アイウエアからはじまる新体験が、人生を豊かに広げる-株式会社ジンズ(2)

2018年8月14日

これからのメガネの在り方を探る「JINS Design Project」

「Magnify Life」や3つのコアバリュー(「Progressive」「Inspiring」「Honest」)を礎に、イノベーションを重ねてきたJINS。プロダクトデザインにおいても、そのビジョンを大事にしている。

柳原:誠実なものづくりを通して、人々に喜びをもたらすようなメガネなど、常にイノベーティブな商品をつくっていきたいと考えています。そのうえで、デザインの役割はとても重要です。メガネはプロダクトのなかでも、顔に直接乗せて、かける人の印象を左右するという特殊な存在。メガネにおけるデザインは、うわべの意匠だけではなくかけ心地にも大きくかかわってきます。

コーポレートコミュニケーション室・大城りんさん(以下、大城):難しいのが、世の中にはまだまだ「価格が高い=いいもの、いいデザイン」という認識があること。私たちが、リーズナブルだけどデザイン性に優れた、いいものを出していることが十分に伝わっていないと思います。

株式会社ジンズ コーポレートコミュニケーション室 大城りんさん

株式会社ジンズ コーポレートコミュニケーション室 大城りんさん

その課題に取り組むため、2017年にはじめたのが「JINS Design Project」。“メガネの定義を問い直し、メガネの本質からデザインする”をコンセプトに、国内外のプロダクトデザイナーとの対話を通じてメガネをつくりあげていくプロジェクトだ。JINSでは、メガネのデザインは主にインハウスのデザイナーが行っている。これまでにも和田智さんや角田陽太さん、手島彰さんなど外部のデザイナーに監修を務めてもらうこともあったが、それらとは一線を画すものだという。

柳原:「JINS Design Project」は、メガネの在り方や、これからあるべきメガネの姿を本質から考えたいという思いから生まれたプロジェクトです。第1弾はジャスパー・モリソン、第2弾では、コンスタンティン・グルチッチを起用しました。

大城:ジャスパーとコンスタンティンを選んだのは、ふたりがメガネをデザインした経験がなかったからです。まったく新しい、彼らならではの知見を取り入れたいという狙いがありました。また、人に長く愛されるプロダクトをつくってきたという点でも、JINSの目指す方向性にマッチしていたんです。

JINS Design Projectの第1弾「New Normal」。ジャスパー・モリソンが目指したのは「究極の“ベーシック”」

JINS Design Projectの第1弾「New Normal」。ジャスパー・モリソンが目指したのは「究極の“ベーシック”」

ジャスパー・モリソン

ジャスパー・モリソン

渡辺:JINS Design Projectのデザイナーには具体的なリクエストはほとんどせず、デザイナー自身に自由に考えてもらうことを尊重しています。商品が完成するまでの制作フローや、最終的に商品として販売するモデルの数も人によってさまざまなのがおもしろいですね。

大城:ジャスパーは「究極のベーシック」を追求したメガネを目指して試作を重ね、4つのモデルを採用するにいたりました。コンスタンティンは、初期の段階で、いろんなデザインの方向性が考えられることを示すために、一例としてラウンド型に絞った8パターンを提案してくれたんです。ひとつひとつの完成度がすごく高かったのと、ラウンドでそれだけのバリエーションが出せることに私たちは驚きました。それで、「これはすべて出したほうがおもしろいんじゃないか」と、その8種すべてを商品化することにしました。彼自身も、まさか全部採用されるとは思っていなかったようです。

JINS Design Projectの第2弾「ALL ROUND」。コンスタンティン・グルチッチは、メガネのアーキタイプ(原型)であるラウンド型に焦点を絞ってデザイン

JINS Design Projectの第2弾「ALL ROUND」。コンスタンティン・グルチッチは、メガネのアーキタイプ(原型)であるラウンド型に焦点を絞ってデザイン

コンスタンティン・グルチッチ

コンスタンティン・グルチッチ

柳原:商品をつくるだけではなく背景も伝えていきたいので、渋谷店のイベントスペースを使って、それを内容を紹介する展示を行いました。イベントスペースでは、デザイナーごとにプロジェクトをまとめたブックレットも配布しています。デザイナー自身に展示の構成を監修してもらい、商品が生まれるまでのストーリーはもちろん、デザイナーがどんな視点でメガネをとらえたのかといった、思想の部分まで伝えることも大切にしています。

いまのところは、今後もデザイナー単位で商品を継続的に発表し、アーカイブ化していきたいと考えています。そしていずれは、それらをひとつのプロジェクトとしてまとめ、より意味のあるものとして世の中に提示していけたらいいですね。

渡辺:アーカイブ化は、外部に伝えるためだけではなく、社内スタッフにとっても大きな意味をもちます。インハウスのデザイナーが、外部のデザイナー、しかもまったくメガネをつくったことのない人の視点に触れることで、メガネの可能性をもっと感じることができる。たとえば、ジャスパーは鼻盛り(鼻あて)について、「悪目立ちしないこと」に非常にこだわり、小ぶりのものを提案してきました。

しかし、インハウスのデザイナーからすると、鼻の低い日本人にはある程度の高さが必要です。そこで、非常に微細な単位で形状や正面から見たときの角度を調整することで、かけ心地のよさを保ちながら極限まで目立たない鼻盛りが実現しました。そんなふうにして外部から得たデザインの知見を蓄積し、ゆくゆくはそれをオリジナルの商品にも生かしていければと考えています。



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