世の中にないものを生み出す。セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズの挑戦ー阪根信一×清水啓太郎インタビュー No.3

2018年4月16日

満を持して発表した、謎の物体「モノリス」

――製品のイメージ戦略的なことも聞かせてください。少し遡りますが、ランドロイドが初お披露目されたのが「CEATEC JAPAN 2015(以下、CEATEC)」でした。

阪根:新製品発表会って本来なら出荷時期の少し前にやるのでしょうが、資金調達の意味も含めて発売の2〜3年前に実施しようということで。

清水:それまで水面下で、社内でも極秘でデザインを進めていたので出すタイミングも早すぎるんじゃないかとか、色々ディスカッションしましたね。CEATECで発表した時は、まだいまの形ではなく、黒いカーボンの箱でした。ティザー期と僕らは呼んでいますが、メッセージやコンセプトを発信することで投資家の方々に注目していただくためのフェーズだったんです。

「CEATEC JAPAN 2015」でのラインドロイドの出展ブース

「CEATEC JAPAN 2015」でのラインドロイドの出展ブース

製品名も設計もサイズも固まっていなかったので、ランドロイドを『2001年宇宙の旅』に出てくる「モノリス」という謎の物体に見立てて、宇宙から謎の物体が降りてきたという抽象的な世界観でブースをつくり込みました。真っ黒い箱みたいなブースにステージをつくって、プロトタイプを壁に埋め込んでプレゼンテーションし続けるっていうブースだったんですが、本当にこれでいけるのかも含めて直前まで練りながら。提案した側としても、ものすごいチャレンジでした。

阪根:私はライゾマティクスさんとなら上手くいく予感はありました。2014年のゴルフフェアでシャフトを発表した時も斬新なブースで注目していただき、その時に「なるほど、ブランドやPRってこんな風につくっていくのか!」という大きな手応えがあったので、CEATECではさらにドカンといきたいなと。

――実際、CEATECでの反響はいかがでしたか?

阪根:結果的には大反響でした。ブース全体を黒幕で覆って、前日のメディア取材もシークレットで通したんです。メディアの方に「ここなんですか?」と聞かれても、「言えません。明日来てください」と。それで話題が話題を呼び、オープンしたらえらいことに(笑)。約200人が立ち見できるブースにプレゼンのたびに400〜500人が来て、4日間で14000人集まりました。

清水:本当に予想以上の反響で驚きました。同時に、このプロジェクトってこんなに期待されているんだというのも改めて感じましたね。

世の中にワクワク感を与える存在でありたい

――2015年のCEATECではパナソニック、大和ハウス工業と業務提携も発表されましたが、どのような経緯で実現したんですか?

阪根:時期は未定ですが、最終的に洗濯乾燥機と一体型にできればと考えていますので、それには洗濯乾燥技術を所有する企業と組む必要がある。さらに「ホームビルト・イン」といって家の壁にランドロイドを埋め込み、最終的にタンスまで自動搬送できるようにもしたいので、ハウスメーカーとも組む必要がありました。特にパナソニックさんは、私の祖父が松下幸之助さんと親しく、勝手ながらご縁を感じていたので、ぜひという強い思いがありお声がけしました。NDA(秘密保持契約)も結んでいましたから、初めてランドロイドの中も見ていただいたところ、すぐに組みましょうと言っていただいて。

――まだまだ進化しそうで楽しみですね。カフェを併設したショールーム「ランドロイド・カフェ」も注目されています。

阪根:発売も近づいてランドロイドを体験していただく場が必要だと思ったのですが、高級家電がポンと置いてある空間って、入りにくいじゃないですか。そこで、買う人も買わない人もワイワイ体験できて、写真を撮ってSNSで気軽に発信できるような空間にできないかと考えたんです。当時のマーケティング担当の方に相談したら、「〈ランドロイド×飲食〉はどうですか?」と言われて、おもしろいかもしれないと。

清水:ゴルフ関連で銀座に路面店を出した時に、高級シャフトを販売しているというのでなかなか人が入ってこなかった失敗談があり、今回は人がいる状態をデフォルトにしたかったので、そこに飲食がピタッとはまりましたね。

――きっとこれからも色々なことを仕かけていくのでしょうが、今後はどんな未来像を描いていますか?

阪根:私たちが目指しているのは、ソニーやアップルのようなコーポレートブランドを日本からもう一度つくることです。ここ数年、イノベーションはもはや日本では起きないと、世界も日本も考えている節がありますが、ランドロイドをきっかけに日本でもイノベーションは起こせることを証明したいんです。オールインワンやホームビルト・インのようなシリーズを展開して、世界中にランドロイドを普及させたいですし、あるいは別のテーマでさらなるイノベーションを起こして、「次は何が来るんだこの会社!」と思っていただく。そんなワクワク感を生み出していければいいですね。

清水:ここまでくるのに、セブン・ドリーマーズさんと共に僕自身はもちろん、関わらせていただいているクリエイティブのメンバーも成長させていただいた実感があります。コーポレートブランディングの時に、100年企業を目指しましょうと長田さんとご提案しました。いまはどちらかというとランドロイドという製品が前に出ていますが、100年続く企業にするためにも、「この会社がやっていることってすごい!」という価値や共感で製品を購入していただけるようなブランドに、セブン・ドリーマーズさんが成長していくといいなと思っています。

聞き手:瀬尾陽(JDN) 構成・文:開洋美 撮影:中川良輔



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