「できないことをできるようにする」事始め

「できないこと」にはワケがある

キャリアアップとかスキルアップっていうと、何らか「できないことをできるようにしていく」プロセスが必須なわけですが、「できないことをできるようにする」って結構無茶言ってますよね。何せ、できないことをできるようにするわけですから。…ってそのまんまですけど。

そんな無茶苦茶を乗り切るための、能率的なスタートの切り方が今回のテーマです。結論から言えば、何かができないのにはそれなりの理由があるわけで、その原因を突き止めるのが何より先決って話です。そんなの当たり前じゃない!って思う人も多いでしょうけど、ところがどっこいです。

原因究明はけっこう難儀

「○○ができない」理由を具体的に突き止めて、それに見合った対策を講じ、さらにその学習効果をきちんと上げていくのって結構難儀なことだったりします。

「これであなたもプロ○○!」「○○で痩せる!」など、世の中には何かをできるようにしてくれそうな商品・サービスのうたい文句があふれています。こういうのを目にしてしまうと、それで解決できる気になってしまって、自身の原因には合致しない出来合いのものを処方してしまいやすい、そんなことも難儀たらしめる要因の一つかなぁなんて思います。

よく見られるのは、「わかってるし、できるけど、やれていない」ことに対して、知識や技能の習得に時間とコストを割いているケース。教育もまた万能ではないわけで、何でもかんでも教えれば効果が出るというものではありません。知識も技能も習得しているけど、現実に遂行できていないのは動機付けの問題なので、別のアプローチで解決していく必要があります。

はずさない原因究明のポイント

では実際に、自分自身や部下、チームメンバーの「○○ができない」に対して、はずさない原因究明をするためにはどうすればいいか、ちょっとしたポイントをご紹介しましょう。

一つ、できなくて困っていることを挙げてみてください。例えば…

  • 企画書が作れない
  • チームメンバーに指示出しできない
  • お客さんの言ってることがわからない

など。余談ですが、自分が何ができないで立ち止まっているのか、言葉に表して定義づけることも大変重要です。そういう痛い部分ってうやむやにしてしまいがちですが、そこを見てみぬふりしていてはスタートが切れませんよね。

次に3ステップに照らし合わせてみましょう。どこまでクリアできていて、どこでつまずいているかを整理してみるのです。

ステップ1:知識

聞かれたら答えられる

ステップ2:技能

やろうとすれば、できる

ステップ3:遂行

実際にやっている

企画書作りを例に

例えば「企画書が作れない」という課題を例に考えてみましょう。

ステップ1:知識

そもそも企画書ってどういう目的でどういう骨格をもっているものなのか、その辺りが曖昧だと作れないですよね。そうであれば本を読むなり講座を受けるなりして「知識」を身につけることが有効に働きます。

ステップ2:技能

実際やろうとするとうまく作れないという場合は「技能」の問題。ここも教育の範疇ですが、知識を得るタイプの講座や書籍ではミスマッチ。実際に企画書を書くトレーニングなり実務経験と、評価のフィードバックを得られる環境が成長の鍵になります。

ステップ3:遂行

作ろうと思えば作れるけど、実際目先の企画書作りは滞ったまま。となれば、これは「遂行」の問題。立ち止まっている部下に対して、いくら知識や技能習得の研修を受けさせてもさして効果は期待できません。

企画書を作る動機付けとなるような環境作り、(良し悪しは別にして)強制的にやらざるをえない状況に追い込むとか(笑)、そんな対策を講じたほうが奏効します。

使用上の注意

尚、ここで注意したい点が2つあります。

必ずしも段階的に習得しているものではない

必ずしも「技能」ができていれば「知識」はクリアしているというようなステップ構造ではありません。

本質的な理解をしないままできることもありますし、何度かやれてしまったものの自覚的にはできておらず、再現性が確保されていないことも往々にしてあります。各ステップごとに切り分けてクリアしているかどうかを確認してみる必要があります。

分類することを目的にしない

「わかる/できる/やる」というのは、実際何らかのテーマを持ち出して考え出すと、結構境い目が曖昧なもの。自分はできるけどやっていないのか、技能的にできないのか。そもそも曖昧なものなので、正確に分類することに執着する必要はありません。

この3ステップを目安にすることで、自分のつまづきどころが具体的につかみやすくなればいいわけですから、道具に使われず、うまく使うようにしてください。

現在位置をしっかり把握

3点の簡単な分類ではありますが、このステップに分けて現在位置を把握すると、次に進むための効果的な仕掛けが格段に考えやすくなります。さらに分かりやすいチャート図を「インストラクショナルデザイン-教師のためのルールブック-」(島宗理著/米田出版)から引用してご紹介します。あわせて参考にしてみてくださいね。

行動に関して解決すべき問題が生じたときに、その原因と解決策を探るための流れ図
行動に関して解決すべき問題が生じたときに、
その原因と解決策を探るための流れ図

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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