チームワークから生み出された美容家電 パナソニック株式会社 インタビュー 1回目

すべての源にあるデザインフィロソフィー

村松悦司 むらまつ えつし
パナソニック株式会社 デザインカンパニー アプライアンスデザインセンター チームリーダー
1989年入社。メンズシェーバーやドライヤーなどの理美容家電、マッサージチェアやジョーバ―などの健康家電のデザイン開発担当などを歴任。現在は主に女性向けビューティ関連商品とオーラルケア商品全般のデザインマネージメントを担っている。

パナソニックが掲げるデザインフィロソフィー「Future Craft」。全ての商品デザインに一貫するこの哲学は、当然ながら美容家電にも踏襲されている。デザインカンパニー アプライアンスデザインセンター チームリーダーの村松悦司氏は、「デザインフィロソフィーFuture Craftの要件である、『憧れを魅せる』『誠実に造り込む』『人を見つめる』『地球と共に』をデザイン開発の根底に置いています」と話す。

村松:女性が中心になる商品が多いので、女性特有のライフスタイルや価値観が前提になります。Future Craftの4つの要件を追求しながら、ユーザー理解が特に重要という意味で、『人を見つめる』ための様々な取り組みをしています。

美容関連の商品群は、ヘアケア、フェイスケア、ボディケアの3カテゴリーで構成されている。村松氏は入社以来、長年にわたって美容家電を担当してきた。

村松:最近では女性に限らず、若い男性が使うようになった美容商品もあり、身だしなみの価値観が高まっていることを実感します。その点では、女性だけ、あるいは男性だけを意識するのではないものづくりだと言えますね。他のプロダクトとは少し異なるかもしれません。たとえば、メンズシェーバーのデザインだとしても、女性が男性にプレゼントするという視点で捉えることも大切になってきます。企画や開発の担当者など商品に関わるメンバー全員が集まって新商品づくりに着手します。企画担当者と一緒にユーザー調査してその結果をデザインに盛り込んでいきますし、できる限り最初から関わるようにしています。

村松氏とともに商品開発に携わってきたのは、ビューティ・リビング事業部商品企画グループ スタイラ・アイロン商品企画チーム チームリーダー 清藤美里氏だ。

清藤:一心同体、ひとつのプロジェクトチームとしてお客様の顔を見ながら進めるのが、私たちの商品開発です。各々の専門分野に軸を置きながらも、互いに垣根なく意見を交わしながら新しいものを考え出せる環境が強みだと思っています。

常に“お客様目線”で考える

清藤美里 きよふじ みさと
パナソニック株式会社 アプライアンス社 ビューティ・リビング事業部 商品企画グループ スタイラ・アイロン商品企画チーム チームリーダー
2000年入社。携帯電話用のデバイスのBtoB営業を経験した後、社内公募制度を利用し、現職のビューティ商品企画に異動。ナノケアドライヤー、頭皮エステなど様々な商品企画を担当。現在は全世界向けのヘアケア・衣類アイロン商品の企画と戦略立案を担当。

ヘアードライヤー「ナノケア」

市場にない全く新しい商品を生み出すために、デザインや企画といった部署の垣根を越え、常にメンバーが集まり向き合っている。

清藤気をつけているのは、常にお客様目線でいることです。技術やデザインはどうしても専門的な視点に寄っていくことが多くなりますが、そこはマインドを統一してお客様目線でいよう、と話しています。お互いがイメージするお客様の顔が、同じに見えるように、認識をひとつにする感覚です。

開発商品によって、見つめる顧客の顔は毎回違う。戦略上、尖った感性の顧客をターゲットにして、そこから広めていくようなマーケティングもあれば、最初からマスを狙う考え方もある。

清藤:例えば、『ヘアードライヤー ナノケア』は現在、年間約70万台を売り上げるヒット商品です。ヘアードライヤーとしては高単価商品にも関わらず、すでにお客様に受け入れられている市場に育っています。一方で、頭皮エステのように市場になかった商品を出すときには、最初からマスを狙うことはできません。まずは少ないニーズを確実に掴むためにも、感性の尖ったお客様を見ます。具体的には、仕事や年収、世帯構成、住居の情報など細かい部分まで想定してターゲット像を固め、その人に絶対に選ばれる商品を目指します。逆に言えば、その人に買ってもらえない商品は作らないという確固たる軸を持って進めています。

チームのメンバーで繰り返し行なうワークショップには、非常に時間をかける。実際に作ってみて、全員で議論を重ねるのが基本的姿勢なのだ。

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