グローバル企業における、日本デザイン研究所の役割 LG Electronics Japan Lab.株式会社 日本デザイン研究所 社員インタビュー1回目 (3/3)

デザインを決める社内コンペは、真剣勝負の国際競争

デザインを決める社内コンペは、真剣勝負の国際競争

LGには、世界5カ所にあるデザイン研究所からデザインを募るという、いわば国際コンペで最終デザインを決めるプロセスがある。日本の企業ではあまり感じることのできない世界的な切磋琢磨。こういった環境において、デザイナー自身のモチベーションも高まる。ライバルは世界のデザイナーだ。

許氏「デザイナーとしてのモチベーションは、社内ですでに決められた仕事に取り組むよりも、誰かと競い合うほうが高まります。さらに、隣にいる人と競うよりも、顔の見えない誰かと競うほうが緊張感も生まれるので、ソウルの本社にいるデザイナーと競い合うのは、プレッシャーもある分、意識も高くなると考えています。ひとつのプロジェクトに本社が6人程度を投入してくるとしたら、日本からは1人で参戦するようなものなので厳しいかもしれませんが‥‥‥日本人だから日本らしさを出そう、というやり方で成功するほど甘くはありません。日本らしさというのは、狙うものではなく、コンシューマをきちんと見据えたコンセプトや表現を追求する中で、自然ににじみ出てくるものでしょう。

一方で、本社としては最終的にどちらかひとつのデザインを決めなくてはならないという意味ではコンペかもしれませんが、それだけではないのです。あらゆる可能性やテイストをふまえ、それらのエッセンスを取り上げて最終デザインに結びつけることに、本質があります。LG全体の中からシナジーが生まれ出るものだと思っています」

たとえば、精緻な処理や、アフォーダンスへの配慮、使いやすさといった面では、日本のデザインは世界の先頭を走っている。

許氏「日本のデザインについて、製品を介して捉えるならば、全てに勢いがあるとは言い切れません。しかし、海外から見る日本のデザインは、以前もそしてこれからも力があると私は見ています。特に家電は、グローバル展開で遅れをとっている面があるので、デザインまで同じ評価を受けてしまいがちですが、ひとりのデザイナーとしては、そろそろまた日本のデザインが注目を集める時代がくると考えています」

森氏「よく『ガラパゴス化』などと揶揄される日本の携帯電話業界ですが、だからゆえに、培われた技術や使いやすさがあるわけです。それを海外に発信するという考え方もあります。海外ではまだその優秀な発想に気づいていないだけかもしれない。うまく発信するやり方があるだろうと思います。
たとえば、『お財布ケータイ』といった機能は海外にはありませんが、日本のシステムを全世界的なインフラとして整備できれば、携帯電話をもって海外に出たときにそのまま支払いができるような時代も夢ではありません。メーカーがアライアンスを組んだ大きな動きが必要になりますが、システムや規格を統一すれば道は開けます。国内にはすでに材料が揃っているので、それを活用して発信することも課題になるのではないでしょうか」

LG Electronics Japan : http://www.lg.com/jp/

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