[100人の同志でグローバルでの成功をめざす]グッドパッチ 土屋尚史インタビュー 3回目

[100人の同志でグローバルでの成功をめざす]グッドパッチ 土屋尚史インタビュー 3回目

日本で広がるプロトタイピングプロセス

「Prott」の活用シーンは広がっている。海外のプロトタイピングツールのターゲットは、ほとんどがデザイナー。しかしProttは、デザイナーだけでなくディレクター、エンジニアなどの開発スタッフはもちろん、営業担当のスタッフが使用することもあるという。

土屋:営業の方が、クライアントへの提案時にモックアップをつくって持っていくということがあるようです。これまでは、パワーポイントで資料を作成することがほとんどだったと思いますが、パワーポイント上で見せられてもなかなかイメージがわかないんですよね。Prottには「プレゼンテーションモード」があるので、それを使えばユーザーの活用シーンもイメージしやすい。学習コストを一切かけず、誰でもかんたんに使えることは、僕らがこだわった特長のひとつです。

プレゼンテーションモード

プレゼンテーションモード

かんたんに動くモックアップをつくれるようになると、職種にかかわらず、個人の創造性は高まるはずです。そして、Prott上で個人のアイデアをコラボレーションすることで、プロダクト全体のクオリティを上げることができる。機能ではなく、設計とデザインから開発をスタートすることで、ユーザーが求める理想のプロダクトをつくることができるんです。

国内の企業でもプロトタイピングプロセスの導入が徐々に広まり、Prottは現在、国内外で7万ユーザー(2016年7月時点)を誇るツールへと成長した。アップデートを続けるいまも、やはりユーザーの声を聞くことを大切にしているという。そのひとつが、ユーザーへのサポートだ。

土屋:弊社では、初期のころからユーザーサポートに力を入れています。Prottの画面のわかりやすいところに配置した問い合わせのボタンからチャットが立ち上がり、すぐに弊社のサポートチームにメッセージを送ることができるんです。おおよそ5分以内には返信をするようにしています。サポートを通した手軽なコミュニケーションは、ファンを増やすことにつながっていると思います。

チャット形式で、社内のサポートスタッフがすぐに対応

チャット形式で、社内のサポートスタッフがすぐに対応

デザインの力を信じる100人のメンバーたち

土屋:Web制作会社で働いているとき、僕は、制作現場でデザイナーの価値がとても低く見られていると感じていました。日本では、デザインは表層的な彩りだととらえられがちですが、ほんとうはそうじゃない。

デザインはプロダクトの価値を定義して、それをいかにユーザーに使いやすいかたちで提供するかという部分を担う、いわば「プロダクトの価値を最大化させていくためのプロセス」です。だから、本来であればデザイナーはプロダクトやサービスの開発プロセスの最初から関わっていないといけないはずなのに、日本ではデザイナーは開発のほんの一部分にしか関われないようになっている。特にサンフランシスコやヨーロッパなどの海外では、経営者などにもデザインの価値がきちんと理解されていて、経営層にデザイナーがいる企業もあります。

グッドパッチに集まった約100名のメンバーは、そういった、デザインの価値をめぐる環境の課題を感じていた人たちです。デザイナーやエンジニア、さらにはプロジェクトマネージャー、セールス、バックオフィスのスタッフも、全員がデザインの力を信じている。僕らは、「デザインの力を証明する」ことをミッションとして掲げています。そのためには、デザインの力でクライアントのサービスを成功させることはもちろん、自社サービスをグローバルで成功させることも必要不可欠です。

現在、約7万人いるProttのユーザーの半数は日本人であり、グローバルではまだまだ成功しているとはいえません。今後も、ユーザーの声を聞きながら地道なブラッシュアップを積み重ね、Prottを通してデザインの力を証明したいと思います。

株式会社グッドパッチ 土屋尚史(代表取締役社長/CEO)

取材・文:平林理奈(Playce) 撮影:永友啓美

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