「組織」よりも「個人」が長生きする時代

休暇中に読んだ書籍で再発見

年末年始、久しぶりの長期休暇をもって“積読していた本”を手にとられた方もいらっしゃるのでは? 私も数冊たのしみましたが、その一つがP・F・ドラッカー氏の「プロフェッショナルの条件」。

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プロフェッショナルの条件 - いかに成果をあげ、成長するか
P・F・ドラッカー(著) 上田 惇生(訳)

選書が渋すぎでしょうか……。しかし、再読して改めてドキリとさせられたことがあったので、今回はその話をしたいと思います。

「キャリアを考える」って、ただの流行?

このところ世の中はキャリア、キャリアってうるさいけど、自分は今の仕事に満足してるし、職場環境も悪くない。そういう人にしてみれば、「転職」なり「独立・起業」なりのキーワードで語られるここ最近の「キャリア」ネタは、単なる“流行りもの”の一つに感じられるかもしれません。

でも、これは間違いなく、一過性の流行りものではなく、時代の変化。そう改めて認識させられたのが、冒頭の一冊にある「はじめに」のくだりでした。「1年」ではなく「1世紀」という単位で、ここ100年を見渡して今世の中に何が起こっているのかが記されています。頑張って端的にまとめてみたので、「漢字多すぎて読む気しない」という人も、大きな声に出して試しに読んでみてください。

  • 世界人口は爆発的に増加し、平均寿命は爆発的に伸びている
  • 質的には、肉体労働者から知識労働者へと重心が移動している
  • 知識労働者の平均寿命(労働寿命)が飛躍的に伸びている
  • その一方、雇用主たる組織の平均寿命は着実に短くなっている
  • 企業が繁栄し続けられる期間は、いっそう短くなっていく

雇用主たる組織よりも、個人が長生きする時代

つまり、働き手である私たちはどんどん寿命を伸ばしているのに、雇用する側の組織、特に企業はどんどん寿命を短くしている、ということ。さらにドラッカー氏の言葉を引用すると、

歴史的に見て、30年以上繁栄した企業はあまりない。もちろん、繁栄できなくなったからといって消滅するわけではない。しかしほとんどの企業が、繁栄の後に低迷期を迎える。再起して、再び成長する企業は少ない。

確かに、今の世の中で企業が30年も繁栄し続けるのは至難の業。任天堂のように、ある種の「生まれ変わり」を起こせる企業がどれほどあるだろうと思うと、難しさが肌感覚で実感できると思います。

そうすると、組織寿命がせいぜい30年とみて、私たちは明らかにそれ以上の年数を働いていくことになります。20~60歳と考えても40年。今後、労働寿命が50、60年と伸びていくことはあっても、30年を下回ることはないでしょう。

「キャリアを考える」のは時代のニーズ

つまり、これまでは「1社に一生を捧げる」が一般的だったのに、これからはそれが"当たり前じゃなくなる"ということ。本人の望む、望まざるに関わらず、世の中の圧倒的大多数の人が、仕事人生の途中でキャリアの転機を迎えるか、少なくとも主体的に考える必要が出てくるというところが、この時代変化の大きな肝と言えます。

さて2007年、ひろーい意味で、個人がキャリアを考える必然性が見えてきましたか?自分のキャリアについて主体的に考えていくこと。これは決して一過性の流行ではなく、これからの時代のニーズと言っても過言ではありません。一年の節目は、落ち着いて自分のキャリアを振り返ってみるのに良い時期ですよね。このコラムを機に、ぜひそんな時間を少しでももってもらえたら嬉しいです。

(デジタルスケープ キャリアカウンセラー 林真理子)

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