先とのやりとりで自己チェックしたあなたは、直属の上司や部下、近しい同僚にも同じように振る舞えていますか。もう一度、近しい人と話している自分をイメージして、振り返ってみてください。そんなによく聴けていない自分に気づけたら、あとは改善あるのみです。

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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