未来を拓く究極のビジネスPCを目指すThinkPad レノボ・ジャパン株式会社 社員インタビュー 3回目

質実剛健さを受け継いだ新しさ

ワールドワイドな製品であるThinkPadをデザインする際、日本の経験値だけをあてはめてはいけない、と意識することもあると言う。しかし、世界に通用する日本のデザインへの信頼度は決して低くはない。

高橋:日本の市場は厳しく、要求水準が高いので、世界レベルに照らし合わせても根底では間違いないという感覚はあります ね。逆に日本的な感覚では、海外においては、受け入れられない処理というのもわかってきています。日本IBMの頃に大和事業所で開発をはじめて、いまもこ うして継続していられるのは、両方の感覚を身に着けたことも大きいと感じます。
IBM時代の後半には最先端の尖ったタイプの製品が少なくなり、手堅い製品ばかりになっていました。そして、2005年、レノボ・ジャパンへと会社が変わ り、ThinkPadがどうなってしまうのか、とお客様も思われたかもしれません。ですから、当初は変わらずにやっていくのだと強調したい気持ちがあり、 路線変更はできませんでしたが、やがてそれまでのレベルを超えたプレミアムなモデルを出していきたい、と考えるようになり、実現したのがThinkPad X300。当時としては非常に薄いモデルでした。その次のThinkPad X1は従来からのデザイン手法を用いた一つの到達点だと考えています。矩形から切り出したようなかたちで、ThinkPadらしいコンセプチュアルな形状 に仕上げることができたと思っています。

左)ThinkPad X300、右)ThinkPad X1

ThinkPadらしい、と感じさせること

高橋:ThinkPad X1 Carbonはそこからさらに一歩踏み出したタイプ。まず外観が四角い箱ではないですからね。とはいえ、ThinkPadではない、とは感じないでしょ う。十分ThinkPadのDNAを引き継ぎながらも、単なる質実剛健ではない、きっとお客様が求めているであろう期待値を目指して、それを提示できてい ると考えています。

平野:僕は正直、ちょっと心配でした。デザインモデルが完成した後に、このプロジェクトとは全く関係ない社内の人間に、 聞いて回ったことがあるんです。MacBook Airを相当研究してきたので、もしThinkPad X1 Carbonがどことなく似て見えてしまったらどうしよう、と。でも誰もが、「紛れも無くThinkPadそのもの」と言ってくれたので安心しました。

通常色分けされるコネクタ部分にもシンプルさ追求

高橋:ThinkPadの以前の機種は、たとえばUSBコネクタの内側を黄色や青色や黒色などにして、色で仕様を区別していましたが、そういう処理もX1 Carbonではなくしています。
放送機器やカメラなどプロユースの製品では、使い勝手の観点から、重要なボタン類を色で識別していることがよくあります。我々はそういう道具感も踏襲して いたので、入力する部分や触れる部分などは青、危険なものは赤、注意を促す部分には黄色というようにカラーコーディングを大事にデザインしてきました。そ れもプロの道具と感じられる理由に含まれると思うのですが、逆にシンプルさを阻害する要因でもあるので、そこまで区別しなくても把握してもらえるだろう、 と今は考えるようになっています。

質実剛健な個性を誰もが感じつつ、ThinkPadらしい佇まいと性能をアピールする形は、こうして完成してきた。

変化を恐れない普遍性

斜めに配されたThinkPadのロゴマーク

平野:2012年、20周年を迎えた時に自分なりに振り返り、「普遍であって不変ではない」、それがThinkPadの DNAだと改めて実感しました。黒い四角い弁当箱と表現されてきた形態のコンセプトが重要かというと、そうではないと僕は思っていて、「そこに流れる哲学 が同じであれば、どんどん新しく変わって行く。でもいつの時代も普遍性を持っている」っていう存在だと思うんですよね、ThinkPadは。X1 Carbonは今までとは一線を画した新しい形態かもしれませんが、DNAを確実に受け継いだデザインだと思います。
日本IBM時代の終盤からレノボ初期よりも今は、デザインの考え方や市場への攻め方はアグレッシブになっていると思います。2013年からレノボにとって 最もプレミアムなブランドであるThinkPadを、ビジネスだけでなくコンシューマーにも展開していきたいという方向性が明確になっています。その中で どういう製品を出していくのか、新しい可能性を見つけていきたいですね。

高橋:たとえば、ThinkPadのデザインは、それほどシンメトリーに固執せず、時として、アシンメトリーな手法も用 います。つまり、西洋的ともいえる、安定したデザインにこだわるのではなく、よいと思えば日本的ともいえるデザイン手法も用います。最初のコンセプトを提 案したリチャード・サッパー、ポール・ランドのデザインを基にしたThinkPadロゴもそうですが、ThinkPadは常に世界中の人々のアイデアや意 見を取り入れて、デザインされてきました。一貫して、大和研究所のデザイナーがデザインを担当してまいりましたが、巨匠というべき、デザイナーのアイデア も含め、本当に多くの人々の思いが込められている製品群です。それらを製品という形で一つ一つ、世に送り出し、20年もの長い間、ThinkPadとして 継続することができたことは誇らしいことだと思います。そして、市場が急激に変化している今、ThinkPadは常に先進的でありたい、それを的確に表現 できるデザインを提供していきたいと考えています。

20周年を迎えたThinkPadは明らかに進化しながら、普遍的な存在感を強めている。ユーザーの成熟度や社会の変化に、しなやかに適応する適応力や機動力こそ、大和研究所から生まれた最大の個性なのかもしれない。

※高橋氏の“高”は正しくは“ハシゴ高”です

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