アイウエアからはじまる新体験が、人生を豊かに広げる-株式会社ジンズ(1)

2018年8月14日

販売本数日本一を誇るアイウエアブランド「JINS」。オールインワンプライスや豊富な商品ラインナップでメガネの新しいスタンダードをつくり出した彼らは、機能性アイウエアや心身の状態を可視化するデバイスの開発など、メガネの枠組みにとどまらない取り組みを続けている。一方で2017年には、デザインを細部から再構築し、これからの時代のメガネを考える「JINS Design Project」が始動。デザインの可能性を広げ、イノベーションを起こし続ける彼らの挑戦についてうかがった。

ファッション感覚で楽しむという新常識ができるまで

雑貨事業からスタートした株式会社ジンズが、アイウエア事業に参入したのは2001年。メガネ業界が抱えていた課題を解決するさまざまな取り組みを行い、革新をもたらした。

コーポレートコミュニケーション室・渡辺里実さん(以下、渡辺):当時のメガネ業界には「プライス」「ショップ」「スピード」「プロダクト」の4つの面で課題を感じていました。私たちが打ち出したのは、そのすべてを解消するビジネスモデルです。

まず「プライス」の面では、シンプルに価格が高かった。それに加えて、価格設定がすごく不透明だったんです。値札には1万円と書いてあるけれど、レンズ代などが加算され、最終的には倍以上の値段になってしまうということも当たり前にありました。

そこでJINSは企画・生産・流通・販売までを自社で行うSPA方式を採用し、中間コストを抑えることで市場最低・最適価格を実現しました。さらに価格設定は、レンズ代込みのオールインワンプライスに。度数にかかわらず、レンズの追加料金をなくしたんです。

株式会社ジンズ コーポレートコミュニケーション室 渡辺里実さん

株式会社ジンズ コーポレートコミュニケーション室 渡辺里実さん

「ショップ」の面では、これまでのようなメガネショップでは入りづらいとういう課題があったので、気軽に足を運んでもらえるようにカジュアルでオープンな店舗設計をめざしました。店舗デザインは必ずしも一緒ではなく、特にロードサイド店や路面店は、建築家やアーティストの力を借りながら、地域の特性に合わせてあしらいを変えています。たとえば原宿店は、空間設計にデザイナーの柳原照弘さんを迎え、ファサードのグラフィックはアーティストの大山エンリコイサムさんが担当。2017年にオープンしたフラッグシップストアである渋谷店は、建築家の藤本壮介さんに設計をお願いしました。

JINS 原宿店。空間設計はデザイナー・柳原照弘さん、ファサードのグラフィックはアーティスト・大山エンリコイサムさんがそれぞれ担当

JINS 原宿店。空間設計はデザイナー・柳原照弘さん、ファサードのグラフィックはアーティスト・大山エンリコイサムさんがそれぞれ担当

JINS 渋谷店。建築家・藤本壮介さんが設計を担当

JINS 渋谷店。建築家・藤本壮介さんが設計を担当

外部パートナーとの積極的な協業は弊社の特徴のひとつです。閉鎖的にならず、外部の優秀な知見やアイデアを、積極的に情報収集しにいくことが大事だと思っているので、社員はいろんな異業種の方にお話を聞きに行っています。

さらに、店舗にレンズの在庫があれば会計から30分前後でメガネを受け渡すビジネスモデルを確立し、「スピード」の問題を解消。いまでこそ一般的になったが、当時はまだほとんど見られないシステムだった。現在でも海外の人にとっては目新しく、日本へやってきた観光客がいくつもメガネを買っていくこともあるという。そして現在、彼らが継続的に取り組んでいるのが「プロダクト」に対する革新だ。

渡辺:メガネを必要とする人にとって特に大きな問題だったのが、「ほしいメガネが少ない」ということでした。メガネはあくまでも高級な道具であり、不具合がないかぎりは1本をずっと使うのがふつうだったんです。それに対しJINSは、市場最低・最適価格でデザイン性を高めることで、ファッション感覚でいろんなメガネを楽しむことを提案してきました。店頭に常時1200種類ほどのフレームを並べ、ルックブックも半期に一度配布しています。コーディネートアイテムのひとつとしてメガネを取り入れてもらいたいと考えました。

通常のメガネ以外にも、「JINS 花粉CUT」やブルーライトをカットする「JINS SCREEN」などの機能性アイウエアを展開。これによって、それまでメガネを必要としていなかった人にも来店してもらえるようになったという。

累計売上800万本突破のPCメガネ「JINS SCREEN」(2017年8月末時点)。ブルーライトから眼を守るために専門医や学術機関との共同研究によって誕生

累計売上800万本突破のPCメガネ「JINS SCREEN」(2017年8月末時点)。ブルーライトから眼を守るために専門医や学術機関との共同研究によって誕生

ブランドマネジメント室・柳原磨里さん(以下、柳原):「眼を守る」という付加価値をメガネに与えたことで、間口がすごく広がりました。メガネショップに行く機会のなかった人にも来てもらえるようになったことは、大きなイノベーションだと思っています。ファッションとして「視力矯正は必要ないけれど、かけてもいいかも」というムードを、徐々に醸成できつつあるのではないでしょうか。

株式会社ジンズ ブランドマネジメント室 柳原磨里さん

株式会社ジンズ ブランドマネジメント室 柳原磨里さん

イノベーションを支える「Magnify Life」

メガネ業界にもたらした、新しいスタンダードと革新。こうした挑戦を根底で支えているのが、「Magnify Life(マグニファイ ライフ)」というブランドビジョンだ。

渡辺:「Magnify」は、「拡張する」「拡大する」という意味をもつ言葉で、私たちは、メガネを通して“人々の人生を豊かにしていく”ことを目指しているんです。このビジョンを実現するために社員たちに求められているのが、「Progressive(先進的な)」、「Inspiring(インスパイアする)」、「Honest(誠実な)」の3つのコアバリューです。これらはブランドアイデンティティでもあり、社員一人ひとりが常に意識しながら、お客様のためにできることを考えています。

2017年12月からスタートした自社ブランドのワンデーコンタクトレンズ「JINS 1DAY」も、「Magnify Life」の考えから生まれたものです。メガネのユーザーにはコンタクトを併用している人も少なくないため、JINSでコンタクトを買うことができれば、より便利に利用してもらえるのではないかと考えました。

JINSはアイウエアブランドですが、メガネの製造販売だけにとどまるつもりはありません。眼の健康をかなえ、眼のためにできることを常に考える。そして、そこから広がるよりよい人生を楽しんでもらうためのブランドでありたいと思っています。



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