雑誌VERYと展開 2人乗り電動アシスト自転車「HYDEE.B(ハイディビー)」 ブリヂストンサイクル株式会社 社員インタビュー 1回目

電動自転車という新領域

ブリヂストンサイクルが雑誌『VERY』と展開した「ママチャリプロジェクト」で誕生した、2人乗り電動アシスト自転車「HYDEE.B(ハイディビー)」。子育て中の母親だけでなく父親からも好評を得た結果、年間目標台数3000台を約半年で達成した。中森和崇氏は、プロジェクト立ち上げ時からデザインに携わり、一般に浸透している「子ども乗せ自転車」の概念を大きく変えた人物だ。

1993年にブリヂストンサイクルに入社した中森和崇氏は、1年間の設計部での経験を経てデザイン課に配属された。設計部では、1台の自転車を構成する全ての部品に関する仕様書をつくり、メーカーとのやりとりまで行う。仕組みを理解するために設計を学び、あらゆる種類の自転車を手がけてきた。現在は、デザイナーとして電動自転車の開発にも多く携わっている。

中森氏「入社した当時は、まだまだ電動自転車自体の需要が少なく……2000年以降、増えてきたと実感できますね。ブリヂストンサイクルで電動自転車をつくり始めた頃から、社内では初めてデザイナーの立場として関わってきました」

実際のデザインワークは一般的な自転車と平行しており、まず一般的な自転車を完成させた後に、電動タイプを発表するという形式が多い。中森氏は、2005年に発売以来ヒット商品となっている子ども乗せ自転車「アンジェリーノ」のデザインも担当している。科学的に安全性を確保するだけでなく、カラーリングの個性も人気となったモデルだ。

しかし近年の傾向では、電動自転車のためのデザインが増えつつあるという。

 

「アンジェリーノ」

 

「電動自転車というと以前は、普通の自転車の電動版という考え方でしたが、ここ数年は電動自転車のみの展開が増えてきています。」

とりわけ2011年に発売した「HYDEE.B」では、ブリヂストン独自の子ども乗せ自転車をさらに展開させ、おしゃれな街乗り自転車としての要望を両立させるデザインを実現させた。

パパもママも乗れるハンサムバイク「HYDEE.B」

30代主婦を主要購読者層にもつ雑誌『VERY』と開発したのが、「パパもママも乗れるハンサムバイク」をコンセプトとした「HYDEE.B」だ。

 

「HYDEE.B」

 

「最初、話があったときはいわゆる一般的なコラボのように、当社の子ども乗せ自転車をベースに、少し形や色を変えて提案するといった方向性を思い描いていたのですが、実際に打ち合わせを進めるうちに、そんなことでは読者の要望には全く応えたことにならない、満足させられない、という状況がわかってきまして……じゃあゼロからやろうよと完全オリジナルにデザインしました。 
従来の子ども乗せの自転車は『ダサイ』という意見が圧倒的で(苦笑)。読者は都会暮らしで経済的に余裕のある方々なので、これまでの自転車では、お茶を飲みに行くときもわざわざ少し遠くに停めてそこから歩いて行く、といった現実も聞きました。子ども乗せ専用自転車の普及率も高まり、一般的になりすぎてしまったので、流行の先端をいくお母さん方には物足りない存在になっていたようです。それなりにデザインしてきたつもりだったので、正直なところショックでしたね」

通常の開発では、まず販売企画からテーマが上がってきて、デザインと設計が細部や仕様を考え始めるという流れだ。「HYDEE.B」の場合、要望を聞いてテーマ設定する段階からデザインが関わった。

「編集部からは、とにかく『かっこいい電動ママチャリがほしい』と。最初の半年ほどはコンセプトスケッチや部品の試行錯誤に時間をかけました。ロードバイクやマウンテンバイクなどの候補も経て、スポーティーな方向性が固まりました。とはいえ、電動自転車かつ子どもを乗せるため、フレームの高い強度が必要ですから、パイプ径を太くするような工夫が必要になります。細部に至るまでデザインで解決する課題が山積していました」

 

 

プロフィール

ブリヂストンサイクル株式会社 技術管理部 デザイン課長

中森 和崇 Nakamori Kazutaka

1993年 千葉大学 工学部 工業意匠学科卒業

同年 ブリヂストンサイクル株式会社入社。

1年間設計課に所属し、自転車についての規格や構造を学ぶ。以降デザイン課に所属。

軽快車/スポーツ車/幼児子ども車/子乗せ車/折畳み車/電動アシスト車、等

自転車製品及び関連商品全般のデザイン開発業務に携わる。

2011年より現職、デザインマネージメントを担当。

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